歯周病の正しい知識

歯周病

歯周病とは

歯周病とはいったいどういったものなのかご存知でしょうか?
歯周病で歯を失ったり噛めないなどの苦い体験をされておられる方はご存知だと思いますが、まだ予備軍の方はまだご自分の問題と思っておられないからでしょうが歯周病が何なのか、聞いたことはあるけどよくご存知ない場合が多いようです。
歯医者さんに指摘されるまで歯周病であることに気づかず、症状が出て受診したら末期で結果として歯を失う不幸も残念ながら多々あります。
こうした不幸をなくすために、いったい歯周病とはどんなものなのか、どうしたら無縁いられるのか、を健康である時に知っておいていただきたいと考えています。健康である時や未病では必要ないと思われるかもしれませんが、現代医学では基本的に治せない病気ですので「病気にかからない」、「病気を進めない」ことが重要なのだと日々の診療をしていて思います。

歯周病は重度になるまでほとんどが自覚症状がありません。そのため肝臓の病気と同じように沈黙の病と言われています。
「歯周病ですよ」、「治療の必要がありますよ」と歯科医から指摘を受けても、自覚症状がなく、また虫歯のように穴が開いたりするような実感が伴わないため、重症化して抜歯しか選択肢がない状態になるまで放置してしまうケースもあります。
歯周病の一番怖いところは自覚症状が無いということです。

歯周病の原因とは?

歯周病にどうしてなってしまうのでしょうか?
歯周病を引き起こすのはプラークや歯垢です。歯の表面にプラークが付着・増殖した結果歯肉炎が起き、それがさらに悪化して歯周炎を起こして歯周病になります。

「プラークや歯垢はどういったものかご存知ですか?」と来院された患者さんにお聞きすると、多くの方が「汚れですか?」「食べかすですか?」とお答えになります。
実はプラーク(歯垢)は食べかすや、単純な汚れではありません。プラークの実体は細菌の塊なのです。

下の画像は細菌を育てるために栄養を豊富に含む培地と呼ばれるものの上で細菌を培養したものです。
培地の上の点々と見えるのが細菌の塊です。
歯周病 細菌培養
身近なものに例えると、食パンを放置して表面にカビが生えている状態を想像してみてください。パンが培地で、カビが細菌です。
パンを栄養にカビが育つように、お口の中の食べかすなどの栄養を元に細菌が育ち、それが塊状になったものがプラークです。
プラークは食べかすや汚れではなく細菌の塊なのです。

細菌も人間と同じように適度な温度、水分、栄養が元気の元です。お口の中は体温で温度が高く、水分があり、3度の食事で栄養が豊富です。細菌を育てるには最適ともいえる環境、つまり優秀な培地です。体温と水分はなくしようがありませんが、栄養となる食べかすはなくすことができますので、歯周病予防と治療に歯磨きが欠かせないことがご理解いただけると思います。

虫歯も、歯周病も全くなく、隅から隅までしっかり磨けてる方は別にして、大半の方の歯の表面、歯と歯の間、歯と歯茎の間を楊枝で触るとプラークがすくえるほどあります。このプラーク内の増殖した細菌が出す毒素によって歯周病になるのです。
歯に強固に付着しているプラークを取り除くことが歯周病や虫歯の予防と治療には重要です。

また歯周病になりやすい、悪化させる要因(危険因子・リスクファクター)としては、歯周病原因のプラーク(歯垢)がつきやすく、取れにくくなる局所的要因と、歯周病そのものになりやすくなる全身的要因があります。

局所的要因

不適合な治療

詰め物やかぶせ物と歯の境目に段差があったり隙間があると、歯ブラシの毛先が入らずその中のプラークが取り除けなくなります。歯ブラシで清掃しやすいように、境目がピッタリと適合したものに置き換える必要があります。

歯石

歯石はスポンジのように表面が凸凹なためプラークが付着しやすく、歯肉炎や歯周炎などの炎症が起きやすくなります。定期的に歯石を取ることをお勧めいたします。

歯並び

歯並びが悪いと歯ブラシが届きにくくなるため、プラークが残りやすくなります。

口呼吸

口で呼吸すると唾液が蒸発して口の中が乾燥し、プラークの付着や増殖が起こりやすくなります。

歯ぎしり

歯周病は歯の周りの組織を破壊しますが、歯ぎしりなどの過度な力はその破壊を助長します。足腰の弱った人にさらに荷物を背負わせるようなものです。

全身的な要因

ストレスや体調不良

体の免疫力がプラークの細菌の増殖を日々抑えていますが、ストレスや体調不良などで免疫力が低下すると歯周病が悪化します。

食生活

プラークを増殖させやすい甘い物をたくさん食べたり、不規則な食生活や、間食の回数が多くなるとプラークが増え免疫力が低下します。

喫煙

喫煙は免疫力を司る血液の流れを悪くして歯周病を悪化させます。

糖尿病

糖尿病になると免疫力が低下して歯周病が悪化しやすくなります。糖尿病と歯周病は相互関係があるため、歯周病を治療するために糖尿病治療を、糖尿病改善には歯周病治療が必要です。

歯周病リスクファクター
このように歯周病は原因のプラークだけではなく、人それぞれに歯周病になりやすい、悪化させる要因があります。原因も要因もどちらも適切に除去して歯周病に立ち向かうことをお勧めいたします。

歯周病のケア方法とは?

歯周病予防と治療のためにはどのようにケアしたらいいのでしょうか?
お話しした局所的・全身的要因の中からできることからまず始めることをお勧めいたします。最初の一歩は、歯周病原因のプラークを歯ブラシなどでしっかり取ることと、定期的な歯石除去、不適合なかぶせ物などの再治療です。

拝見すると自己流の歯ブラシ方法をされていらっしゃる方が多く、正しい歯磨きの仕方をご存知ない方が大半です。まずは正しい歯ブラシの方法を身につけましょう。
詳しくは「正しい歯ブラシの仕方」をご覧ください。

歯周病になりやすく、歯周病を悪化させる要因に対してどのようなケアや治療を行う必要があるか一例をお話ししたいと思います。下の図は正常な歯周組織と歯周病になった模式図です。右に行くにしたがって歯茎が炎症を起こし腫れ、歯を支える骨が溶けて行き、歯周病の重症度が上昇しています。

軽度から中程度

歯周病程度1

重症な状態から末期

歯周病程度2

歯周病治療歯周病やその前段階の歯肉炎になると歯と歯の間に深い溝(歯周ポケット)が出来ます。
歯周組織検査という歯周ポケットの深さを調べる歯周病の検査を行い、炎症状態や病状の進行程度、病気の場所を把握します。これにより歯周病を治すためにどのような治療が必要かが判断でき、それに沿った治療方針を立てることになります。

まず歯の表面のどこにどの程度のプラークが付着しているのかを見るために、プラークを染めだし液で赤く染めます。これにより磨き残しの場所や、その方の歯ブラシの苦手なところや磨き癖をお互いに確認することができます。個人個人その状態が違いますので、その方に適した磨き方や道具をご提案することができます。

歯周ポケットの中に歯石が出来てしまうと、歯石が邪魔をしてポケットの中のプラークは歯ブラシでは除去できなくなり、一生懸命歯ブラシをしても歯周病は悪化の一途をたどりますので、歯の表面の歯石と共に歯石をとるスケーリングやルートプレーニングが必要になります。(左図)

このように人それぞれ原因や要因が異なりますので、画一的でないその方オリジナルの適切な清掃や治療をご提案いたします。

詳しくは「歯周病」のページをご覧ください。

歯ブラシ

 

最後に

気付いた時には手遅れになることが多い歯周病のため、腫れて痛い、歯を失って噛めない、食事がつまらない、おいしく食べられないなど歯の存在と健康を脅かす歯周病で苦しんでいる方が大勢いらっしゃいます。
歯周病で失った歯や溶けてしまった骨は、残念ながら歯周病の治療で元に戻すことが出来ません。
これ以上悪化しないようにすることが精一杯で、それが現在の歯科治療の限界です。

日本人の8割は歯周病があるといわれています。決して症状が無いからといって楽観しないでください。
歯周病の検査をお受けになられたことがない、あるいは適切なケアや治療をされたことがない方は、症状がない今がチャンスです。
私たち高岡歯科医院は、その方に合った歯周治療を提供できるように日々取り組んでいます。
一度ご自分の歯と歯茎をチェックされてみられてはいかがでしょうか?
問題なければ安心しておいしい毎日をお送りいただけるのですから。

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