40代女性「銀歯の詰め物の周囲が黒ずんでいる」虫歯治療後にセラミックに詰め直した症例

2024.07.01

治療前

右上6番(画像の奥から2番目)の銀歯の詰め物と歯の境目に黒ずんでいる場所があることが検診の際に見つかりました

白く写っている銀歯の下に黒い影があることがわかります。虫歯の可能性が否定できません。

治療後

セラミック(e-max)に入れ替わった状態です。治療の痕跡がわからないほど自然で美しいのがセラミックの中でもガラスセラミックの特徴です。また銀歯が透けて黒く見えていた歯が白くなったことがお分かりいただけるでしょう。

その他

治療から7年が経過しています。今回の治療後に手前の銀歯も同じセラミックに入れ替わっています。セラミック自体には変色がありませんが、年月の経過により歯にセラミックを接着しているセメントに着色が少し見られます。

治療から7年後のレントゲン写真です。当初あった虫歯による黒い影はなくなり、いい状態を維持されています。

年代と性別 40代・女性
はじめのご相談内容 歯科検診時に右上第一大臼歯(右上6番)の銀歯の詰め物と歯の境目に黒ずみが見つかりました。
診断結果 痛みやシミなどの症状はありませんでしたが、銀歯と歯の境目に段差があるため銀歯周囲や内部の虫歯の可能性があるとご説明しました。
行った治療内容 3年前にこの歯の1本奥の右上7番の銀歯の詰め物が外れて来院された時に、内部に虫歯があった経緯から銀歯を外して内部を確認することをご提案しました。
虫歯の可能性をご理解頂け、歯を悪くされたくないご希望から銀歯を外してみるご決断をされました。銀歯を外してみると銀歯と歯の境目に初期の虫歯があり、それが治療前に黒ずんでみえていたことが判明しました。
虫歯除去後に何らかの詰め物を入れて噛む機能と虫歯の再発を防止する必要があるため、今までと同じ銀歯、ジルコニア、金合金、セラミックのご紹介をしました。保険の範囲内ではプラスチックも適用可能ではありますが、強度不足で耐久性が劣ることをご説明し選択肢から外しました。3年前の隣の右上7番の治療でセラミックを選択されており、耐久性と再発予防、さらに審美性の面から今回も同じセラミックをご希望になられました。
初回の治療で虫歯除去後に歯を削る量を最小限にするため虫歯が進行した部分にプラスチックを一部詰め、セラミックの詰め物に適した形に歯の整形を行い、歯型をお取りした後に仮歯をお入れして初日の治療を終えました。次回のご予約で歯にセラミックの詰め物(e-Maxインレー)を接着して治療が終了しました。(治療後の画像)
このケースのおおよその治療期間 2回
おおよその費用 101,410円(仮歯を含む1本)
現在の様子 治療後も食生活や日常の問題はみられまず、気になっていた銀歯が白くきれいな歯になりました。
治療のリスク ・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります
・装着に際し、天然歯を削る必要があります
クリニックより 奥歯、特に今回は上の奥歯のため審美面より噛むことなどの機能面と耐久性、虫歯の再発予防が重視される場所です。
その意味では色合いは不自然であっても金合金もいい選択肢の一つですが、口の中に他の歯に銀歯が多数入っておられることから異種の金属を同居させないため強度面からジルコニア、虫歯予防に貢献する適合面からセラミックをご提案しました。
ジルコニアは歯を削る量が少なくて済むメリットがありますが、今回のケースではすでに歯を削って銀歯が入っていたためそのメリットが生かせないケースでもあり、適合重視でセラミックに最終的にはご相談の上決まりました。