ロイテリ菌とは

三鷹駅から徒歩1分の歯医者、高岡歯科医院です。今回は「そもそも、ロイテリ菌って何?」という疑問や「撮りて利金のことを詳しく知りたい!」というご要望にお応えし、「ロイテリ菌とは」というテーマで詳しくお話ししたいと思います。

目次

ロイテリ菌とは

抗生物質(アンチバイオティクス)の臓器への負担、副作用や耐性菌の出現、常在菌の減少などが以前から問題になっていました。その解決策として体内微生物(細菌)のバランスを整えることのできる善玉菌を取り入れる事で消化器系の菌バランスを改善し、病気を予防しようとする新しい考え方が生まれました。それがプロバイオティクスを用いて行うバクテリアセラピーです。

その一つが環境汚染から隔離されたアンデス高山地方に住む女性の母乳から発見されたロイテリ菌です。ロイテリ菌は乳酸菌の一種で元々人の体内に存在していた善玉菌でしたが、食生活やライフスタイルの変化、薬の作用などによって現在は日本人の14%しか保有していないといわれています。
ロイテリ菌は「バクテリアセラピーとプロバイオティクス」で述べた癌や心臓疾患、各種炎症、アレルギーへの効果、免疫システムを高める効果があるプロバイオティクスの一つです。ロイテリ菌は抗生物質であるロイテリンを作り、悪玉菌の発育を抑制します。さらに善玉菌に悪影響を及ぼさずに共存するため、腸内の良好な菌バランスに有利に働きます。全身の免疫のかなめとも言われている腸内環境の改善は多くの疾患予防や改善、日常の健康に寄与することは想像に難くありません。そして人由来の菌であるため安心して摂取できます。抗生物質の様に臓器に負担をかけず、胎児にも悪影響を及ぼしません。
ロイテリ菌にも株の種類がありそれぞれ特徴があります。ご自分の状況、目的に合った株種を選ぶ必要があります。株種毎の特徴を巻末に記載いたしますのでご参照ください。

ロイテリ菌の安全性

ロイテリ菌はノーベル賞選定機関としても有名なスウェーデンのカロリンスカ医科大学で30年以上研究が続けられており、多くの臨床試験と実績、科学的根拠があり世界100以上の国と地域で65億食以上摂取されています。
国連WHO/FAOが定める「プロバイオティクス」要件も満たしており、FDA(アメリカの厚生省の食品医薬局)により使用にリスクがないとみなされた食品に与えられるGRASを獲得しています。乳児、幼児、成人、高齢者での治験でロイテリ菌を通常量より多く摂取した場合でも有害反応や副作用は報告されておらず、安心して摂取できます。こうしたことから毎日の摂取が推奨されています。

ロイテリ菌の有効性

世界中の50%、日本人の2人に1人が感染しているピロリ菌は、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃炎の原因となることが判明しており、また胃癌とも深く関連していると言われていますが、ロイテリ菌服用によりその感染者の60%に菌の消滅が確認されています。
また乳児のアトピー性皮膚炎がロイテリ菌の12ヵ月間の摂取で湿疹面積が57%消滅するなどアレルギー抑制に働くことも確認されています。
この他にも腸内環境が改善し腸の運動量が増えて便秘にも効果があります。腸は免疫に関与しており、腸内環境が整うことから体質改善と免疫力アップにつながるとされています。多くの乳酸菌は摂取しても胃酸などにより死滅してしまいますが、ロイテリ菌は生きて腸にまで届き定着するため、腸内環境の改善には非常に有利なのです。

ロイテリ菌と虫歯、歯周病、口臭

ロイテリ菌による歯科分野での研究発表によると、ロイテリ菌を投与しなかったグループは症状の変化が見られなかったのに対し、投与されたグループはこれらの疾患の症状の軽減が認められています。
また重度と中度の歯肉炎がロイテリ菌投与によって軽快や治癒したことも報告されています。このようにロイテリ菌には歯周病菌や虫歯原因菌の発育抑制効果があるのです。
また口臭に関して、臭いをごまかすのではなく原因菌に作用し口臭値がかなり改善されたとする研究報告もあります。
これらの効果はロイテリ菌の持つ免疫力アップや抗炎症作用が関与しているものだと考えられます。

ロイテリ菌効果で歯周病が治る?

ロイテリ菌の摂取方法

タブレットやヨーグルトで摂取できます。ヨーグルトがお好きな方はヨーグルトで、保存性を考えるならタブレットがお勧めですが、それぞれに入っている菌種が違うためご自分の状況に合わせて選ばれるといいでしょう。
ここではバイオガイヤのタブレットのご紹介をいたしますが、オハヨー乳業の17938株が入ったヨーグルトなど他にも多数商品が存在しますのでご検討されればいいでしょう。当院ではお口やお体の状態に適したタブレットをご紹介しております。お気軽にお声がけください。

ロイテリ菌株の種類と特徴

17938株:免疫力アップによる予防に特化した菌株で、便秘・下痢、感染症予防効果
5289株 :口の中に定着しやすい菌株で、歯肉炎・歯周炎などの歯肉の炎症の緩和効果
6475株 :消化管(胃腸)に定着しやすい菌株で炎症の緩和効果。多量摂取で骨粗鬆症などの骨密度減少抑制効果

バイオガイヤタブレットの種類と特徴(表内の数字は1タブレットの含有量)

バイオガイヤタブレットの種類 17938株 5289株 6475株 ビタミンD3
プロデンティス 1.5億 1.5億
プロテクティスVD 3億 10μg
プロテクティス 3億
ガストラス 1.5億 1.5億
オスフォルティス 50億

プロデンティス

口の中に定着しやすい菌株が含まれており、虫歯菌、歯周病菌を減らすことができます。歯肉の出血や炎症・腫れがある方、歯周病に罹患している方、唾液分泌量が少ない方、口臭が気になる方などにお勧め。

プロデンティス

摂取方法:1日1回1錠をゆっくり舐める。寝る前の歯磨き後を推奨

ミントフレーバー味タブレット(30錠/参考価格¥3,240)

プロテクティスVD

腸内環境改善による便通改善や免疫の向上による感染症予防、ビタミンD配合による骨を意識したカルシウム吸収の向上を望まれる方にお勧め。

プロテクティスVD

1錠に10μgのビタミンD3を配合しておりカルシウムの吸収をサポートし免疫反応への関与が期待できる。ビタミンDは腸管でのカルシウムの吸収を促進し、骨の形成を助ける栄養素で、転倒防止や運動機能の向上効果が報告されています。この働きから骨粗しょう症予防や骨の減少を伴う歯周病に有利に働くことが期待されています。特に妊娠中、授乳期の方や成長期の子供、高齢に伴う骨粗鬆症の予防をお考えの方にお勧め。ただしエビデンスレベルでは骨粗鬆症などの骨密度減少抑制効果には6475株を50億含むオスフォルティスが有利。

摂取方法:1日1回1錠をゆっくり舐める・噛む
オレンジ味タブレット(30錠/参考価格¥3,564)

ガストラス

便通改善や免疫の向上、消化管の炎症の緩和、ピロリ菌発育抑制、抗菌剤の副作用軽減を望まれる方にお勧め。

ガストラス

6475株が入っているため骨への効果が期待できますが、菌数が限定的ため骨密度減少抑制効果には6475株を50億含むオスフォルティスが有利。

摂取方法:1日1回1~2錠をゆっくり舐める・噛む
マンダリンオレンジ味タブレット(30錠/参考価格¥3,888)

当院ではプロデンティス、プロテクティスVD、ガストラスを取り扱っておりますが、バイオガイヤのサイトでも購入することができます。

ロイテリ菌にご興味がおありの方は、当院ロイテリ菌ページをご覧ください。
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