70代女性「虫歯を治したい」ハイブリッドセラミックで治療した長期症例

2024.01.01

治療前

治療前の上顎の状態です。前歯だけしか残っておらず、奥歯はすべて入れ歯が入っていました。

治療前の下顎の状態です。左下5番にはプラスチック、4・6番に銀歯が入っており、7番は銀歯の一部が虫歯になったのかプラスチックが詰まっており銀歯の一部が残っています。

治療後

治療から4年後です。大きな変化はありませんが、左下6番に摩耗が見られます。

治療15年後です。8年後に残念ながら一番奥の左下7番は根が割れたため抜歯になり、噛みあう上顎の歯が入れ歯であるためご相談の上抜いたままの状態になっています。また13年後に左下6番の摩耗が進行したため予防的観点からジルコニアに入れ替えました。

年代と性別 70代・女性
はじめのご相談内容 左下奥歯(左下4・5・6・7番)の虫歯を治したいとお見えになられました。
診断結果 拝見すると左下4番には銀歯が被っており、5番はプラスチックと歯の境目に変色が見られます。また6番のかみ合わせ部分に摩耗が見られ歯茎の付け根部分にえぐれがあり、7番には銀歯付近の虫歯治療によるプラスチックと治療前の銀歯が残っていました。総合すると噛む力が強いか噛みしめ癖がおありなのか、歯にかなり負担をかけておられる様子です。そのために歯のえぐれが起こり歯がかなり摩耗している状態でした。
レントゲンからは左下7番の根の中の治療(根管治療)が不十分であることが確認でき、再治療が必要であると判断しました。
行った治療内容 当初のご希望が虫歯治療と共に、金属ではなく白い被せものや詰め物のご希望でした。そのため左下4番は内部に問題がなければ被せものを作り変えること、5・6番は詰め物を入れて、左下7番は根管治療を行い被せものを入れる方針をご提案しました。
白い色調の治療材料には、保険の範囲内では銀歯とプラスチック、自己負担では当時はハイブリッドセラミック、セラミック、金合金があり、それぞれ耐久性と自然感が異なること、また費用面での違いなどをご説明したところ当時発売されたばかりであったハイブリッドセラミックをご希望されました。
耐久性が劣り変色しやすいプラスチックの改良版として、またセラミックほど費用負担が高くない材料として登場してきたものです。プラスチックにセラミックを配合して耐久性と色調の変化を減少させる狙いで開発されたものでした。

最初に左下7番の根管治療を行い仮の歯をお入れした後、順次左下4・5・6番も仮の歯に置き換えていきました。噛み合わせの問題、日常の使用上の問題がないことを確認後、歯型をお取りし、次のご予約時にハイブリッドセラミック(エステニア前装冠とエステニアインレー)を歯に接着して治療は終了しました。
このケースのおおよその治療期間 約1.5か月
おおよその費用 398,460円(グラスファイバー製土台1本、仮歯を含む4本)
現在の様子 治療後も食生活や日常の問題はみられず、ご希望であった白い歯が入ったことをお喜びいただけました。
治療後4年の写真からは大きな変色や噛み合わせの変化は認められず、問題はなく機能していました。(治療4年後の写真)

しかし治療から8年後に左下7番の根が割れて抜歯を余儀なくされ、抜歯後は上が入れ歯のためご相談の上抜いたままの状態とすることになりました。
治療後13年が経過した時点で左下6番のハイブリッドセラミックの摩耗が見られ、歯の内部の歯質である象牙質が露出してきたため、予防的観点からその歯だけジルコニアに入れ替わっています。
最初の治療から15年が経過していますが、左下4・5番は今も現役で毎日の食生活を支えてくれています。(治療15年後の写真)
クリニックより 万物が経時的に変化していくことは避けようがありません。人の体も例外ではなく、年齢を重ねるにしたがって色々なことが起こります。
15年の歳月の中でこの方も左下7番を失い、左下6番も再治療が必要になってしまいました。しかし80歳を超えた今でも食生活を維持されていらっしゃいます。

毎日の歯磨きに加え、ご自分ではお口の管理に自信がないからとおっしゃり、ほぼ毎月のメンテナンス(クリーニング)と6か月ごとの定期歯科検診を欠かさずお受けになられていることが現状から大きく崩れていかないことにつながっていると考えています。小さなことの積み重ねですが、継続する力は大きな作用を生むことをこの方からお教えいただきました。

詳細は下記をご覧ください。
定期検診やメンテナンス