50代女性「銀歯を白い歯に入れ替えたい」プラスチックとジルコニアで治療した症例

2025.04.14

治療前

少しずつ銀歯を白い歯に入れ替えたいとご相談を受けました。お口の中には銀歯と子供時代に詰めた有害性がある水銀化合物であるアマルガムが入っていました。審美面だけでなく有害性とアレルギー面から詰め替えるメリットが高いと判断しました。

治療後

噛み合わせ部分は耐久性が劣るプラスチックではなくジルコニアを、強い力がかからない舌側には保険のプラスチックに置き換えました。ジルコニアよりセラミックの方が見た目はきれいになりますが、上顎の奥歯で人目につかない場所であることと、歯を削る量を最小限に抑える目的でジルコニアをご提案しました。

年代と性別 50代・女性
はじめのご相談内容 当初は歯周病が進行していることでお見えになられました。
歯周病治療中に少しずつ銀歯を白い歯に入れ替えたいとご相談を受けました。
診断結果 お口の中には11本の銀歯やアマルガムが入っていました。
銀歯は見た目の問題だけでなく虫歯や他の歯と硬さが異なるため長期的視点ではかみ合わせ維持に懸念があります。
しかしお口の中にはアマルガムという水銀化合物が入っていました。
かなり前に欧米では歯科使用が禁止となった材料ですが、日本では近年まで保険適用であり幼少期に詰めた過去の負の遺産だと思われます。
健康面から考えると11本の中でアマルガムを除去することが審美面より最優先と考えられることをご説明しました。
行った治療内容 治療方針のご了解をいただけたので右上5番の噛み合わせ部分と右上6番の舌側に詰まっていたアマルガムを取り除き、保険のプラスチックを詰めました。
プラスチックは強度と耐久性が劣りますが、詰める大きさが小さいためかみ合わせ維持への影響が小さいと判断したためです。
しかし銀歯部分はその大きさからかみ合わせ維持と虫歯の観点からプラスチックは不適当です。
そのためセラミックより費用を抑えることができるジルコニアを他の選択肢と共にご紹介しました。

ご説明をご理解いただけ、銀歯の詰め直しにはジルコニアをご希望になりましたので治療を開始しました。
初日に銀歯を外し、歯をジルコニアに適した形に整形して歯型をお取りしました。その日は仮の歯をお入れして終了しました。
後日でき上ったジルコニアを噛み合わせを調整して歯に接着しました。
その後右上5番の噛み合わせ部分、右上6番の舌側のアマルガムを除去しプラスチックを詰め直しました。
同時に右上7番の噛み合わせ部分の虫歯も大きさが大きくないため、プラスチックを詰めて右上の全ての治療が終了しました。(治療後の画像)
このケースのおおよその治療期間 3回
おおよその費用 94,080円(仮歯を含む2本+保険の一部負担金)
現在の様子 ジルコニアの色調は天然の歯とは異なりますが上の奥歯であまり人目につかない場所です。
気にされていた金属がなくなっただけでなく、強度的に丈夫で耐久性があります。
治療後も食生活や日常の問題はみられません。
今後は定期検診とメンテナンスでご一緒に維持していきましょうとお話ししています。
治療のリスク ・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、ジルコニアが割れる可能性があります
・装着に際し、天然歯を削る必要があります
クリニックより 色調や自然感からすればセラミックが一番きれいです。
一方で色合いは不自然ですが虫歯や歯周病予防に効果がある治療精度や歯を削る量を最小にできること、歯と協調して摩耗すること、耐久性面では金合金が優れています。
ジルコニアはその両者の中間的存在です。
全ての選択肢をとそれぞれの特長やメリット・デメリットをご紹介した後、症例やご本人のご希望などからご相談していくことにしています。