50代男性「入れ歯が不便なのでインプラントにして噛めるようになりたい」インプラントを含めたお口全体の治療を行った症例
2026.04.20
治療前
昔から歯が悪く入れ歯を入れているがよく噛めないし不便なのでインプラントを入れたいとお見えになられた時の上顎です。右上に入れ歯が入っていましたが、右下奥歯の一部も失っており、右側ではよく噛めていないとのことでした。
もう一つの来院理由である左下奥歯が取れた状態です。また右下奥歯には入れ歯をお作りになられたそうですが、合わなくてお使いではありませんでした。そのため左側だけで食事をされており、左下奥歯(左下5番)の銀歯が取れたことをきっかけに来院されました。
詰め物が取れた左下5番は歯がほとんど残っておらず内部には虫歯がありました。また左上6番(左上第一大臼歯)はかなり傷んだ歯で存続が厳しい状態でした。この2本は残念ながら保存することが難しい状況でした。ただでさえ今の入れ歯にご不満がある上にさらに歯を失くして入れ歯が増えることになります。入れ歯を回避するためのインプラントにはあごの骨も痩せていて容易ではありません。
治療中
痩せた骨を補う造骨治療とインプラントによる咀嚼能力の回復と日常生活の質の向上をご希望されました。途中まで治療が進行した状態でコロナが蔓延し一時中断をご希望されたため治療中の歯を耐久性がある銀歯を使った仮の歯に置き換え、噛める状態を維持しました。
コロナ渦による3年間の中断後、後半の治療を開始した時の下顎ですが、銀歯の仮の歯に置き換えていなかった左下のプラスチックの仮歯は耐久性がないため一部欠けてなくなっていました。
後半の治療開始時のレントゲンです。右下5番・6番、右上6番にインプラントが歯茎の下に潜っており、その上に銀歯の仮歯が入っています。左上6番も抜歯後銀歯の仮歯ブリッジが入っています。左下5番は抜歯後先々インプラントが入る予定のため骨造りまで終わっています。当初の計画ではこの後に左の上下にインプラントをお入れする予定です。
治療後
当初の計画通り左上4番・6番にインプラントをお入れして残った歯と共にセラミックとジルコニアをお入れして治療が完了した時の上顎の状態です。
治療前半にお入れした右下5番・6番のインプラントと後半にお入れした左下5番のインプラントを含め、右下8番の銀歯を除く治療予定の歯にセラミックとジルコニアをお入れし治療が完了した状態です。
治療が完了した時のレントゲンです。コロナ渦による3年間の治療の中断だけでなくお口全体の治療のためかなり期間がかかりましたが、なんでも噛め快適な食生活を回復することができました。
その他
前半治療の右下5番・6番のインプラント手術前のCTによる治療計画の立案と治療のシミュレーションを行い最適なインプラントや治療法を立て、ご説明しました。
| 年代と性別 | 50代・男性 |
|---|---|
| はじめのご相談内容 | 左下奥歯の詰め物がとれた。昔から歯が悪く入れ歯を入れているがよく噛めないし不便だとお見えになられました。 |
| 診断結果 | 拝見すると左下5番(左下第二小臼歯)の詰め物が取れており、内部には虫歯がありました。 また左上6番(左上第一大臼歯)と左下5番(左下第二小臼歯)はかなり傷んだ歯で存続が厳しい状態でした。 現在お使いの入れ歯には特段の問題はありませんが、普段の咀嚼と装着感や取扱いに不便を感じておられましたので、前述の2本を失うと入れ歯で対応することは受け入れられないと思われ、ご希望に沿うにはブリッジかインプラントの対応になるとご説明しました。 |
| 行った治療内容 | 現状のご説明と今後の治療方針のご相談を行った結果、よく噛める状態に改善し、日々の生活に取り扱いや異物感などの不便がない状態にされたいご希望がありました。 そのために存続が困難な左上6番(左上第一大臼歯)と左下5番(左下第二小臼歯)を抜歯し、残った歯に負担をかけない目的でブリッジを避けインプラントで失った歯の代用を行う治療計画を立てご提案しました。 具体的には右上6番、左上4番、左上6番、左下5番、右下5番・6番に6本のインプラントを入れ、銀歯が入っている歯の治療を全てやり直し、金属色を口の中から一掃したいご希望によりジルコニアとセラミックでお口全体の治療を行うことにご相談の上決まりました。 歯周病治療と並行して抜歯する2本の後にはインプラントをご希望のため、抜歯後に骨が痩せるのを最小限にとどめるために抜歯と同時に骨造り治療を行いました。 その後CTによるインプラント治療計画の立案、治療予定の歯を仮の歯に順次置き換えて噛み合わせの修正、右上6番、右下5番・6番のインプラント手術を行いました。 ここまで治療計画の約半分の着手をした段階でご希望によりコロナ禍で治療が3年間中断することになりました。 約3年後に後半の治療を再開し、左下5番、左上4番・6番のインプラント手術後に治療予定全ての歯の詰め物や被せ物を装着して治療が終わりました。 詳細は右上4番・7番、左上7番、左下4番・6番・7番・8番、右下4番・7番の9本がジルコニア、右上5番・6番、左上4番・5番・6番、左下5番、右下5番・6番の8本がセラミック(カタナ)です。銀歯が入っている右下8番も元々の計画には入っていましたが、今回は見送ることになりました。(治療後の画像) |
| このケースのおおよその治療期間 | 前半:約15か月 コロナ禍により途中約3年間の中断を挟む 後半:約19か月 |
| おおよその費用 | 費用目安:前半(治療途中):845,060円(インプラント・骨造り3本、仮歯を含む14本) 後半(治療完了):2,483,040円(インプラント3本、仮歯と最終的人工歯を含む17本) |
| 現在の様子 | コロナ禍による3年間の治療の中断をはさみかなり期間がかかりましたが、現在は何でも思いっきり噛める日常が戻っています。 入れ歯の不具合や使用感の悪さもインプラントにより解消しており、食生活や日常の問題はみられません。 |
| 治療のリスク | ・外科手術のため、術後に痛みや腫れ、違和感を伴います ・メンテナンスを怠ったり、喫煙したりすると、お口の中に大きな悪影響を及ぼし、インプラント周囲炎等にかかる可能性があります ・糖尿病、肝硬変、心臓病などの持病をお持ちの場合、インプラント治療ができない可能性があり、高血圧、貧血・不整脈などの持病をお持ちの場合、インプラント治療後に治癒不全を招く可能性があります ・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります ・装着に際し、天然歯を削る必要があります |
| クリニックより | 右下8番(親知らず)の銀歯を除き、全ての銀歯が入っていた歯の治療とご不満のあった入れ歯部分もインプラントに置き換わりました。 お口の中の大半の歯の治療を行ったことになりますが、行き当たりばったりではなく当初の治療計画に沿って粛々と治療を積み重ね、基礎的な治療を行った後は仮歯の状態で崩れていた噛み合わせを元々の噛み合わせに近づける試行錯誤の治療期間も設けました。 部分に治療を完成させることの繰り返しでは現状の噛み合わせに合わせる必要があるため、お口全体の観点からの噛み合わせの改善はできませんでした。 最初に確たる治療計画があってのことです。 今回はコロナ禍による治療の中断をご希望されたため金属製の仮歯に替えてそれまでの治療を3年間維持しました。 |
