入れ歯とは

認知症の予防

噛めることは幸せ食べられなくなってくると動物はその一生を終えていきます。食べること=生きることです。
食べることは噛むことですから、歯の果たす役割は我々が想像する以上の大きなものです。
生まれてこの方、今まで意識をしないでも当然のように噛むことができていたのですから、これからも何の努力もしないでも当然後からついてくると軽視しがちですが果たしてそうなのでしょうか。

歯の果たす役割の最たるものが噛む=栄養補給、それに異論はありませんが、私たちの知らないところでもっとたくさんの恩恵を受けていることが最近の研究で明らかになってきています。その一つが認知症予防です。

噛む行為は咀嚼運動を伴い、その運動が脳への刺激になることと、味わうことやおいしい思う感情も脳への刺激になります。噛める人と噛めない人に違いがあると、多くの高齢者をみている老人病院や介護施設の現場から声があがっているのが実情です。なんとか噛めている、飲み込んでいるでは手に入らない「ちゃんと噛む」という行為を見直していただければと思います。

楽しい食生活

歯が抜けたままの状態や具合の悪い入れ歯では十分にかむことができないために、小さく細かく、柔らかい物しか食べることができません。かぶりついたり噛み応えのあるものは敬遠しがちです。
食べたいものを自由に選べない、人と同じ食べ物が食べられないことだけでもつまらない食生活ですが、出かけて外で食べるのが億劫になったり、他人との食事の際や家族の人の輪に入りづらかったりと、日々を楽しめなくなります。

具合の良い入れ歯で、おいしく、楽しく過ごすことができればこれから先の人生でどれほどの幸せが積もり積もっていくのかお考えになられてみてください。今楽しまなくていつ楽しむのか、たかが入れ歯ですが得られるものは大きいと思います。

若々しさを保つ

歯が抜けたままや噛むことだけを考えた入れ歯では、口元が引っ込み張りがなくなりしわが増えて老人的な顔つきになります。元は歯と歯茎で内側から口元と頬を持ち上げていたものがなくなったためです。年齢のせいだけではありません。

失ったのは歯だけではありませんので、あごの位置や歯茎まで回復する入れ歯を装着することで若々しさと顔貌に対する自信を取り戻し、食生活の改善だけでなく社会性の回復をも手に入れることは夢ではありません。

明るい会話がはずむ

家族食べるものを選ぶ必要がないことや口元と顔貌に自信を取り戻すことで、生活に活力が生まれ、口元を気にせず人との接触が億劫でなくなります。さらに発音も明瞭になることで人との会話が弾み、人とのおつきあいという社会性が広がっていきます。

歯の働きは噛むことだけではなかったのです。あるのが当然と思っていたために気づかなかった歯のありがたさを回復するには、なんとか噛めるだけの入れ歯では不十分だと思います。

残っている歯と歯茎を守る

「まだ他の歯で食べられる」と歯が抜けたまま放置していると、失った歯の仕事を押し付けられた他の歯は疲れ、寿命が短くなることがあります。他の歯も二十歳のままではないのですから無理はいつか形となって返ってくるとお考え下さい。
また隣の歯が傾いたり、噛み合う歯が伸びだすなど歯全体のかみ合わせを歪めることになることが多く、他の歯の寿命を縮めてしまいます。

このような他の歯の変化はあごの骨と歯茎にも影響して痩せさせることにつながります。
入れ歯でこの負の連鎖を止める・遅くすることが必要なのです。
歯一本といえども、人の体に不要で無意味なものはありません。
元は歯があったのですから、無理をさせずできるだけ元に近い状態の戻していくことがこれからの長い人生を快適に送るためには大切なこと、今できることだと考えています。

部分入れ歯と総入れ歯の大きな違いとは

私が大学を卒業して真っ先に勉強したのが総入れ歯でした。多くの先輩先生方が苦手とされており、大学の教育だけではどなたにでもご満足いただけるような入れ歯を作ることができなかったからです。それ以来、数十年色々な場所で学び、現在もまだ完成形と思えないでいます。たぶん一生学び続けていくことでしょう。それだけ入れ歯は奥が深く、見ようによっては難しい部分を含んでいる分野だと思っています。

入れ歯には一部ご自分の歯が残っている部分入れ歯と歯が一本も残っていない総入れ歯の2種類があります。
総入れ歯は部分入れ歯を単に大きくしたものとお考えの方が多いのですが、実は大きな違いがあります。

入れ歯を安定させるメカニズムが全く異なっており、部分入れ歯をそのまま大きくしただけの総入れ歯はすぐに外れてきます。部分入れ歯の安定は基本的に残った歯に針金のような金具を引っ掛けて入れ歯を安定させるメカニズムです。そのために入れ歯自体はあごに吸い付く形になっていません。針金などの金具がないと、いとも簡単に外れてしまいます。

一方総入れ歯の安定は、あごや頬の粘膜に吸盤のように吸い付くメカニズムです。そのため入れ歯の淵から空気が入れば吸盤と同じくパカッと簡単に外れてしまいます。部分入れ歯と一見同じように見えるかもしれませんが、空気が入らないように入れ歯の淵の形や厚みを微妙に調整して吸盤効果が得られるかどうかが生命線なのです。

小さい吸盤より大きい吸盤の方が吸い付く力が強いので、入れ歯も大きく広い入れ歯の方が吸い付きが強く噛む力で入れ歯が揺すられても安定して外れにくくなります。重力に逆らっているにもかかわらず、下あごの総入れ歯より上あごの総入れ歯の方が安定がいいのは入れ歯の面積が広く大きな吸盤になるからです。
しかし大き過ぎる入れ歯は異物感を感じますし、部分入れ歯のように小さ過ぎる入れ歯は吸盤効果が得られずすぐに外れてきます。このちょうどいい具合を探すことが学問だけでなく感覚と経験が求められるため難しいのです。

口の中の粘膜は噛むものによって形が変わり、どう喋るかによっても形が変わる変幻自在なものです。形があって形がないものですから、歯型を取ってもその時だけの形にしかなりません。別な時には違う形に変化するため型取りが難しいのです。材料に何を使うなどとハードの問題でなくどう考えるかどう作り上げていくかというソフトが重要です。

一般的に小さな総入れ歯が多いのは、この様々な形の最小公倍数にしておけば受け入れやすいために不満を訴える方が少なく、反対に最大公約数を求めるには時間と手間がかかるためです。しかし小さな入れ歯は小さな吸盤になって外れやすく安定が悪く、痛みが出やすくなります。これがなかなか満足した総入れ歯に出会えない理由の一つです。

しかし実はこれはまだ序の口で他にも様々な問題が総入れ歯にはあります。入れ歯は歯科の中で最も経験値が必要だといわれる理由です。一度だけの簡単な型取りで短時間に作る入れ歯には限界があることをご理解いただけたでしょうか。これからの人生のパートナーである入れ歯に、時間と労力をあげていいただければ幸いです。

入れ歯に関連するよく頂くご質問

保険適用と適用外の入れ歯の違い
入れ歯の耐用年数は何年ですか?
歯がないのが不便です。入れ歯やインプラントどれがいいのですか?

当院の入れ歯の特徴

入れ歯が痛い、よく噛めない、すぐに外れる、入れ歯の周囲に食べかすが入ってうっとうしい、入れ歯の異物感が気になる、入れ歯が目立って嫌だ、口元が年寄り臭いなど人によっていろいろなお悩みがあることがあります。

「入れ歯だから仕方ない」とあきらめないでください。
このような不満と決別して、快適な食生活をお送りいただけます。
無意識に体の一部となった入れ歯で、食べる楽しみをぜひもう一度味わってください。
どんなことでお困りなのでしょうか、またどんな食生活をお望みなのでしょうか。
そうしたご希望に沿って最適な入れ歯をご提案いたします。 

選べる入れ歯のタイプ

歯にかける金具がなく人目につかない審美的は部分入れ歯部分入れ歯
針金金具がなく、自分の歯のように何でも噛むことのできる部分入れ歯部分入れ歯②
あごの部分を金属にして入れ歯の厚みを薄く異物感の少ない入れ歯入れ歯
外れにくくよく噛める総入れ歯総入れ歯
歯があった昔の口元を再現した総入れ歯総入れ歯

入れ歯の欠点の一つは歯茎で噛む力を支える構造になっていることです。そのため噛む力で入れ歯がズレると当たって痛い、外れやすい、よく噛めないなどの不満を生む元になっています。
総入れ歯とインプラント
それを解消するために入れ歯の下にインプラントを数本入れて、入れ歯のズレをなくし外れず、よく噛めるタイプの入れ歯もあります。入れ歯の簡便性とインプラントの固定性のいいとこどりをした複合タイプです。

このように現在は色々なタイプの入れ歯があります。今のご不満を解消するにはどのタイプが適しているのか、それぞれの特徴を元にじっくりとご相談してまいります。
そのためにご不満や疑問はなんでもご遠慮なく私たちにお伝えください。

 

入れ歯で何が変わるか

食事会1入れ歯が外れるのではないかと不安になる心配がない。
噛むと痛い、うまく噛めないなどの不満がない。
噛めるものだけを選ぶ必要がなく、硬い物でも何でも噛める。
入れ歯の下や周囲に食べかすが入り込んでうっとうしいことがない。
歯があった時代の口元に近く、入れ歯だと人にわからない。
人前で入れ歯を気にすることがないなど、いろいろな今の不満が解消されます。
※お口の中の状況や治療法によって結果が変わってくることを予めご了解ください。

どのような生活をお望みでしょうか

食事会外で他の人とのお食事にも不安を感じず、よく噛めておいしく感じられる状況をご想像してみてください。
人前で入れ歯を気にすることなく喋り笑うシーンを頭の中で描いてみてください。どれも実現可能です。
今の不満から解放され、昔好きだった懐かしいものを食べてみませんか。
どこにでも気軽にお出掛けになられて、好きなものをご自由にお召し上がりください。
今までにない入れ歯ライフをお送りいただけると思います。

 

入れ歯治療の流れ

当院の総入れ歯の作り方

1)お口の検査とご相談

現在抱えておられる不具合やご不満をお伺いします。お口の中の検査による現状の把握をし、ご不満等を解消する方法の検討の後、選択肢のご提示やメリット・デメリットと共に今後のご相談をいたします。

2)治療計画のご説明

ご不満を解消するための治療計画を作成し、その特徴や予想治療期間、費用などをご説明いたします。
ご了解が得られ次第最初の入れ歯製作に入ります。

3)即時義歯

噛めない、抜歯で歯がないなど生活の不便を最小限にするための取り急ぎの応急処置的な入れ歯です。
入れ歯の完成度は低いものの、次の入れ歯が出来上がるまでの繋ぎとなります。
抜歯が予定されている場合には抜歯前に作っておき、歯がない状態を回避することもあります。症例やご希望によっては省略できます。

4)仮義歯

顎のズレがある場合や今までの入れ歯で本来と違う位置で噛む習慣がついてしまった場合などで、それを可能な限り元の位置に戻すことを目的に作る入れ歯です。

元の位置が生体にとって自然な位置のため、入れ歯が安定しやすく、噛むことなどの機能的な能力が最も得られやすい位置です。筋肉など口の周りの緊張状態が最も少ない位置でもあります。長年の問題の蓄積によりその位置が狂ったケースが多いのが実情です。その位置はご本人でもわからないため体に聞いていくことを繰り返すしか方法がありません。そのため治療に期間がかかることを予めご理解ください。

位置を模索するため足したり削ったりを繰り返し、治療に治療を重ねていきますので、審美性や咀嚼能力などの機能性は優先できません。仮義歯で入れ歯を受け入れるお口の中が変化し、またあごの位置も元々歯があった時代の位置に近づいてきます。入れ歯を作ることができる土台作りとお考え下さい。

5)治療用義歯

仮義歯で入れ歯作りの土台が出来上がると次のステップ、治療用義歯を作製します。この入れ歯の目的は、最終義歯を作るための試行錯誤とテストです。どこで噛むのが最も力が入り安定するのか、前歯の位置はどこが自然で口元と調和するのか、発音は十分なのか、実際に使ってみて患者さまと歯科医がお互いに確認しながら修正と調整を繰り返していくことになります。

ここでお互いに不満が解消されてゴールを描くことができればいよいよ最終ステップの最終義歯に移ります。ここまでの期間をかけてやっと型取りや噛み合わせを作ってきたことになります。

6)最終義歯

ここまでの期間に色々な試行錯誤と修正の後たどり着いた治療用義歯は、治療を重ねてかなりくたびれており、審美的とは言えなくなっています。しかしゴールを形にしたものでもありますので、それを元に作れば長く使えるきれいな入れ歯となります。それが最終義歯です。

7)定期検診

末永くお使いいただけるように時折チェックされ、ご自分では気が付かない問題でも小さいうちに悪い目を摘むためにご来院ください。


○部分入れ歯は「部分入れ歯と総入れ歯の大きな違いとは」でお話ししたように入れ歯に必要な要件が変わることと、残った歯との調和などが異なるためこの作り方とは違ってきます。
○そう大きなお困りがなく、入れ歯治療期間を少しでも短くされたい場合は、結果に違いがありますが「治療用義歯」のステップを省略することも可能です。
○健康保険では入れ歯は一度しか作ることができないルールがあるため、この治療の流れとは異なることを予めご了解ください。

 

当院の義歯治療費

即時義歯:¥54,000

総入れ歯を失くされた時など急ごしらえの簡易的な入れ歯です。入れ歯の完成度は不十分ですがその場を何とかしのぎ、この入れ歯を使いながら正式の入れ歯を作製することが目的です。

義歯初期治療:¥270,000

仮義歯(仮の入れ歯)を作製し、お口やかみ合わせなどにその入れ歯を合わせていく試行錯誤やあごの位置のズレを修正する治療です。多くの場合、歯を失くす過程で段々あごの位置やかみ合わせが本来の状態からズレてしまっていることがあります。このズレがある状態で入れ歯を作ってもご不満のないいい入れ歯が作れないために、このズレを出来る限り本来の状態に戻すことが目的です。噛むことや見栄えは次の中期治療の目的です。

個人差がありますが2~3か月程度かかります。

義歯中期治療:¥216,000

仮義歯を元に治療用義歯(次のステップの入れ歯)を作製し、初期治療で獲得できたものをさらに向上させて、より良い入れ歯に仕上げていく治療です。この治療で噛める、痛まない、外れない、口元が自然など、治療前のご不満の解消を達成することを目指します。患者さま歯科医双方が納得できるレベルになれば、その状態を長続きさせるために次の義歯最終治療に移ります。

個人差がありますが1~2か月程度かかります。

義歯最終治療:¥270,000

最終義歯(今後使い続ける入れ歯)を作製し、微調整を行い入れ歯に慣れて問題がない状態になれば治療すべてが終了です。

約1か月程度かかります。


あごやかみ合わせのズレがない方は初期治療は必要ありませんし、即時義歯だけなど治療単独をゴールとするものから全ての治療を行うものまでゴールは様々です。お口やあごの状況、現在不満とされていらっしゃる内容、どう改善されたいのか、などを総合して勘案し、どの治療を組み合わせていくのかを治療計画のご説明時にご提案させていただきます。

部分入れ歯はご自分の歯が残っている状態のため、総入れ歯と治療内容と工程、期間が変わってきます。症例ごとに必要な治療内容が異なりますので治療費は症例ごとに計画のご説明時にお話しさせていただきます。
上下の奥歯同士がしっかり噛みあっており、噛み合わせ位置に問題がない症例では途中の治療ステップを省略して、基本的には「義歯最終治療」だけで完了できる場合もあります。

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