50代男性「銀歯に穴があいた」金合金の被せものに入れ替えた24年経過症例

2023.10.26

治療前

24年前に画面一番下の右上奥歯(右上7番)の銀歯に穴があいたとお見えになられました。

治療後

治療から2年後の写真です。初回の治療は右上7番だけでしたが、噛みしめる癖があるなど日常的に歯に強い力を継続してかけられるため、歯の摩耗が顕著であったことと虫歯になったため手前の右上4・5・6番の歯にも金合金の詰め物が入っています。

治療から4年後のレントゲンです。右上7番に異常は認められませんが、隣の右上5・6番が虫歯のため神経を失っってしまいました。

その他

13年後の状態です。右上7番に変化は見られませんが、4年後のレントゲンにあるように隣の右上5・6番が虫歯のため神経を失って金合金の被せ物に変っています。

24年後の状態です。右上7番(画面一番下)の金合金は健在ですが、歯が割れたため2本手前の右上5番を失いブリッジが入っています。

24年後のレントゲン写真ですが、異常は見られません。今後とも健診とメンテナンスでご一緒に維持して参りたいと考えています。

年代と性別 50代・男性
はじめのご相談内容 24年前に右上奥歯(右上7番)の銀歯に穴があいたとお見えになられました。
診断結果 拝見すると右上7番に銀歯の被せものが入っており、その噛む部分に穴が開いていました。
噛む力が強くまた食いしばり癖がおありのご様子でしたのでそれが原因だと考えられました。
銀歯は歯より硬いため滅多なことではこうした現象は起きませんが、噛み合う歯にも銀歯が入っているためだと推察しました。
あいた穴からの虫歯発生だけでなく、穴の下のご自身の歯の摩耗が予想されるため、被せ物を再製作する必要があると判断しました。
行った治療内容 神経が残っている歯は丈夫であっても繰り返し過度の強い力が加わることが予想されるため、他の歯の摩耗との調和を考慮して金合金の被せ物をご提案しました。
金合金は歯とほぼ同じ硬さであるため口全体の摩耗と協調してくれます。
その結果一部の歯に負担がかかることを避けてくれます。
さらにセラミックの強い衝撃によって欠けるなどの脆弱性もなく、治療精度がよいため虫歯や歯周病に抵抗する面でも有利だからです。
欠点は色合いですが、上の奥歯という位置から人目に触れる場所でないため、メリットの方が大きいと考えました。

現状のご理解と治療方針への同意が得られましたので、銀歯を外し仮の歯に置き換えました。
しばらくその状態で日常生活を送っていただき問題がありませんでしたので、歯型をお取りして金合金を歯に接着して治療が終了しました。
このケースのおおよその治療期間 3回
おおよその費用 74,350円(仮歯を含む)
現在の様子 治療後も食生活や日常の問題はみられません。
治療後4年後のレントゲン、13年後の写真、24年後のレントゲンと写真と経時的な変化を見ても問題なく機能し続けています。
治療のリスク ・治療中や治療後に痛みを伴う場合があります
・装着に際し、天然歯を削る必要があります
・治療後に正しい歯磨きやメンテナンスを怠ると、虫歯が再発する場合があります
クリニックより 24年間の経時的な変化をみると、噛み合う部分に無数の傷を負いながらもこの方の相当強い噛む力に耐え続けてくれています。
噛みしめ癖や強すぎる力に負けて他の神経がない他の歯が割れて失った部分もある中で、長期に渡り維持できているのは神経が残っている歯であることと金合金の被せ物であるこの2つのお陰だと考えています。
このような過酷な環境であっても持ちこたえることができていることから、神経はできるだけ取らない方がいい、そのためには虫歯が進行しない初期の内に治療をするために定期的な歯科検診をお受けいただきたい、そう改めて感じます。

詰め物・被せ物の種類


噛みしめや食いしばり・歯ぎしりとその対応