50代女性「差し歯と歯茎の境目が黒ずんでみっともない。笑っても見栄えが良くきれいな歯にしたい」セラミックを被せ直して、きれいな口元を取り戻した症例

2023.08.27

治療前

治療前

治療後

治療後

治療6年後

6年後

年齢と性別 50代・女性
ご相談内容 糸切り歯とその一本奥の歯(左上3番と4番)の差し歯と歯茎の間が黒く変色しており、喋ったり笑うと人目についてみっともないので綺麗な歯にしたいとお見えになられました。
カウンセリング・診断結果 拝見すると左上糸切り歯と左上小臼歯(左上3番・4番)の被せものと歯茎の間から歯が見えています。お話によると作製当時に比べて歯茎が上に上がったことと、神経がない歯のために内部に入れてある銀合金の土台からの金属イオン(金属サビ)が歯質にしみ込んで黒変したことが原因だと判断しました。この症例の場合、黒く見えるのは虫歯ではありませんでした。
行ったご提案・治療内容 歯周病、噛み合わせや食いしばり癖、過度のブラッシング、加齢などにより歯茎が上がり、このように人工歯の境目が露出することがあります。
また歯の神経の有無や土台の銀合金の成分などにより歯自体の変色の有無が左右されます。この症例でも糸切り歯の付け根は茶色ですが、奥の小臼歯の付け根が黒くなっているのはそうしたことが原因です。初日には被っていた人工歯を内部の歯質をできるだけ傷つけないように慎重に外し、形を整えた後に仮の歯をお入れしました。
その後仮の歯を使って外見を保ちながら、歯の内部の治療(根管治療)を行いました。
一度歯にしみ込んでしまった金属イオンは漂白して白くすることは困難ですが、これ以上の黒変を防止することと、金属より歯が折れにくくする効果のあるグラスファイバー製の土台に根管治療後に交換しました。こうした治療が終わった後に仮の歯でしばらく噛み合わせや発音、審美の問題がないかを患者さんと歯科医双方で日々の生活を過ごしながら確認しました。経過観察中に問題がなかったため、次のご予約で歯型を取り、作製期間を経て最終的なセラミック(カタナ)をお入れしました。(治療後の写真)
治療期間 約2か月(根管治療が約1か月)
治療回数
費用目安 292,540円(グラスファイバー製土台と仮歯を含み2本で)
術後の経過・現在の様子 審美的、咀嚼などの機能的問題はなく、歯茎の上りに合わせた人工歯にすることで変色部分を隠し、審美的な問題を解決することができたことにお喜びいただけました。
治療のリスクについて ・治療中に痛みを伴う場合があります
・治療後に正しい歯磨きやメンテナンスを怠ると、虫歯が再発する場合があります
・治療後は神経が過敏になっているため、痛みが生じる場合があります
クリニックより 差し歯を交換してから6年が経過していますが(治療後6年の写真)、美しさは維持できています。セラミックは長期に渡り美しいものですがそれだけでは不十分で、維持できることが大切だと考えています。それを維持するためには、人工歯(差し歯)だけでなく、お口全体の嚙み合わせとの調和、歯周病のコントロール、日常生活の癖などのいくつかの項目をクリアする必要があると考えています。
歯茎が上に上がった一つの原因として噛みしめ癖があるために奥歯がかなりすり減って嚙み合わせが低くなっていることも挙げられます。噛み合わせが低くなるとあごを横に動かす動き(噛みしめや歯ぎしりはその最たるもの)の時に糸切り歯周辺の歯に強い力がかかるからです。別の機会に奥歯のすり減りの治療を行い、噛み合わせの回復も行いました。奥歯の治療も相まってこれ以上の歯茎の上がりを阻止できていると考えています。

セラミック(カタナ)など詰め物・被せ物の種類や特徴はこちらをご参照ください。