20代男性「前歯の先端が欠けて格好が悪い」歯の欠けた部分だけに保険のプラスチックを接着した症例

2023.10.08

治療前

治療前

治療後

治療後

年齢と性別 20代・男性
ご相談内容 小学校の時にぶつけて左上前歯の先が欠けた状態でしたが、格好が悪いので治したいとお見えになられました。
痛みやシミなどの症状はありませんでした。
カウンセリング・診断結果 歯並びが若干悪く前歯が前に出ているため、外力を受けやすいことが原因だと思われます。
小学校以来放置できたことは歯内部に感染はなく歯質だけの問題ですので、いくつかの方法でご希望の外見を回復するだけで済むと診断しました。
行ったご提案・治療内容 欠けた破片があれば接着も選択肢の一つですが昔のことで残っていませんでしたので、3通りの治療方法をご提案しました。
第一は欠けた部分だけに保険のプラスチックを詰める方法です。治療回数は1回で済み、ほとんど歯を削らず費用も最も掛からない方法ですが、狭い範囲の接着だけの強度のため再度取れるリスクは高くなります。
第二は歯の表側全体を1mm程度浅く削りかける前の歯の形に近い大きさのラミネートベニア(セラミック製の付け爪の様なもの)を歯の表面に接着して外見を回復する方法です。多少なりとも歯を削ることと自由診療のため費用がかかることがデメリットですが、強度は第一方法より強くなり見た目もきれいです。
第三は歯全体を削り被せものを歯の上にすっぽり被せて外見を回復する方法です。接着面積が広くなるため強度的に歯優れていますが、歯を削る量が多く第二と同様費用がかかります。個人的には最もお勧めしたくない選択肢です。歯を削る是非より費用面から第一の方法をご希望されました。次回取れれば第二の方法を検討したいが、まずはどこまで持つかプラスチックで様子をご覧になられたいとのお考えでした。初日に欠けた部分の汚れを取り、プラスチックを接着後歯の形に整形しました。最後に噛み合わせの調整をした後研磨をして治療は30分かからずに終わりました。
治療期間
治療回数 1回
費用目安 保険の一部負担金
術後の経過・現在の様子 欠けた部分がきれいに元に戻ったように見えますが、食べ物が最初に当たる部分ですので取れやすい場所でもあります。今後取れるようなことがあれば、再度同じ治療を行う方法と、ラミネートベニア等で修復する方法をご説明しました。
治療のリスクについて
クリニックより この症例の場合、残念ながら下の歯並びやかみ合わせからプラスチックの詰め物の弱い接着力では本来の歯の形に戻すことができませんでした。

どの治療が一番いいということはないと考えています。それぞれに利点と欠点があり、その時点での価値観や優先したい事柄などと共にその治療方法の特徴をよく知り、ご自分で判断できるところまでご説明することが歯科医の仕事だと考えています。

その他の治療法の詳細は下記をご覧ください。
ラミネートベニア
詰め物被せものの種類