40代女性「奥歯の銀歯詰め物がとれた」虫歯治療後にセラミックと金歯を詰め直した症例

2024.06.10

治療前

画面一番下の左上第二大臼歯(左上7番)に詰めてある銀歯が取れたとお見えになられました。取れた銀歯をご自分ではめて来院されました。

治療中

今回銀歯が外れた左上7番を外してみると銀歯周囲に黒い不適合部分があることから、手前の銀歯も外して見て欲しいとのご希望で銀歯を外すと内部に写真で黒く写っている虫歯が見つかりました。

虫歯を除去して凹んだ部分にプラスチックを埋め、2本の歯を新しい詰め物(6番はセラミック、7番は金合金)に適した形に整形しました。

新たに作製するセラミックの色合いを天然の歯に調和させるため、色見本を用いて患者さまと一緒に色合いを選んでいきます。6番は手前の歯との境目に隙間が見えていますが、その部分に詰め物が入るため歯と同系色の材料をご希望されました。

治療後

手前の左上6番には見た目重視でセラミック(e-max)、7番には耐久性重視で金合金の詰め物をお入れした状態です。

手前の6番は隣の歯との境目に詰め物が一部露出するため見た目が良いセラミック、奥の7番は人目につかないため虫歯になりにくく耐久性が良い金合金の詰め物を選択されました。

年代と性別 40代・女性
はじめのご相談内容 左上奥歯(左上7番)の銀歯の詰め物がとれたとお見えになられました。(治療前画像1)
診断結果 拝見すると左上7番には銀歯が入っていました。一度とれた銀歯をご自身ではめたそうです。
少し引っ掛けると簡単に銀歯は外れました。外れた内部には黒く写っている歯と銀歯の不適合部分が見えました。
行った治療内容 不適合部分の調整後とれた銀歯を再度つけることもできますが、外れる理由があって外れてきていますので長持ちしない可能性と不適合部分から虫歯になるリスクはあります。
もう一つの方法は歯にピッタリ合った詰め物に作り直す方法です。長期目線ではリスクが少なくなりメリットはありますが、費用がかかります。このご説明に対して患者様は作り直しを、さらに噛みしめ癖があるため強度があり歯と似た硬さのため他の歯との摩耗の調和が取れる金歯(金合金)をご希望されました。
そしてこの歯に起きたことは隣の左上6番にも起こる可能性が高いとのお考えから、6番の治療を、そして6番は斜め前から金属が見えて嫌だったのでセラミックにされたいとのご希望でした。

ご希望に沿った治療計画をご了承いただけたので、左上6番の銀歯を外したところ、7番より不適合部分が大きく歯は黒変していました。(治療中画像1)
虫歯を除去し虫歯の穴をプラスチックで埋め、また不適合部分を修正し2本の歯をそれぞれの詰め物に合わせた形に修正をしました。(治療中画像2)
同日に歯型をお取りし、仮の歯をお入れしました。
次回のご予約で6番にセラミック(e-max)、7番に金合金の詰め物を歯に接着して治療が終了しました。色あわせ時の写真で手前の歯との間に隙間が見えている部分が金属から白いセラミックに変わっています。(治療後画像1と2)
このケースのおおよその治療期間 2回
おおよその費用 205,700円(仮歯を含む2本)
現在の様子 治療後はとれることなくしっかり噛めて、見た目にもきれいになったとお喜び頂けました。
食生活や日常の問題はみられません。
現在は定期検診とメンテナンスでこの状態を維持されていらっしゃいます。
治療のリスク ・治療中に痛みを伴う場合があります
・治療後に正しい歯磨きやメンテナンスを怠ると、虫歯が再発する場合があります
・治療後は神経が過敏になっているため、痛みが生じる場合があります
クリニックより この症例にかかわらず日常臨床で銀歯と歯の不適合をよく目にします。しかし銀歯が外れない限り内部の不適合や虫歯に気付くことはありません。
神経近くまで虫歯が進行して始めてしみる、痛いなどの症状で気づかされるケースが大半です。レントゲンで虫歯が確認できるのはある程度進行した状態ですので、初期の内に気付くことが難しいのが現状です。
そのため銀歯ではなく、最初の治療で精度がよくピッタリ合った詰め物を選択される方が長い目で見ると歯には優しいといえるでしょう。

e-maxや金合金など詰め物・被せ物の種類や特徴はこちらをご参照ください。