40代女性「上の前歯がかけた」根の治療(根管治療)後にセラミックを被せた症例
2025.07.28
治療前
右上中切歯(右上1番)に詰めてあるプラスチックが欠けたとお見えになられました。神経がない歯であるため、茶色く変色していました。
虫歯は見られませんでしたが、裏側には神経を取るために開けた穴をプラスチックで埋めた痕跡もあり、ご自身の歯質があまり残っていないため歯の強度がかなり落ちていることがわかります。
レントゲンでは根の先まで完全な治療がされておらず将来の再感染リスクがあると判断しました。
治療中
現状のが理解と治療方針へのご了承が得られたため、根の中の治療を行い根管治療が終わりました。根の先まで白く写る薬剤が入っています。
治療後
根管治療後に今後のご相談をしました。ご希望によりグラスファイバーの土台を入れて歯を補強した後に仮の歯で日常生活や外見を確認後セラミック(カタナ)を歯に装着して治療が終わりました。
綺麗な歯になっただけでなく、強度が落ちて欠けたり割れやすくなっていた歯全体をセラミックで覆って保護しました。
その他
治療画から6年が経過していますが、美しさだけでなく咀嚼などの機能面でも変化していません。5年の間に隣の保険の被せ物をセラミックに入れ替えたため、口元がさらに綺麗になりました。
年代と性別 | 40代・女性 |
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はじめのご相談内容 | 上の前歯が欠けたとお見えになられました。 |
診断結果 | 拝見すると右上中切歯(右上1番)に詰めてあるプラスチックが欠けた状態でした。 この歯は神経がない歯でしたので痛みやしみるなどの症状はありませんでしたが、レントゲンでは根の先まで完全な治療がされておらず将来の再感染リスクがあると判断しました。 |
行った治療内容 | 将来のことを考えて再度根の中の治療(根管治療)をお勧めしました。 根管治療後には現状の歯を残したまま欠けた部分を同じようにプラスチックを詰める方法と、歯を削って被せ物をする方法があることをご説明しました。 歯を削ってまで被せ物をご紹介する理由は以下の通りです。 正面からは一見ご自身の歯がたくさん残っているように見えますが、レントゲンからわかるようにあまり歯質が多く残っていないことと、神経がないため歯が乾燥してもろく弱くなっていること、変色を起こしており審美的でない状態だからです。 根管治療後に歯の中に補強のために土台(芯棒)を入れ、被せ物で歯を覆うことで弱い歯質に直接力がかからないため割れる・欠けるリスクが減少します。そして外見上の改善ができます。 こうしたご提案に対して根管治療と土台、被せ物をご希望になったため、被せ物の選択肢をご紹介したところ、内部を丈夫なジルコニアで作りその上に見た目をよくするためにセラミックを焼き付ける二重構造になっているカタナをご希望され、治療を行いました。(治療後の画像) |
このケースのおおよその治療期間 | 約2か月 |
おおよその費用 | 160,600円(仮歯を含む1本) |
現在の様子 | かけて不便だったことや神経がなくなったために変色していた歯が目立たずきれいな歯になりました。 治療後も食生活や日常の問題はみられません。 治療から6年が経過していますが、外見だけでなく歯が欠けたり割れるリスクを少なくすることができました。 |
治療のリスク | ・まれに根管治療後も再治療、外科手術、抜歯などの処置が必要となる場合があります ・治療中まれに器具の破折、被せ物や詰め物など修復物の損傷、歯の破折が起こる場合があります ・治療中や治療後に不快症状が出たり、治療後に痛みや腫れなどが生じたりする可能性があります ・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります ・装着に際し、天然歯を削る必要があります |
クリニックより | 神経がなくなったために変色した歯の色を改善するには、今回の被せ物だけでなくブリーチングと呼ばれる歯の内部からの漂白方法があります。 歯の表面の変色改善が目的のホワイトニングとは違い、歯の内部が変色しているためです。 今回もブリーチングでの変色改善も可能でしたが、強度的に長期間維持できるかに疑問がありました。 神経がなくなり歯質がもろくなっていた上に虫歯治療を過去に行ったためプラスチックが入っている、すなわち自身の歯質だけで歯の外形が保たれていないのです。 今回と同じように再度詰めたプラスチックが取れる可能性があるからです。 しかしこれはどちらがいいということではなく、どの治療がご希望に合うかだと考えています。 |