歯を大切にされてこられましたか?

歯みがき今までまったく歯のことなど気にもしていなかったのに、詰め物やかぶせ物が取れて物が詰まるようになって食事がとりにくかったり、噛むと痛い、歯の痛みで寝られなくなる、などの問題が起きて初めて歯の重要性に気づくことがあります。
問題が起きる前なら簡単な治療で済んだかもしれませんが、一度起きてしまうと歯を削る、歯の神経を失う、ひどい場合には歯を失うこともあります。

虫歯は歯を悪くしたり、失う原因の一つです。
歯をもっと大事にしておけばよかったと後悔しても後の祭りですが、もう過ぎてしまったことは仕方がありません。これからどうするかが大切です。
どう治療するか、二度と同じことが起きないようにするにはどうするかが重要なのです。

 

虫歯の治療とは

虫歯の進行C2虫歯は虫歯菌により発生します。
進行することはあっても自然に治ることはありません。
少しでも虫歯菌が存在すると進行や再発をするために、虫歯菌が侵入した歯質を削って完全に除去する必要があります。

もし虫歯になった部分を取り残せば、そこからまた虫歯が進行します。
本当は歯を削らずに虫歯菌だけ薬でやっつけられれば理想なのですが、除去する以外に確実な方法がないのが現状です。

 

なぜ、虫歯になってしまうのか?

人体で最も硬く丈夫な組織である歯に穴が開いたりすることが不思議ではありませんか?歯は1㎠に体重に近い60Kgもの力がかかってもびくともせず、硬い物から柔らかいものまで、熱い物から冷たいものまで何でも食べられます。

虫歯とばい菌また歯の寿命は健康な状態であれば120年以上もつという話もあります。そんな歯が虫歯になって穴が開き、さらに悪くなって最終的には抜歯になる理由は細菌の存在があるからです。

人の快適な環境は、空気、水、栄養、温度で決まりますが、それは細菌にとっても同じです。お口の中は体温によって適温に保たれ、飲食により栄養が豊富で、唾液により水分が豊富と、細菌が繁殖するのに必要なものが全て揃っていて細菌にとっては生存して行く上で理想的な場所です。何もしなければ口の中はまるで細菌の培養器のように菌が繁殖し続けることが出来ます。

有史以来、生物は細菌など環境因子との闘いの歴史です。現代の人類も、お口の中の歯も同じです。こんなに丈夫な歯にも弱点があります。それは虫歯菌が産生する酸です。身近なものでいうと酸性雨という酸性物質を含んだ雨をご存知かと思いますが、酸性雨が大理石の石像を溶かすのと虫歯は似ています。虫歯菌の産生する酸で歯は溶けていきます。

さらに厄介なことに細菌が口をすすいでもその酸を逃がさないように、細菌と酸を保護する水に溶けない城壁を歯の表面に作ることです。水で流されない城壁をまとったこのプラークと呼ばれる菌の塊の中で虫歯菌は酸を産生し続け、酸の濃度をどんどん上げていき歯を溶かします。

プラークは歯ブラシなどで除去できますが、磨き残しや詰め物・被せ物に隙間や段差があればプラークが残るので虫歯になります。治療した歯がまた虫歯になる理由でもあります。これが虫歯を予防するために歯磨きが欠かせない理由です。

 

歯の寿命は何で決まる?

歯の寿命はどのようにして決まるかご存知でしょうか?虫歯、歯周病、またかみ合わせなど理由は様々です。残っている歯の本数や、食いしばり・歯ぎしりなども寿命を左右する重要な要素の一つです。

もう一つ重要な要素があります。それは歯の治療です。何年かぶりに検診にお越しになられた方や、銀歯が外れたとお見えになられる方が大勢いらっしゃいます。拝見させて頂くと虫歯になっていることがよくあります。なぜ虫歯になったのでしょうか?

2次ウ蝕理由の一つに銀歯などの被せ物や詰め物が歯とぴったり合っていないことが挙げられます。両者の間に隙間や段差があり、そこに入り込んだ虫歯の原因であるプラークはブラシを当てても取り切れないため虫歯になってしまったのです。
写真は虫歯の顕微鏡断面拡大図です。グレー色が銀歯、黒い部分が虫歯で、薄紫色が健康な歯質です。銀歯が歯とピッタリ合っておらず浮いており、その隙間から虫歯ができていることがわかります。これが治療したのにまた虫歯になる理由の一つです。

過去に治された歯を鏡で見てみたり、舌で触ってみてください。段差や溝、引っかかりはありませんか?肉眼で見れば小さな隙間かもしれませんが、虫歯菌は顕微鏡サイズの大きさです。虫歯菌が繁殖するには十分で余りある空間です。
そんな場所があれば掃除のプロである衛生士や、私でも綺麗に磨いて虫歯にならないように維持する自信はありません。これは詰め物や被せ物の製作上の精度の問題ですが、将来再び虫歯になることを約束されたようなものです。

今までの歯の治療を思い返してみてください。大きく治してあるところや失った歯は、治しては悪くなってまた治してと治療を何度も重ねてはいらっしゃいませんか?
虫歯になって再治療する度に歯を削り、またそれを繰り返せば二度と手に入らない大切な歯質がどんどん少なくなっていきます。最後には歯を失うことになることもあります。そしてまた噛めるように回復するには多くの時間と費用がかかってしまうだけでなく、再治療しても元通りになるのではなくあくまでも修理なのです。

この負の連鎖を止めるには、磨き残しがないように被せ物や詰め物を歯にピッタリと隙間なく作る精度が重要になってきます。精度よく作るためには顕微鏡を使った繊細な治療・作製や、精密材料にこだわったりと、手間と経費が必要なため治療費用が多少かかりますが、最終的には何度も治すことに費やす時間や費用を考えれば人生という長い目で見れば得だと当医院は考えています。治療より予防に費用をかけた方が生涯の費用を抑えることができた欧米の研究結果もあります。何よりお金では買えない、失ったら取り戻すことのできない自分の歯を守れます。

 

痛みの少ない治療

誰でも痛みは避けたいものです。当医院ではお痛みができるだけ出ないように心掛けて治療しております。
電動麻酔注射器そして痛みを伴う治療では麻酔をしっかり効かせた状態で行い、麻酔が効いていない状態での治療は行いません。

また麻酔をする際に痛みを最小限にするために電動麻酔注射器や細い注射針を使ってできるだけ快適な治療を実践しております。

出来るだけ歯を削らない

できるだけ再治療をしないことはすばらしいことです。
しかしそれよりももっと歯に良い方法があります。
それは歯を削らないことです。
歯の治療毎日治療で歯を削っている歯科医師がいうのも変に思われるかもしれませんが、そうしているからこそ断言できます。歯を削って治療しなければ人工の歯との段差も隙間もなく、強度が落ちることもなく綺麗で虫歯になりにくく、歯は長持ちします。

虫歯で削る量を最小限にしながらも、噛む力にこれから長年耐えて行けるだけの歯の強度を両睨みしながら治療のデザインを経験から考えて行くようにしています。出来るだけ削らないことが最高の治療なのだと私は思います。

出来るだけ神経を取らない

もう一つ歯の寿命を左右する重要な要素があります。それは神経を出来るだけ取らないことです。ご存知の方も大分増えてきていますが、神経を取ると厚生労働省の調査では5年から10年も早く歯を失うことが統計上明らかになっています。

できるだけ神経を取らない歯の大部分は象牙質という歯質です。その象牙質にはすべてつなげると何と数キロにもなる象牙細管という細い管が張り巡らされています。神経が生きていれば、その膨大な長さの細管中に血管から供給された水が満たされているため柔軟性があり歯は強度を保てています。

よく例え話としてお話しするのは、地面に落ちている枯れ枝です。枯れ枝は曲げればポキッと折れます。しかしその枝が木に生えているときは同じ力をかけてもしなって折れません。水分があることが強度を保つには必要不可欠です。これと同じ理由で歯の神経が無くなると歯質がもろくなり、歯の強度が落ち、ヒビが入ったり割れることが頻繁に起こります。残念ながら歯の根っこが割れた場合は抜歯になるケースが大半です。

歯の痛みがあれば簡単に神経を取ってしまおうとお考えになられる方がいらっしゃいます。その歯の治療が終われば痛みも消えて元通りの食生活ができますが、こうした危うい橋の上にいることが中々わかっていただけないのが現状です。

また歯の神経を取る治療をするためには歯を大きく削る必要があります。これも歯の強度を落とす原因です。神経を失ってもろく強度が落ちることと合わせて二重の強度低下が起きるので歯の寿命に関わってくるとお考え下さい。

 

神経を取った歯を長持ちさせるには

神経を取って歯の強度が落ちたものを補強するために、元々神経が入っていた歯の根の部分に金属の土台・芯棒(写真左側)を差し込む治療が以前は主流でした。しかし金属は歯よりも硬いため、強い力が歯にかかるとまるで氷をアイスピックで割るように歯の根を割る力として働き、歯を失うことがあります。

グラスファイバーコアこの解消策として近年歯と同じような硬さで、しなりがあるグラスファイバー製の土台(写真右側)が開発され、歯が割れる率が大きく減少しています。歯と共にしなり共振することで歯が割れること防いでくれます。ちょうど新宿の高層ビルが地震波を受けてうまく揺れることで地震の力を逃がすことと似ています。グラスファイバーは私たちの生活の身近なところで多く使われている材料で、折れにくいことやしなって反発する性質を利用して釣り竿やテニスラケットなどに使われています。

神経が無くなり歯の強度が落ちたことは変わらなくても、残った歯を少しでも長持ちさせるにはそういった材料の選択も大きく影響してきます。

 

歯の神経を取る理由とは

神経を取れば歯は脆くなるのに、ではなぜ神経を取らないといけないのでしょうか?

神経を取る理由それは、神経は細菌の感染にとても弱い組織だからです。
通常すりむいたりして傷が出来て細菌が傷口についても、人間の免疫力で感染から守ってくれます。しかし歯の神経はとても免疫力が弱くわずかでも細菌が侵入したら感染を起こしてしまい免疫力で元には戻らない弱い組織なのです。薬や免疫力で感染を排除できない以上、これ以上の感染の拡大を阻止するために感染してしまった神経を取り除くしか手がないのです。(上の図は歯の内部に茶色い虫歯があり、歯の内部の赤っぽい神経まで虫歯が到達しています。さらに神経が細菌感染を起こして根っこの先に茶色い病巣ができてしまっています)

まず虫歯だけが染まる液で歯を染めて、虫歯と健康な部分を区別します。虫歯の取り残しがないようにすることと、必要以外の歯を削らないためです。
虫歯だけを削り取っていて神経まで到達してしまった場合は神経まで感染していると判断します。しかし虫歯を取り切って神経が露出しなければ感染していない可能性が高いと判断しますが、神経までほんのわずかの距離しか残っていない場合は注意が必要です。
細菌は目に見えないほど小さいので我々歯科医師は直接細菌をお口の中で見分けることができないからです。そのためレントゲンや肉眼で虫歯の大きさや、症状などの所見をみて、病状を推測して判断します。

 

出来るだけ神経を取らない治療法

感染の原因である細菌は肉眼では見えないため、感染の有無を正確に判断することは歯科医でも不可能です。レントゲン写真や虫歯の状況、歯の症状などで推測することになります。明らかに感染を断定できるケースから感染していないと判断できるケースまで様々ですが、白とも黒ともつけられないグレーが世の中に存在するように、虫歯の治療においてもグレーな部分が存在します。

歯の神経を取らない3Mixまた虫歯が奥深くまで進行しており、経験的に後少し削ると神経の露出が予想されるケースがあります。虫歯を削っていて神経が露出すると基本的には神経を取る治療になります。このグレー部分の不安や神経を取ることによる今と将来の問題と感染拡大の防止の板挟みを回避する方法があります。それが3Mix-MP療法です。写真の3種類の薬剤を混ぜて使うためそう呼ばれています。

グレー部分に潜んでいるかもしれない細菌と、神経の露出を回避するためにわずかに残した虫歯の細菌を抗生物質で死滅させる治療法です。虫歯とはいっても元は健康な歯質であり、感染の原因である細菌さえ死滅してくれれば全ての虫歯を削り取る必要がないという新しい考え方です。

3Mix-MP療法図の神経に近い場所の茶色い虫歯をわずか残すことで神経まで削りません。そのため神経を取らずにすみます。図の茶色い残した虫歯の上の黄色い部分が虫歯の細菌を死滅させる3Mix薬剤です。その上をセメントなどで蓋をして、さらにその上をセラミックや金属など噛む力に耐えられる丈夫なもので二重に蓋をすることで再感染を防止します。(治療前は「できるだけ神経を取らない」の図です。比べてみてください)

長年この療法を実施してきた実感としては、成功率は高く、多くの神経を残すことができており、歯の寿命を延ばすことができたと考えています。

欠点としては、すでに神経に感染が起きていることを確かめることが肉眼では出来ないため、すべての症例で成功しないことです。一部の症例ではその時点ですでに神経に感染が起こっていて、結果的に後で神経を取らざるおえないことがありますが、考えようによっては虫歯治療の時点で神経を取るか、確率的に低い不成功に終わった時点で神経を取るか、タイミングの問題と考えることもできます。

あきらめて神経を取るより、神経を残せる可能性があるなら歯の寿命を考えればそれに賭けてみる価値はあると思います。10年近く、何百本もの神経を取らずに済んだ歯がそう訴えかけているように感じます。

虫歯関連でよく頂くご質問

歯茎の腫れがあります。何が原因ですか?
歯を磨いているのに虫歯になってしまいました。どうしてですか?
親知らずは抜いたほうがいいのですか?後が大変だと聞きますが本当に大変ですか?
歯の詰め物と差し歯の変色が気になります。変色しにくいものはありませんか?

最新の治療環境と設備

虫歯診断用レーザー(ダイアグノデント)

虫歯診断用レーザー一線を超えた虫歯は治療の介入が必要ですが、その手前の初期虫歯は清掃などコントロールができていれば経過観察をすべきです。歯を削るのは一線を超えた時でいいと私は考えています。

従来の虫歯治療では、視診、触診、レントゲン写真等で虫歯の治療を行うか経過観察するかを判断していました。デジタルは0か1しかないのですが、人の体はアナログでその境界線のグレー部分が存在します。また見た目にはほんの小さな歯の表面の黒い点でも内部で虫歯が広がっているケースやレントゲンに小さくて写らない虫歯もあります。このような場合従来は治療するか経過観察するかは、歯科医師の経験に委ねられてきました。

このような場合に虫歯診断用レーザーを用いれば虫歯の進行状態を数値化することで、見た目ではわからない小さな虫歯であっても一線を超えたかどうかの正確な判断ができます。最適な治療時期を見つけることができるだけでなく、歯をできるだけ削らないことを実現してくれる機器の一つです。レーザー自体には痛みも苦痛もなく瞬時に検査できます。

あれ?これ虫歯かも?とお思いでしたら一度ダイアグノデントで虫歯検査を受けてみてはいかがでしょうか?費用は無料です。

痛みの少ない電動麻酔注射器

電動麻酔注射器麻酔時の痛みの原因の一つである薬液の注入速度と注入圧を最適化し、痛みを軽減する注射器です。器械的に行うためばらつきがなく、どんな人にもいつでも同じ条件で麻酔が行えますのでいつも同じように痛みの少ない麻酔が行え、当院では全ての方に使用しております。
また当医院では手用では無理なほど極細の針を使用しておりますので、針を刺す時の痛みも軽減できるように努めています。

麻酔で痛い思いをされて、歯医者が苦手になった人にもお勧めです。痛みは少しでも少ない方が良いですよね。

歯科用精密拡大鏡

マイクロスコープ治療部位を拡大することで得られる恩恵は計り知れません。虫歯の取り残しがないように細部まで確認でき、確実に虫歯の再発が起こらないレベルの治療が行えます。虫歯が深く神経に近い場所でも正確に微細な治療が行えるため、神経に出来るだけダメージを与えないように治療ができます。

また拡大すれば不必要なところを削ることなくご自身の歯をできるだけ残すこともできます。被せ物や詰め物の調整や作製でも細かな治療が可能になり、精度が上がります。

このように細部まで見えることで、必要な治療の見逃しや見えていないことによる治療の不完全さを解消でき、正確性と確実性、再発の少ない治療が行えます。

歯科用CT

従来の2次元レントゲンでは、元来3次元である歯や顎の骨を2次元で検査しているため、正確にまた立体的にどういう状態になっているのかなど不確かな部分が多く、歯科医師の経験で推測する他ない状態でした。

歯科用CTしかし歯科用CTの登場で生体の3次元のまま立体的な情報が手に取るようにわかるようになり、どこに、なにがどういう向きであるかが明確に判断できます。

実際に見えるのと推測で判断するのとは雲泥の差です。当院は安全と確実性を求めて長年「見える」ことにこだわってきました。その中でも近年設備投資した中で最も有用な機器だと感じています。

例えば親知らずの抜歯では、歯がどのような向きか、どの深さにあるのか、周りの骨の厚さに余裕があるのか、上顎洞や、神経など抜歯時に傷つけてはいけないものとの距離はどの程度あるのかまではっきり分かります。安全で確実な抜歯には欠くことができません。

他にも何度治療しても再発を繰り返していたような難治性の歯の神経の治療でも役立ちます。歯科用CTでまだ治療されていない神経が見つかることもあります。

インプラント手術前の骨や危険部位も明確に見えるため勘に頼らない正確な治療計画を立てることができます。術中も治療進捗状況の確認がその場でできますので、安全で確実な治療を行うことができます。当院では歯科用CTなくしてインプラント治療は考えられないと感じています。

虫歯治療の流れ

STEP1:検査

治療に入る前に歯と歯茎の検査が必要です。痛みが虫歯から来ているとは限りませんし、先ほどお話ししたように虫歯が大きければ歯の神経の治療から始めなければなりませんが、小さければ虫歯を除去してその穴を埋めるだけで済むからです。これからご一緒に戦う相手をよく知るための検査とお考え下さい。

虫歯の検査ではまずレントゲン写真を撮ります。
虫歯が小さい場合や治療か経過観察のボーダーラインにある場合には正確性を期すため当医院ではレーザー光による虫歯を発見する機械も導入しています。奥歯の噛む面に小さい黒い点や線を見つけたことはありませんか?そういった虫歯なのか着色なのか肉眼でもレントゲンでも判断がつきにくいような状況の初期虫歯を見つけるのにとても有用です。

STEP2:虫歯の除去

虫歯虫歯の大きさを把握した後に、虫歯を取り残しの無いように除去していきます。その時に必ずう蝕検知液を使います。健康な歯質はそのままで虫歯だけが赤や青に染まるため、虫歯の取り残しがなく、また余分な歯を削ることがありません。歯を最大限に残すことができます。

その後に虫歯を削り取って開いた穴を人工材料で補うことで歯の内側に再度虫歯菌が入り込むのを防ぎ、また噛むことができるようになります。

人工材料には金属やプラスチック、セラミックなどが用いられますが、大切なのは見た目よりも、虫歯の再発を防ぐために人工材料と歯の間に隙間を作らない精度です。これについては後で詳しくお話ししたいと思います。

STEP3:深い虫歯の神経の治療

根管治療虫歯が大きく歯の内部にある神経組織まで感染が及んでいる場合には、感染した神経を除去する必要があります。虫歯を完全に除去しても抗生物質などの薬では神経の感染を治すことができないからです。

神経を取った後は細菌が死滅するまで根の内部の治療を行い、その後は元神経があった場所に土台を入れて補強して、人工のかぶせ物をつけます。これでまた噛むことができるようになります。

ただし神経を取ると歯の強度が著しく低下しますので割れて抜歯になるリスクがあり、また歯の根の中は非常に複雑なため細菌の隠れ家が多く再発リスクがあります。こうしたリスクを冒さないためにも、神経にまで感染が及ばないうちに虫歯ができたら早めに治療することをお勧めいたします。

STEP4:人工の歯の治療

虫歯治療の最終段階は、虫歯を除去して開いた穴の大きさ、歯の強度が落ちた場合の補強、残った健康な部分の歯質の量などによって治療法が変わってきます。また奥歯や前歯、食いしばり癖など歯にかかる力やかみ合わせ、見た目の重要度などの条件によっても適した治療法や材料が変わってきます。ご希望や症例に応じてご提案してまいります。

STEP5:定期検診とメンテナンス

せっかく時間と費用をかけてよくなったのですから、これから先もその状態を維持していきたいものです。そのために当院では定期検診とメンテナンスをお勧めしております。

定期検診は異常を早く発見して病気が小さいうちに撲滅する早期発見早期治療が目的で、メンテナンスはそもそも悪くしないことが目的です。当院にお越しになられる方の一部はこうした治療目的でない方々です。私たちがあなたの健康と快適な生活をお送りなられるサポートを末永くさせていただきます。

簡単に考えがちな虫歯治療

虫歯
左の写真では虫歯で歯の一部だけがかけていて、その部分を補えばいいように見えると思います。患者さんも痛みが無くかけたところを治せば大丈夫だろうと思われていたようです。歯の状態を調べるためにレントゲンを撮りました。

 

虫歯レントゲン写真

レントゲン写真を見ると、歯の内部が大きく黒く写っているのが見えると思います。黒い部分は虫歯によって歯質が溶けてなくなった部分で、黒い部分の周りの歯質には虫歯菌による感染があります。虫歯が内部で進行し、残っている歯がかなり薄くなっており、さらに神経まで虫歯菌が感染していました。かみ合わせの部分が何かの拍子に割れる可能性が高く、根っこだけの姿になる一歩手前です。

外から見ると一見歯の多くが残っているように見えますが、噛む力に耐えるだけの健康な部分はほとんどなく、治療すれば歯の頭の部分はほとんど残らない状態です。

残っている歯が少なければ、治療で治したとしても噛む力によって割れる可能性や、かぶせ物や土台が取れやすい可能性がとても大きいことが予想されます。患者さんの感覚や、外から見た見た目以上に重症でした。こういったケースはよくあります。

このケースはすでに歯の神経にまで細菌が侵入していますので、歯の根っこの治療から始めて今は噛んで食事をすることができています。なんとか延命できました。この患者さんは症状がなくここまで虫歯が大きくなったことや、かけたことに気づいていても治療せずに放置していたことを反省されて今では定期的に検診をお受けになっていらっしゃいます。治療した歯が悪くなっていないか、新たな虫歯ができていないかチェックされ、健康な状態を維持されています。

この歯をきっかけにご本人の意識が変わり、それ以降はトラブルが起きていないことを考えると、この治療した歯が他の歯を救ってくれているとも考えられるのではないでしょうか。この大きな虫歯も、決して無駄ではなかったと感じています。

似たような歯をお持ちの方が他院で抜歯といわれて困惑されて当院へお見えになることがよくあります。このように見た目と実際の大きな乖離が虫歯にはよくつきまといます。目に入る虫歯は氷山の一角とお考えいただきたいと思います。

 

虫歯治療の料金

〇 金銀パラジウム合金(銀歯)

特徴:一般的に銀歯と呼ばれている金属製の人工歯です。プラスチックより耐久性は優れますが、材質的に歯より硬くかみ合う天然の歯がすり減るリスクがあることと、製作上の精度がよくないために虫歯になりやすいリスクがあります。

奥歯インレイ(詰め物):保険適用
奥歯クラウン(被せ物):保険適用

〇 コンポジットレジン(プラスチック)

特徴:元来は前歯の部分的な虫歯治療のため開発されたものでしたが、噛む力が強くかかる奥歯にも使えるように強度を増す改良がおこなわれて現在に至っています。銀歯と違って歯と似た色調のため審美面から近年多く使用されておりますが、改良されたといえまだまだ強度と耐久性に問題があります。この問題は身の回りの食器で陶器(セラミック)や金属製の物とプラスチックを比べてご覧になられればお分かりになられると思います。食器なら買い替えができるのですが、また何度も治療を繰り返すたびに歯にダメージを与える問題があると考えております。

前歯・奥歯詰め物:保険適用

〇 ハイブリッドセラミックス

特徴:一般的なプラスチックより強度は優れますが、セラミックや金属に比べると強度と色調が劣ります。また一般的なプラスチックより軽度ですが変色することがあります。奥歯の場合にかみ合わせ部分がすり減り、かみ合わせが維持できない懸念があります。耐久性は劣ります。

前歯・奥歯詰め物:¥11,220
奥歯詰め物(中):¥14,460

〇 エステニア

エステニアインレイ特徴:一般的なプラスチックより強度は優れますが、セラミックや金属に比べると強度と色調が劣ります。また一般的なプラスチックより軽度ですが変色することがあります。奥歯の場合にかみ合わせ部分がすり減り、かみ合わせが維持できない懸念があります。耐久性は劣ります。
ハイブリッドセラミックスと材質的な差はありませんが、歯型を取って作製するため費用と日数がかかる反面、精度は向上します。

奥歯インレイ(詰め物):¥60,670 … 写真
奥歯アンレイ(部分的被せ物):¥63,310
前歯・奥歯クラウン(被せ物):¥94,140

〇 ジルコニア

ジルコニアクラウン特徴:強度的には十分で白くできますが色調が劣ります。比較的歯を削る量が少ない利点があります。作製方法により同じジルコニアでも精度が異なります。精度の違いにより虫歯や歯周病の再発確率(歯の寿命)が変わってきます。

奥歯インレイ(詰め物):¥42,900 … 精度劣
前歯クラウン(被せ物):¥79,680 … 精度劣
奥歯クラウン(被せ物):¥23,950… 精度劣
奥歯クラウン(被せ物):¥42,900… 精度劣・色調少し向上… 写真
奥歯クラウン(被せ物):¥118,780… 精度が良いため虫歯や歯周病の再発確率(歯の寿命)には優れています。色調少し向上

〇 ポーセレン前装冠

ポーセレン前装冠特徴:七宝焼きのように金属の上にセラミックを焼き付けたタイプで以前は主流でしたが、壊れることがまれにあり近年は特殊なケース以外はあまり使われておりません。詰め物には非対応です。精度が良いため虫歯や歯周病の再発確率(歯の寿命)には優れています。

前歯・奥歯クラウン(被せ物):¥136,410

〇 PGA(白金加金)

PGAクラウン特徴:歯軋りなど歯に強い力がかかる場合にお勧めしております。金属製のため色調がよくないのが欠点です。 セラミックより壊れにくい丈夫さを持ちながら歯と同じ硬さ(程よい硬さ)のため、銀歯の硬過ぎて歯に問題が起こる心配がありません。
また厚みが薄くても壊れないため、歯を削る量が少ない点も利点です。
精度が良いため虫歯や歯周病の再発確率(歯の寿命)には優れています。

奥歯インレイ(詰め物):¥99,800
奥歯アンレイ(部分的被せ物):¥110,760
奥歯クラウン(被せ物):¥12,1790 … 写真

〇 e-Max(オールセラミック)

e-Maxインレイ特徴:治療したことがわからないほど自然感があります。主に詰め物でお勧めしております。見た目と耐久性を兼ね備えた詰め物のゴールドスタンダードです。精度が良いため虫歯や歯周病の再発確率(歯の寿命)には優れています。

奥歯インレイ(詰め物):¥98,250
奥歯アンレイ(部分的被せ物):¥109,740 … 写真
奥歯クラウン(被せ物):¥119,670

〇 カタナ(オールセラミック)

カタナ特徴:治療したことがわからないほど自然感があります。強度と精度の高いジルコニアをフレーム(下地)にして、その上に審美性のあるセラミックを焼き付けたものです。強さと美しさの融合といえます。
当院では下のセルコンの廉価版として扱っております。精度が良いため虫歯や歯周病の再発確率(歯の寿命)には優れています。詰め物には非対応です。

前歯・奥歯クラウン(被せ物):¥127,980

〇 セルコン(オールセラミック)

特徴:治療したことがわからないほど自然感があります。強度と精度の高いジルコニアをフレーム(下地)にして、その上に審美性のあるセラミックを焼き付けたものです。強さと美しさの融合といえます。
被せ物のゴールドスタンダードです。精度が良いため虫歯や歯周病の再発確率(歯の寿命)には優れています。カタナとの違いは作製上の材料とプロセスに妥協をしていない点です。詰め物には非対応です。

前歯・奥歯クラウン(被せ物):¥146,710

虫歯になりやすいと諦めるのはまだ早いことをご存知でしょうか

自分は歯質が弱いからしょうがないと諦めていませんか?

毎日一生懸命に歯磨きをしているのに虫歯になる人がいらっしゃる一方で、あまり熱心に歯磨きをしていないのに虫歯になりにくい人がいらっしゃいます。なぜでしょうか?不公平にお感じになられるかと思いますが事実なのです。しかし遺伝や自分は虫歯になりやすい歯質だからとあきらめる必要はありません。

虫歯になるにはいくつかの原因があります。虫歯の原因はプラークの取り残しですから、歯磨きの仕方や、磨き残しが起きてしまうような詰め物やかぶせ物も大きな要因ではあります。しかしそれだけでは先ほどお話しした不公平が起きてこないのです。

実はそこには唾液が関わっています。唾液で得をしている人は虫歯になりにくのです。

■最新の虫歯予防

唾液検査で虫歯になりやすいかどうかを調べる検査で、皆様のそれぞれのお口の中の唾液の特徴を調べることができます。検査結果に基づき虫歯のなりやすさレベル、どうして虫歯になりやすいのかを明確にして、今後どうしていけば虫歯になりにくくなるのかなど歯を健康に保つためにその方に合ったアドバイスをさせていただきます。

戦うにはまず相手を知ることが大切です。本質とズレた努力で期待外れの結果や無駄な時間を費やす必要はありません。虫歯になって歯の寿命を短くすることなく、治療費や時間の節約にもなります。

ガムを噛むだけで検査終了!とっても簡単。リラックスしていただき、5分間ガムを噛んで唾液を採取するだけです。虫歯にお悩みの方は一度お受けになられてみてはいかがでしょうか。

[調べる項目]

〇唾液量

多いほど口の中の食べかすを洗い流す能力が高い。多いほど歯を修復する能力が高い。多いほど抗菌作用が高い。

〇唾液の中和能

食事をするとお口の中は歯が解ける酸性度が高まります。唾液の中和能が高いほど元の中性に戻るスピードが早いので虫歯になりにくいのです。

〇虫歯原因菌の数

唾液の中にある虫歯原因菌を培養して菌の数を調べます。菌の種類や量によって虫歯になりやすさなどの傾向を調べることができます。

 [唾液検査で分かること]

  • あなたの虫歯菌の数
  • あなたの唾液の歯を守る力
  • あなたの食生活習慣

患者さんお一人お一人この3つの項目に違いがあります。それぞれの円が大きければ虫歯になりやすく小さければ虫歯になりにくいのです。この円をコントロールする方法をご説明いたします。

 

[唾液検査を受けた後は]

患者さんそれぞれの特徴に合わせてより効果的な虫歯の予防法をわかりやすくご提案させていただきます。

状態や傾向がわかれば対策できます。むし歯のない快適な生活を手に入れてください。

 

 

唾液の働き

歯は毎日過酷な環境にさらされています。歯を虫歯にしようと虎視眈々と狙っている虫歯原因菌や歯茎を赤く腫らして歯をグラグラにししようとする歯周病原因菌、歯を溶かす酸性の飲食物などの執拗な攻撃を受けながら、熱い物や冷たい物、硬い物や柔らかい物を飲んだり食べたりすることで、歯は様々な影響を受けています。こんな働き者を守っている免疫力と唾液は、私たちの歯と健康を陰から守ってくれている縁の下の力持ちです。

そんな歯を守る唾液の力をご紹介いたします。

〇緩衝能

歯を溶かしてしまうものがあります。それは酸です。虫歯は原因菌の出す酸によりできるものですが、飲食の酸にも歯はさらされています。その酸から唾液は歯を守ってくれています。

よく口にする柑橘系の果物や、ジュース、栄養ドリンク、ワインなどは歯を溶かすほどの酸性度(pH)をもっており、歯は酸性度(pH)が5.5以下になると溶けだします。

これを臨界pHといいます。臨界pH以下になっている時間が長ければどんどん歯は溶けてしまいます。飲んだり食べたりした後に酸性になってしまったお口の中を元の中性に戻してくれる緩衝能という力を唾液は持っており、この作用のおかげで飲食後30~40分で中性に戻り歯を溶かさないように頑張ってくれています。

〇再石灰化作用

唾液の中にはリンやカルシウムが豊富に含まれています。その成分により日々の食事などで溶けた歯を修復してくれます。これが再石灰化作用です。これがなければ食事の度に歯が溶けたままになり、あっという間に歯がダメになってしまいます。我々の口の中で歯が歯として機能しつづけるためにとても重要な唾液の機能です。

唾液の緩衝能と再石灰化作用この2つは歯の天敵である酸と日々戦ってくれています。

唾液の量や質はその酸に対する抵抗力と直結するので重要なのです。

〇抗菌作用

唾液の中には細菌の増殖を抑制する抗菌物質が沢山含まれています。リゾチームやラクトフェリン、ペルオキシダーゼ、免疫グロブリン等です。これにより虫歯の原因のプラークの形成を抑制したり、お口の中を細菌から守っています。

人体で外部からの細菌の攻撃を許しやすいのは体内への入り口である口と鼻です。神様と人類の進化は口の中に唾液という門番を置いているのです。

今回は虫歯に対抗する面からだけ唾液の働きをお話ししましたが、他にも自浄作用、消化作用、粘膜保護・潤滑作用、溶解・凝集作用、粘膜修復作用など様々な役割を唾液は果たしてくれています。よく食後うがいをすればいいと簡単にお考えの方がいらっしゃいますが、唾液がただの水でないことをご理解いただけたでしょうか。

予防には様々な方法がありますが、縁の下の力持ちである唾液について調べることでお口の中を健康に保つ能力を把握し、改善点が明確になり虫歯の予防をすることができます。

唾液検査をお受けになられたことのない方は一度検査をしてみてはいかがでしょうか?今まで虫歯になってきた原因が新たにわかるかもしれません。

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