神経を取らない虫歯の除菌治療

虫歯の除菌治療

「歯をできるだけ削らない、神経をできるだけ取らない」ことがあなたのかけがえのない歯の寿命を大きく左右します。感染拡大を阻止するために虫歯は全て削り取らなくてはならない常識を覆す新しい治療であり、神経を取ることによる歯の短命化を避ける方法、それが虫歯の除菌治療です。

神経は感染に弱く少しでも感染すると死んでしまいます。さらに感染した神経から歯の根っこやあごの骨まで感染が進行すれば歯の存在自体が危機的になってきます。そしてここまで進行する間に激痛や歯肉の腫れなどのつらい症状を体験します。歯の神経は敏感ですので「鬼も泣く」といわれるほどの激痛です。そうなる前に神経を取って感染の拡大を防ごうというのです。
しかし神経を取ってしまうと歯の寿命は格段に短くなります。厚生労働省の統計では5~10年短命になっています。早く入れ歯のごやっかいになることが神経を取った時点で決まってしまうのです。その理由は歯自体がもろくなるからです。もろくなった歯はヒビが入ったり割れたりして、結局は将来に抜歯になることがあるからです。

感染の拡大は防ぐ必要がありますが、神経も残したい、このジレンマを解決して激痛も歯の短命も避ける除菌治療が「3mix-mp法」です。神経の感染は虫歯から起こります。そのために虫歯を削って除去するのですが、虫歯とはいっても元は自分の健康な歯質です。悪いのは細菌ですので細菌さえやっつければ虫歯を全部取るために神経まで犠牲にしなくてもすむという考え方です。

神経を取らない虫歯の除菌治療

具体的には抗生物質などの3種類の薬剤を深い虫歯に塗布し除菌をします。その上に再感染を起こさないように緊密に蓋をしていく治療法です。
抗生物質にはそれぞれ除菌能力を発揮できる菌が違います。三種類混合することで幅広い菌に対応できるメリットがあります。また、神経に近い所の虫歯を神経を傷つけない様に削り取る必要があるため、慎重な作業が求められます。
この治療法には注意点が二つあります。

1)再感染防止のために緊密に蓋をすることがこの治療法の成否を大きく左右する

第一は再感染防止のために緊密に蓋をすることがこの治療法の成否を大きく左右します。健康保険のプラスチックは強度が弱くたわみがあり、また銀歯は、強度はあっても緊密性に問題があるのでどちらも成功率は下がります。
この治療法を適用しているということは神経の近くまで虫歯を削っているため、次にもう一度虫歯になれば虫歯は神経の近い所に容易に到達でき、その時は神経は恐らく助からないでしょう。ですから緊密で強度のある蓋をして虫歯の侵入を許さないことが成否を分けるのです。これが多少費用がかかってもしっかりとした蓋(人工の詰め物等)を合わせてお勧めする理由です。

2)すでに神経が感染を起こしてしまっている場合は手遅れ

第二はすでに神経が感染を起こしてしまっている場合は手遅れで一般的な神経を取る治療法の選択になります。

最後に

除菌治療は万能ではありません。治療を行ってもごく一部は将来神経が痛んでくることもあります。それは治療時点でごく僅かの神経の感染が起こっていた状態だったのですが、細菌自体が微細で人の目には神経の感染の有無が確実に判断できないからです。
そのために虫歯を早期に発見し被害を最小限にとどめる定期健診や、そもそも病気にならないようにメインテナンス(歯と歯肉のクリーニング)で健康状態を維持することを当院ではお勧めしています。
また当医院では根の治療にも治療効果を上げるために3mixを応用しています。

歯がしみて治療すべきかどうかを迷っているこの一日が手遅れにつながることが多々ありますので、思い当たることがあればできるだけ早く受診をお勧めします。この一日が歯の寿命ひいては今後の食生活の快適性を左右するかもしれないからです。気になった時がその時です。今すぐお電話ください。