60代男性「奥歯がかけた」丈夫な金合金で治療した症例

2025.12.15

治療前

左上6番(左上第一大臼歯)がかけたとお見えになられました。金属が入っている手前の歯との境目の詰め物が小さく欠けています。このまま放置しておくと食べ物が詰まって虫歯になるリスクが高く、欠けた部分だけにプラスチックを詰めても容易に外れるでしょう。小さくとも詰め物を作り直してつまらない環境にしておくことが大切です。

欠ける前の以前の状態です。欠けたのはほんの一部だということがわかります。歯ぎしり食いしばり癖をお持ちのため何らかの拍子で強い力がかかったのだと思われます。

治療後

強度が高く割れるリスクが少なく、かつ歯とほぼ同じ硬さである金合金をご希望になり治療が終わった状態です。

年代と性別 60代・男性
はじめのご相談内容 左上6番(左上第一大臼歯)がかけたとお見えになられました。
診断結果 拝見すると左上6番の詰め物の一部が欠けていました。
他の部分にはヒビや欠けはなく、何らかの拍子でその部分に強い力がかかり欠けたと判断しました。(以前の画像と治療前の画像)
噛みしめや食いしばり癖がおありのため、一般的な方より強い力が慢性的にかかっていることが主な原因だとご説明しました。
このまま放置しておくと欠けた部分が虫歯になるだけでなく、食べ物が詰まりやすいためさらに虫歯や歯のぐらつきがでる可能性があります。
そのため何らかの方法で穴を塞ぎ、食べ物が詰まらないようにしておくことが大切です。
行った治療内容 今回の詰め物が欠けた一番の原因は噛みしめ・食いしばり癖が日常的にあることだと考えられます。
その強い継続的な力に対抗するには壊れにくい材質が望まれます。
その点からすると金属が適しておりますが、銀歯は硬すぎて強い力で銀歯を受けている歯の方が割れるリスクがあります。
歯とほぼ同じ硬さと摩耗性からすれば金合金が適しています。
欠けた部分だけにプラスチックを詰めて物が詰まらないようにすることはできますが、詰め物が欠けるほどの強い力がかかっている場所ですので早晩取れてくることは明らかです。

このご説明から金合金の詰め物に入れ替えることをご希望されました。
麻酔で無痛状態になった時点でかけた詰め物全体を取り除き、歯型を取り、仮の歯をお入れして初日の治療を終わりました。
次回のご予約で金合金の詰め物を歯に接着して治療の全てが終了しました。(治療後の画像)
このケースのおおよその治療期間 2回
おおよその費用 114,010円(仮歯を含む)
現在の様子 治療により食べ物はつまらなくなり、食生活や日常の問題はみられません。
現在は定期検診とメンテナンスで維持をされていらっしゃいます。
治療のリスク ・治療中に痛みを伴う場合があります
・治療後に正しい歯磨きやメンテナンスを怠ると、虫歯が再発する場合があります
・治療後は神経が過敏になっているため、痛みが生じる場合があります
クリニックより 金合金は色合いが金属色であるため好まれる材料ではありません。
この方も白い歯をご希望になられて一度は詰めたものの、一般の方より強い力がかかる癖をお持ちのため欠けてしまいました。
長い臨床経験から申すと、上の奥歯はほとんど人目に付かない場所ですので金属アレルギーがなく強い力を慢性的にかけられる方は、
硬過ぎず柔らかすぎず歯とほぼ同じ硬さで丈夫で壊れにくい金合金が無難だと考えています。
同じ歯を何度も削り治療する頻度が少なくなるからです。