50代男性「黒くなった銀歯が舌で触るとざらつきがある」不適合による虫歯を取り除き精度がよい金合金で詰め直した症例
2024.12.30
治療前
黒くなった銀歯が舌で触るとざらつきがあるとお見えになられました。左下6・7番に真っ黒に変色(サビ)た銀歯が入っていました。歯とピッタリ合っていない部分がありそこをざらつきと感じられたようです。
治療中
銀歯を外すことをご希望されたため、外してみると銀歯と歯の境目を中心に黒く変色した部分がありました。一部は虫歯と考えられます。
治療後
奥歯なので見た目よりザビない材質で、耐久性があり治療精度が高く歯にピッタリ合い虫歯になりにくい治療をご希望されたため、ご相談の上金合金の詰め物に入れ替えました。
年代と性別 | 50代・男性 |
---|---|
はじめのご相談内容 | 銀歯が入っている左下奥歯(左下大臼歯・6・7番)を下で触るとざらつきを感じる。虫歯ではないかと思う。 また銀歯が黒くなった原因は何か。とお見えになられました。 |
診断結果 | 拝見すると左下6・7番に銀歯が入っており、含まれる金属の成分が原因と思われる黒変が見られ、金属の腐食(サビ)によるものと考えました。 サビることは金属イオンが継続してお口の中に放出され続けていることを意味しますので、金属アレルギーがなくとも好ましいことではありません。 また銀歯が歯に合っておらず、銀歯と歯の境目に小さな段差があるため、その部分を舌で触るとざらつきとして感じておられているようです。 当初から不適合はあったのかもしれませんが、銀歯と歯の間のセメントが消失したのか、または何らかの拍子で歯や銀歯の縁が欠けた可能性も考えられます。 このままの状態では不適合部分から虫歯になる可能性が高いため、銀歯を外して再治療する必要があると判断しました。 |
行った治療内容 | 黒くなった原因とざらつく原因を理解され、銀歯を外して治療されることに同意をいただきました。 銀歯を外した後入れ替える材質として、保険のプラスチック、銀歯、自己負担の金合金、白い色調のジルコニア、最も審美的なセラミックをご説明しました。 ご本人は奥歯なので見た目よりザビない材質で耐久性があり虫歯になりにくい治療をご希望されたため、ご相談の上金合金の詰め物に入れ替えることに決まりました。 できるだけ歯を傷つけないように銀歯を慎重に外したところ、銀歯と歯の境目部分に黒く写る不適合部分がありました。 幸いにも虫歯は内部に深く進行しておらず、わずかな修正で詰め物を入れられることがわかりました。(治療途中の写真) 歯の不適合部分の修正を行った後、歯型を取って仮の歯をお入れしました。 次回のご予約で金合金の詰め物を歯に接着して治療を終えました。(治療後の写真) |
このケースのおおよその治療期間 | 2回 |
おおよその費用 | 206,680円(仮歯を含む2本) |
現在の様子 | 口の中は体温と水分が豊富なため金属の種類によってはサビが発生し、その金属イオンを日常的に飲み込むことが問題です。 しかし金合金はサビないためこの不安がありません。 そして治療の精度が高いため歯とピッタリ適合し、ざらつきや境目からの虫歯発生リスクを激減することができます。 こうした金合金の特徴から治療後は舌触りの問題はなくなり、また食生活や日常の問題はありません。 |
治療のリスク | ・治療中に痛みを伴う場合があります ・治療後に正しい歯磨きやメンテナンスを怠ると、虫歯が再発する場合があります ・治療後は神経が過敏になっているため、痛みが生じる場合があります |
クリニックより | 金合金は見た目が金色のため審美的とはいえませんが、金合金は歯とほぼ同じ硬さのため他の歯の摩耗と調和し噛み合わせが狂いにくい性質もあります。 また適度な摩耗を起こしてくれる利点があるのに、衝撃には強く硬いものを噛んでも壊れる心配が少ないこともメリットです。 こうした特徴から耐久性が高い材質となっています。 最適な材料は治療の場所が目立つ場所であったり、個人のお考えなどにより症例により変わるものだと考えています。 何を優先するかで多数ある選択肢の中から最適なものをお選びいただけるようアドバイスさせていただいております。 |