40代男性「他院で抜歯と言われたがセカンドオピニオンを受けたい」抜歯後インプラントで噛める日常を取り戻した症例
2024.11.25
治療前
他院で画面上から3番目の右下5番(右下第二小臼歯)が折れており抜歯が必要でインプラントを勧められたが、セカンドオピニオンを受けたいと来院されました。
レントゲンを撮ると歯の中央部で横に歯が割れていることがわかりました。割れた位置が歯茎の下であり無理をして残しても長持ちする可能性は低いと判断しました。
治療中
抜歯をした後の状態です。咀嚼の回復には入れ歯、ブリッジ、インプラントの選択肢があることをご説明しました。前後の歯を削らず、また他の歯に負担をかけたくないご希望からご相談の上インプラントに決まりました。
治療後
前後の歯はそのままにして歯を失った部分にインプラントが入りその上にセラミックをインプラントにネジ止めして治療が終了しました。噛む面の丸い穴はインプラントにセラミックをネジ止めするための穴です。将来的にネジが緩んだ場合にこの部分からネジを締め直すことを想定したものです。
抜歯と同時に骨造り治療を行ったため骨の喪失を最小限に抑えることができました。インプラントと骨のくっつきもよく日常生活の問題もなくしっかり噛めています。
年代と性別 | 40代・男性 |
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はじめのご相談内容 | 他院で歯が割れているためその歯の抜歯とその後ブリッジかインプラントが必要だと言われ、奥様が当院に通院されているためセカンドオピニオンを求めてお越しになられました。 |
診断結果 | 拝見すると噛むと違和感がある右下第二小臼歯(右下5番)には白い被り物が入っています。レントゲンでは中央部で水平に割れていることがわかりました。 神経がない歯によく起こる現象ですが、この歯は神経が残っている上に硬過ぎる銀歯が入っているわけでもありません。非常に珍しいケースです。 しかし食いしばり癖がおありのため、過大な力が慢性的にこの歯に加わったことが原因だと推測しました。 割れた位置が歯茎の下の骨に近い場所であるため、無理をして残せば歯周病の問題がある上に噛む力に耐えるだけの余力が歯に残っていないと判断しました。(治療前画像) |
行った治療内容 | 現状のご説明後に無理を承知で残す方法とそのリスクをお話ししたところ抜歯をご希望されました。 抜歯後には入れ歯、ブリッジ、インプラントの選択肢があり、それぞれの特徴やメリット・デメリットをご紹介しました。 現在と将来の食生活や他の歯に負担をかけたくないご希望からご相談の上インプラントに決まりました。 結果としては前医と同じ治療方針になりましたが、ご納得をいただけたので抜歯を行いました。(治療途中画像) インプラントは歯と同じように骨で支えられているものですので、抜歯により大きく開いた骨の穴ができるだけ多くの骨で満たされる方が有利です。 そのため骨が痩せにくくする造骨治療を抜歯と同時に行い、数か月骨が回復するのを待ちました。 骨の回復度合いをCTでインプラントが可能なことを確認した後手術を行い、インプラントが骨とくっつく期間を待ちました。 その後2次手術でインプラントと人工歯をつなぐ柱をインプラントに装着しさらにその上に仮歯をつけて日常生活の支障や噛み合わせなどを双方で確認し、最終的な人工歯(セラミック)をインプラントにネジ止めして治療が終了しました。 噛み合わせの丸い穴は人工歯をインプラントにネジ止めするための穴を塞いだ部分です。ネジが緩んだ際に再度締められるように取り外しするためのものです。(治療後画像) |
このケースのおおよその治療期間 | 約11か月 |
おおよその費用 | 501,110円(骨造り、仮歯を含む) |
現在の様子 | 治療期間中歯がない期間が長かったため右側での咀嚼が不便でしたが、治療後には歯を失ったことを忘れるほど日々の食生活や日常生活上の不便はなくなりました。 一般より強大で慢性的な噛む力を考慮して就寝時にはナイトガード(マウスピース)をお使いです。 今後は6か月ごとの定期健診とその間の3か月目のメンテンナスで経過観察と現状の維持をしていく予定です。 |
治療のリスク | ・外科手術のため、術後に痛みや腫れ、違和感を伴います ・メンテナンスを怠ったり、喫煙したりすると、お口の中に大きな悪影響を及ぼし、インプラント周囲炎等にかかる可能性があります ・糖尿病、肝硬変、心臓病などの持病をお持ちの場合、インプラント治療ができない可能性があり、高血圧、貧血・不整脈などの持病をお持ちの場合、インプラント治療後に治癒不全を招く可能性があります ・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります |
クリニックより | 抜歯後骨の回復と骨造りに約5ヶ月、インプラント埋入から約5ヶ月を要しました。 普通はめったなことでは起こらない神経がある歯が折れるという食いしばり癖の強い噛む力に耐える必要があるため、念のため通常より長く骨の回復を待ちました。 |