40代男性「左上糸切歯が欠けた。銀歯を白い歯に入れ替えたい」セラミックで治療した症例

2024.01.15

治療前

画面右側の糸切り歯(左上3番)が欠けたとお見えになられました。虫歯が直接の原因ですが、神経がない歯で歯質がもろくなっていることも副因です。神経がない歯は根元から折れることもあるため虫歯だけの処置では歯を失うリスクがあります。また画面左の右上奥歯の銀歯も白い歯にされたいとのご希望がありました。

治療後

左上3番、右上4・5・6番の4本のセラミックを被せた治療から3年後の状態です。治療直後と変化なくきれいな状態を維持できています。

年代と性別 40代・男性
はじめのご相談内容 左上糸切歯(左上3番)が欠けた。銀歯を白い歯に入れ替えたいとお越しになられました。
診断結果 拝見すると糸切り歯(左上3番)に虫歯ができて歯が欠けている状態でした。
また気になっておられる右上の銀歯(右上4番・5番・6番)と共にすでに神経がない歯でしたがレントゲンでは内部の問題がないため、左上3番は土台を入れて補強し、右上は現状の土台を使って被せものを入れ替えることで審美上のご不満の改善と食生活は維持できると判断しました。
行った治療内容 白い歯を入れたいとのご希望に沿うには、保険のプラスチックと自己負担のジルコニアやセラミックがあります。プラスチックは強度不足で耐久性がないことや変色性があることからご希望はなく、右上6番を除いた3本は審美領域(容易に人目につく歯の場所)であるため、ジルコニアの不自然な白い色もご希望されませんでした。そのため左上3番は虫歯を取り除いた後土台を入れて歯の補強を行い、右上は現状の土台を利用してセラミックを被せることをご提案しました。

糸切り歯は他の歯と違った仕事を担う歯です。あごを横に動かすときにガイドとなる歯のため、あごを横に動かした時にその歯1本であごを支える強度と耐久性が特に求められます。そのため人の身体は進化の過程で他の歯より根の長さが圧倒的に長くなっており、強い横方向の力に耐えられる構造になっています。

神経を失った歯はもろくなり欠けたり割れるケースが多々あります。今回も神経がない糸切り歯(左上3番)が欠けたことがご来院の主目的ですから、弱くなった歯を補強して強い力に対抗できるようにすることがこの歯だけでなく他の歯全体の寿命に大切になってきます。
そのため左上3番に歯と似たしなりがあり歯が割れる可能性を減少させるグラスファイバー製土台をお入れしました。硬い樫の木より風でしなる竹の方が折れにくいことと似ています。

右上3本とともに仮の歯に置き換えて日常生活で使うことで外見や発音、咀嚼等の何らかの問題点があるか否かをチェックしました。同時に顎を動かした時のガイドの量や他の歯との調和も確認しました。問題がないことを確認後、歯型をお取りし、最終的なセラミック(カタナとセルコン)を歯に接着して治療は終了しました。
このケースのおおよその治療期間 約3か月
おおよその費用 577,940円(グラスファイバー製土台を1本と仮歯を含む4本)
現在の様子 咀嚼や機能的な支障はなく、食事や日常の問題はありません。
人前で喋ることが多いお仕事のため喋るときに銀歯が目立たずよくなったとお喜びいただけました。
治療後は定期的歯科検診とメンテナンスにお通い頂いており、今後もご一緒に維持に努めて参りたいと考えています。
治療のリスク ・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります
・装着に際し、天然歯を削る必要があります
クリニックより 治療後3年が経過していますが、咀嚼や外見等の問題はありません。(治療3年後の写真)
今後とも経過を見続けて参りたいと考えています。
歯磨きの仕方や頻度の問題から今までも時々虫歯が進行してからの来院が目立つため、早期に異常を発見するための定期健診や歯を悪くさせないためのクリーニングであるメンテナンスをお勧めし、現在も維持されています。

セラミック(カタナ)など詰め物・被せ物の種類や特徴はこちらをご参照ください。