40代女性「奥歯に詰めてあるプラスチックにひびが入った」セラミックに入れ替えた症例

2024.07.22

治療前

治療後

年代と性別 40代・女性
はじめのご相談内容 定期歯科検診時に左上第一大臼歯(左上6番)に詰めてあるプラスチックにヒビが入っていることがわかりました。
診断結果 左上第一大臼歯(左上6番)に詰めてあるプラスチックの中央部に褐色の細いヒビが入っている状態をご説明しました。
奥歯は硬いものでも噛み砕く仕事を担う歯です。プラスチックは治療も簡単で見かけも悪くないため多用されていますが、その仕事を長期間こなすだけの強度と耐久性がない側面があります。また歯より軟かい材質であるため、咀嚼によりすり減り噛み合わせが維持できない欠点があり、その摩耗によりその歯の歯質や他の歯に負担が長年蓄積し、歯の寿命にもマイナスに働く懸念もあります。ヒビから虫歯が発生する可能性の問題だけではないのです。
こうした点からもプラスチックを除去してもっと耐久性がある材質への交換が歯の先々を考えるとメリットが大きいことをご説明しました。
行った治療内容 ヒビの問題だけの改善であれば左上6番1本だけをプラスチックを保険の同じプラスチックや銀歯、自己負担のジルコニアやセラミック、金合金の詰め物に入れ替える方法があることをご説明いたしました。その結果ヒビの入った左上6番だけでなく、プラスチックが入っている左上4・5・6番の3本の歯の治療を、そして以前に他の歯の治療でセラミックの詰め物をお入れになられており、今回も同じセラミック(e-Max)の詰め物に入れ替えることをご希望されました。
治療初日にプラスチックを取り除き、セラミックに適した形に歯の整形を行った後に歯型を取り、仮の歯をお入れして初日の治療を終えました。次のご予約でセラミックの詰め物(e-Maxインレー)を歯に接着して治療は全て終わりました。(治療後の画像)
このケースのおおよその治療期間 2回
おおよその費用 304,230円(仮歯を含む3本)
現在の様子 治療後も食生活や日常の問題はみられていません。
治療のリスク ・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります
・装着に際し、天然歯を削る必要があります
クリニックより 最近の歯科治療で銀歯など金属の材料を使うことを避けける傾向にあります。主に外見上の理由からですが、歯は噛むことをはじめかみ合わせを維持し、姿勢を維持する役割を担っています。それも何十年と長期にわたってです。1回の食事で何百回も噛み、最大でご自身の体重ほどの力がその歯に加わる過酷な環境に1日3回×365日×何十年もの長い年月の間耐え抜けなければならないのです。一見してきれいだからという理由で奥歯に耐久性の劣るプラスチックを多用するのは考え物だと思っています。