50代男性「銀歯と歯の間の隙間から虫歯になった」虫歯治療後に銀歯をセラミックに入れ替えた症例

2023.10.23

治療前

36治療前

36治療前レントゲン

 

治療後

36治療後

 

 

治療7年後

36治療後7年

 

年齢と性別 50代・男性
ご相談内容 以前から健診のたびに銀歯と歯の不適合を指摘していた左下大臼歯(左下6番)の銀歯が外れたとお見えになられました。内部は懸念していた通り虫歯があり、虫歯のためにセメントの接着力が弱くなり歯型を外す時の力に接着力が耐えきれなかった結果でした。
虫歯の存在とこの弱い接着力では早晩外れてきたか、虫歯の進行によりシミや痛みが出てきたであろうことが想像されます。
カウンセリング・診断結果 内部の虫歯の多さから相当前から虫歯があったことが想像されます。治療前のレントゲンでも白く写っている銀歯と歯との間に黒く写っている隙間が確認できます。
ただしこの時点ではご本人には症状が一切ないこと、またレントゲンには黒く写る古いタイプのセメントが入っている可能性があるため治療を強くはお勧めできませんでした。
行ったご提案・治療内容 現状をご説明したところ、過去に治療中に銀歯の下から虫歯が見つかった経験をお持ちだったため、歯を大切にしたいとのご希望から銀歯を外してみることになりました。銀歯を外してみると懸念していた通り虫歯がありました。
銀歯の下にできた虫歯を除去し、今回の虫歯ができた原因である銀歯の不精密性を改善して次の虫歯を防ぐ目的で銀歯より治療精度が高い治療法をお勧めしました。何度も治療を繰り返していくと、段々残った歯が少なくなり外れやすさや寿命を短くする懸念があるためです。
精度を向上させる目的で最適なのが金合金の詰め物ですが、下顎で口を開くと人目につく場所であるため審美面のご希望からガラスセラミック(e-max)をご提案しました。
ジルコニアの選択も可能ですが色調と精度が若干劣ることと、ジルコニアの利点である歯を削る量を少なくできるメリットがすでに歯を削って銀歯が入っていたこのケースではメリットとはならないためです。歯を削る量に大差がないのであれば、きれいで自然感のある治療をお望みでした。虫歯を取り除くと大きな穴になったため、穴の深い場所や凹みをプラスチックで埋めて最終的に入れるガラスセラミックに合わせた形に整形しまし、仮歯をお入れして当日の治療は終了しました。次回のご予約時までその状態で経過を見ていただき、問題がありませんでしたので歯型をお取りしました。
その次のご予約時にガラスセラミック(e-max)を噛み合わせ調整後に接着して治療全てが終了しました。(治療後の写真)
治療期間 約1か月
治療回数
費用目安 112,900円(仮歯を含めて)
術後の経過・現在の様子 銀歯が外れただけで左側ではうまく噛むことができなかったのが解消して快調に食事ができます。さらに気になっていた銀歯がきれいな白い歯に戻ってうれしいとおっしゃっておられました。
今回の銀歯の下の虫歯のこともあり、これからは少しずつ残った銀歯を白い歯に入れ替えていきたいとのご希望でした。治療後は検診とメンテナンスにお通いになられて現状を維持されていらっしゃいます。
最後の写真は治療が後7年が経過した状態ですが、咀嚼は無論セラミックの美しさも当時となんら変わりありません。(治療7年後の写真)
治療のリスクについて ・治療中に痛みを伴う場合があります
・治療後に正しい歯磨きやメンテナンスを怠ると、虫歯が再発する場合があります
・治療後は神経が過敏になっているため、痛みが生じる場合があります
クリニックより その歯だけでなく隣の歯や噛み合う反対の歯だけでなくお口の中全体の現状からその歯1本を見る必要性を大切にしています。
そうした観点からみると今のお困りだけでなく将来を考慮に入れた長期スパンの視点が必要だと感じています。
また治療法は一つしか方法がないことは稀です。お口の中の状態、患者さんのご希望、費用や通院期間などいくつもの項目を考慮してたった一つの治療法を一緒になって考えていくことを重視しています。なぜならそのプロセスが最もご本人の今と将来の満足に近づける方法だと考えているからです。

e-maxなど詰め物・被せ物の種類や特徴はこちらをご参照ください。