むし歯ゼロも夢でない、最新の予防

歯を磨いているのにむし歯になる人に、とっておきのお話しです。遺伝や歯磨きの問題を超えて、あなたのむし歯を防ぐことができます。海外の最新むし歯予防のご紹介を交えながら、楽しく予防に取り組めます。 歯を磨いているのにむし歯になる!知り合いのあの人は、そんなに歯を磨いていないのにむし歯にかからないなんて不公平だ! 歯が弱い家系なのかな?そういえばおじいちゃんは総入れ歯だったし…。 小さいころからしょっちゅう歯医者さん通い、歯の治療は苦手だし、歯をがんばって磨くしかないのか…。このまま行けば、そう来自分も総入れ歯なのかな?こんな風に考えているあなた、あきらめるのはまだ早いのです。 …… 本文から 以前は印刷をして来院された患者さまに手渡ししておりましたが、時代に合わせてホームページでお読みいただけるようにしました。14ページとお読みになりやすい分量です。

目次

はじめに 1/14P

歯を磨いているのにむし歯になる!知り合いのあの人は、そんなに歯を磨いていないのに、むし歯にかからないなんて不公平だ! 歯が弱い家系なのかな?そういえばおじいちゃんは総入れ歯だったし・・・。 小さいことからしょっちゅう歯医者さん通い、歯の治療も苦手だし、歯をがんばって磨くしかないのか・・・。このまま行けば、将来自分も総入れ歯なのかな? こんな風に考えているあなた、あきらめるのはまだまだ早いのです。

私も小さい頃から歯医者さん通い、中学の時にはむし歯が原因で歯を一本失ってしまいました。 そのため中学生で入れ歯を体験し、その後ブリッジになりました。 歯科医となった今でも、その無念さを忘れたことはありません。 できるだけ多くの方にその無念さを味わって欲しくなくて、歯を失う原因の一つである「むし歯」との戦いの日々が現在も続いています。

昔の私もそうであったように、現在でも世間一般的には患者さんのむし歯を治すことに、患者さんと歯科医、皆が一生懸命です。そして治療して治したところがまた悪くなってまた来院される。 この繰り返しで段々歯をなくしてこられる患者さんをみて、どこかおかしいと感じていました。
最初は、それを治療の精度の問題と考えて、多少時間と予算をかけてもらっても丁寧な治療を心がけました。確かにその成果が出て、むし歯の再発はガクンと減ったのですが、それでもゼロではありませんでした。当時はそれを、歯の手入れとむし歯の感受性の問題と考えていました。でもそれだけではなかったのです。 詳しいことは本文に譲りますが、歯を磨いているのにむし歯になりやすいあなたも、ちょっとした予防法を知るだけでむし歯になりにくいあなたに変身できるのです。

これで治療が終わった患者さんのむし歯の再発を防ぐことができます。 歯のいい人が悪くならないでいられます。 歯科医院を歯が悪い人だけのものでなく、歯のいい人のものにもしよう。 それには、歯の悪くない人が気軽に予防に来られる環境を作ろう。私は、そう思ったのです。
治療が苦手な人が多い歯科医院を予防で「キレイになりにいくところ」、「ワクワクするところ」に変えていきたいと思います。 患者さんと歯科医院両方の協力で、むし歯ゼロも決して夢の話しではなくなっています。 入れ歯もインプラントも必要なくなるかもしれません。あなたには明るい未来が待っています。 一生自分の歯でおいしくいただけるお口を一緒に守っていきましょう。

むし歯になったのはあなたの責任? 2/14P

自分なりにはがんばって磨いているつもりなのに、いつのまにかむし歯になっていた。 たまにさぼったことはあるけど、そんなにさぼった覚えもない。 「結構気を使ってきたのに・・・どうして?」「努力が報われてないじゃない!」「以前に治療したところがまたむし歯になった。うまく治せていなかったんじゃないの?」あなたにはそんな経験はありませんか?

人は努力をしたことに対して結果を求める生き物です。がんばって歯を磨いたのなら、むし歯になることが許せないのです。 これは当然の感情です。
また、むし歯になったのは100%磨けていなかったためだとしたら、これを達成できなかった自分を責めるか、毎日毎日継続して100%を続けなければならない精神的負担を「重い」と感じてしまいます。これも当然の感情です。

しかし、言葉の上では100%というものはあっても、現実にはそんな『完璧』などはこの世にはどこにも存在していません。人の頭の中だけの存在です。 こんな無理なことが前提になっていること自体が異常なことです。私たちは、利点も欠点もある生身の人間です。感情のないロボットではありません。
そんな生身の私たちには、科学が進んで80%位でOKな予防法があるのです。 少し余裕があることが嬉しいですね。

あなには選択肢があります。 ① 100%を毎日継続して続ける。 ② 100%を毎日続けるのは無理だから、ある程度むし歯になるのを我慢する。 ③ 80%位を続けながら、予防も併用する。 さあ、あなたならどれを選びますか?

むし歯予防のウソとホント1 3/14P

むし歯にまつわる誤解についてお話ししましょう。これからお話しするタイトルはすべてウソです。 あなたはどれだけそのウソを見抜けるでしょうか?

むし歯は伝染病じゃないから、他人からは感染しない。

スウェーデンの実話です。あるお宅がお隣の家が引越しのために、隣の家庭にペットの犬をあげました。そのペットを飼っていた家庭ではむし歯が多かったのです。そしてペットをもらったむし歯のなかった家庭に、そのむし歯菌が広がったのです。もらったペットの犬を介しての感染でした。むし歯菌のDNA鑑定によってそれが証明されました。びっくりする話ですが、実話です。

これは特殊な例としても、通常問題になるのが家庭内感染です。 兄弟、姉妹、親子の感染です。特に問題なのが、母子感染です。
むし歯菌は、歯がないと感染しても口の中に住み着くことはありません。ところが、歯が生えてくるとそこにむし歯菌が住み着きます。この一旦住み着いてしまった細菌は、どんなにがんばって磨いてもゼロにすることはできないのです。一生この細菌と付き合う羽目になってしまいます。
皆、この住み着いた細菌の種類や量が違い、それにだ液の量や成分などが違うために、人それぞれむし歯の状況が違うのです。同じ所に住んで、同じものを食べて暮らしている兄弟同士でも、同じようにむし歯になるとは限らないのはこのためなのです。
歯が生えた頃の細菌感染、その最も頻度が多いのが母子感染です。 乳幼児の一番そばにいるお母さんの喋った時のだ液などを介して、感染することが多いのです。 ここで注意していただきたいのは、乳幼児のケアだけでなく、もっと根本のお母さん自身のケアです。 お母さんに、むし歯原因菌などの悪玉菌が少なければ、子供への感染を防ぐことができるからです。

妊娠したら、いや妊娠する前から、悪玉菌の解消に取り組むことをお勧めします。あなたの悪玉菌の量は、痛くもないだ液検査で簡単に調べることができます。仮に悪玉菌が多くとも、この小冊子をお読みになれば、簡単なことでその解消ができることがご理解いただけるでしょう。

むし歯予防のウソとホント2 4/14P

むし歯の予防には、歯をしっかり磨くしかない

歯をしっかり磨くことは、むし歯の原因になる細菌に、食べカスという餌をやらないことですから大切です。医学が進歩した今も、歯を磨くことの大切さは変わっていません。
日本人は世界でもよく歯を磨く民族だといわれています。 元々キレイ好きの民族ですし、公衆衛生が浸透してからの日本人はよく歯を磨きます。 おかげで日本人のむし歯は近年減少しましたが、しかし現在は減少の頭打ち状態です。歯を磨くことは非常に大切で、一定の効果はありました。それでも、あなたやあなたの周りの人々にむし歯ができてしまいます。

福祉が発達している北欧では、国を挙げて以前から、治療より予防に力を注いできました。スウェーデンではむし歯の発生率を日本の1/3にまで減少させることに成功しています。日本人はスウェーデン人と歯ブラシでの手入れがさほど変わらないのに、3倍もむし歯になる・・・。 スウェーデンが最新の予防法によりむし歯の感受性を低くした結果です。毎日の歯磨きは大切ですが、その他にもむし歯予防の手があったのです。
その最新の予防法は後で詳しくお話しますが、遺伝や毎日の手入れの問題をも乗り越えて、むし歯を減少させられるのです。

むし歯予防のウソとホント3 5/14P

食後すぐに歯磨きすることはいいことだ。

学校でもよく聞く話ですが、実は間違いです。 ものを食べると口の中に住む細菌の働きで、歯の表面からカルシウムなどがほんの少量溶け出していきます。食後にこの溶け出したカルシウムなどを歯に戻す働きをするのが、だ液です。
食後すぐに歯磨きをすると、だ液が働く余裕がないまま、うがいと伴にカルシウムが流れてしまいます。これは溶け出した分だけ歯に穴があくようなものですから、歯質が弱くなってしまします。
ですから、食後はまずキシリトール入りのガムをかんでください。だ液が十分に働き、歯を元に戻してくれます。しばらくガムをかみ、食後20分から40分たってから歯磨きをしましょう。
昔は歯科医でも食後すぐに歯磨きを勧めたこともあるのです。科学が進むと、昨日のホントが今日のウソとなることもよくあります。このウソをあなたがご存じなくても当然です。

むし歯予防のウソとホント4 6/14P

前に治療した歯がまたむし歯になるのは、治し方に問題がある?

他の歯科医院から色々なご事情で転医されてこられた患者さんからこの言葉をよく伺います。 もしあなたがこのケースに当てはまっていたら、これは残念ながら、そういう時もあるしそうでないこともあるとしかいいようがありません。
症例によって原因は違いますから、ここであなたの原因がどれなのかはわかりませんが、治療したところがまたむし歯になるには、いくつかの原因が考えられます。

第一は、歯並びやあなたのくせの問題です。 むし歯になったということは、歯並びなどでそこに食べカスが詰まりやすい場所であったり、そこが磨きにくかったり、またくせでよく磨き残しをする場所であったりすることなどが考えられます。いわばあなたのウィークポントである可能性です。

第二は、あなたのむし歯リスクの問題です。 むし歯になりやすい生活環境や食事、歯質、むし歯原因菌が多い、だ液の量や性質など、あなたのむし歯リスクが高い場合です。 この状態では、治療や歯磨きなどに問題がなくともむし歯になる可能性が高いのです。本来むし歯予防が最も必要なケースで、またその効果が最も大きいのです。この小冊子もこうした方々に主に向けて書いています。

第三は、歯を削ったところはむし歯になりやすいことです。 歯はむし歯から自分を守るために、エナメル質という薄いヨロイをかぶっています。これを治療のためとはいっても削ってしまうと、歯の内部の歯質が表面に出てしまいます。この内部の歯質はむし歯に非常に弱いのです。 ですから、歯はできるだけ削らない方がいいのです。もしどうして治療で削る必要があるのなら最小限にとどめる配慮が大切になってきます。また治療では、再度虫歯になってまた削らなくて済むようにその弱い歯質を人工の材料で隙間なくピッタリと覆うことが必要です。細菌が弱い歯質に入り込むのを防ぐ必要があるからです。
ここでよく問題になることがあります。その治療の精度(歯と人工の材料がピッタリあっているかどうか)の問題です。削った後の弱い歯質が完全に人工の材料で覆われていなかったり、歯と人工の材料との間に隙間があいているとそこがむし歯になります。これが「治療したところがまた悪くなる」原因の一つです。
歯と人工の材料をピッタリ合わせるには、時間と手間、そしていい材料が必要です。そうした丁寧な治療は健康保険の枠を越えて自己負担となってしまうのが欠点です。しかし、治すときはちゃんと治す、そこでケチらないことが大切です。

目先そこで節約したつもりが、歯をまた悪くして結局は高いものにつくことがあります。経済的損失だけでなく、現代の歯科医療は修理に過ぎず、元通りには戻せないのです。治しては削りまた治す、これを続けると最後は逆立ちしても手に入らない貴重な歯を失ってしまいます。
人は往々にして、失う前ならその何十分の一の労力で済むものを、大切なものを失ってから慌てます。 昔から「安物買いの銭失い」といいますね、歯も同じです。

むし歯予防のウソとホント5 7/14P

今特に困っていないし、予防にお金と時間をかける必要性を感じない。

物事には、「対処」と「保険」と「予防」という対策があります。対処とは何か起こったことに対する対応で、この場合は治療にあたります。保険とは何か起こった場合に備えて準備するものです。 一方で予防とは何かが起こらないようにするために、それを回避するためのものです。
人は目に見えるものや体感できる現実の問題には積極的に動けても、頭で考えなければいけない保険や予防は先の話ですから、現実感が薄くどうしても後に回しがちです。 でもよく考えてみてください。実は予防はとっても経済的です。

先ほどお話ししたように、一旦むし歯になってしまうと、ちゃんと治療するにはそれなりの費用がかかってしまいます。仮に歯がなくなってしまったら、最も歯に近いインプラントをすると大体40万円位の出費になります。
ところが、ご両親から貰ったあなたの歯は「ただ」です。それを維持するのに何十分の一のわずかな出費ですみます。さらに、いかにインプラントといってもあなたの歯には及ばないことを考えると、あなたの歯の価値は計りようもないものです。また治療には時間がかかり、長い期間拘束されてしまします。 予防はあなたの財産である、歯とお金、そして貴重な時間を守ってくれるのです。

歯を大切にするあなたへ 8/14P

むし歯は歯を失う大きな原因です。むし歯にならなければ、その後の治療や歯を失ったための治療も必要ありません。かむことは私たち人間にとって単に消化するためだけでないことがわかっています。

私たちはかむことから、多大な恩恵を得ています。だ液もただの水ではなく、いっぱいたくさんの恩恵を与えてくれています。かむこともだ液も、歯があって成り立ちます。 歯は、あなたのこれからの人生を豊かで実りのあるものにするために、どうしても欠かせないものなのです。
わたしたちの歯科医院ができることは、むし歯を治して予防の大切さをお話しするところまでです。 毎日のご家庭での予防と、定期検診にお越しいただくにはあなたの協力が必要なのです。そのためには、予防があなたに何をしてくれるのか。あなたにどんなメリットがあるのか。
それをご理解いただかなければなりません。これがこの小冊子を書いた目的です。 末永くご自分の歯と共に人生をお送りいただくためには、歯に不具合のないこの今が大切なのです。

明日からできる、簡単なむし歯予防 9/14P

ここからが、本題です。難しいことは一つもありません。ちょっとした気づきと、新しいことに一歩踏み出す小さな勇気だけで、あなたはむし歯とおさらばできるかもしれないのです。ワクワクしながら読んでください。
読み終わって「なんだ、簡単じゃない」と思っていただけたらそれで十分です。

だ液検査

だ液にはたくさんの働きがあります。その働きの中で最も大きいのが、むし歯を防ぐ働きです。そのだ液にも個性があって、千差万別です。
だ液を検査すれば、その分泌量や性質がわかります。むし歯にかかりやすいのか、そうでないのかがわかります。お口の中のむし歯菌の量もわかります。
だ液検査は、だ液を5分間出してもらうだけです。非常に簡単で、痛くもない検査です。むし歯を予防するためには、味方となるだ液の能力を調べて対応策を立てる必要があります。 だ液検査は、むし歯予防の入り口なのです。

フッ素 10/14P

フッ素がむし歯の予防に有効なことはご存知のことだと思います。フッ素は歯を強くし、初期のむし歯を修復するなどの働きがあり、むし歯予防の強力なパートナーです。
これを使わない手はありません。市販の歯磨きペーストにもフッ素入りのものがたくさんあります。もしまだお使いでないのなら、ぜひ使ってみてください。 フッ素含有量には商品によりバラつきがあります。 その選択にお困りならお気軽にお尋ねください。
フッ素は食品にも含まれている物質で、世界中のむし歯予防で使われています。 アメリカでは水道水に入れていますし、カナダでは塩に入れ、フランスではミルクに入れています。 世界中でその安全性が認められています。

しかし食塩も摂り過ぎには注意が必要なのと同じように、いくらでもいいわけではありません。またその効果を認めつつも、わざと添加することに反対する意見も一部にあります。 そういうお考えの方には、働きは同じではありませんが、フッ素の代用品として歯を再石灰化する歯磨きペーストをお勧めします。

キシリトール 11/14P

砂糖の弊害は糖尿病やむし歯だけではないのですが、いろいろと問題にされる砂糖、その代用品の甘味料がいくつかあります。 むし歯の観点からすると、むし歯菌が餌にできないキシリトールがお勧めです。 さらにキシリトールはむし歯菌を抑制したり、歯を強くする働きもあります。

最も有効なキシリトールの使い方をお話ししましょう。 先にお話したように食後すぐに歯磨きをせず、まずキシリトール入りのガムをかんでください。 キシリトール100%のガムがお勧めです。 市販のものは含有量が少なく、大きな効果を期待できません。 予防に取り組む歯医者さんなら、置いてあると思います。 歯磨きをするのはその後で結構です。

しかし料理などでキシリトールを多量に摂取すると、お腹がゆるくなることがあります。100%ガムなら食後に一粒、1日3回で十分です。これなら食後ガムをかむだけと、非常に簡単で続けやすい方法です。
キシリトールは天然成分から抽出されたもので、その安全性は認められています。 世界中で使われていますが、問題は報告されていません。安心してお使いください。

生活習慣 12/14P

砂糖がむし歯になりやすいことはご存知でしょう。 特に飴やキャラメルは溶けるのに時間がかかるために、長時間歯をおかします。 ガリッとかんで歯にくっついたら最悪です。
しかし砂糖だけが、むし歯の原因ではありません。 だから、甘いものを食べていない人にもむし歯ができてしまうのです。 私たちが毎日食べる、ごはんやパン、いも類などの炭水化物、これもむし歯菌の栄養源となり、むし歯が作られます。 ジュースや炭酸飲料などの糖分を含んだ飲み物も同じです。 砂糖はなんとか我慢できても、これでは困ってしまいますね。
でも、だいじょうぶ。あなたの歯を守る方法はあります。 まず、食後に100%キシリトール入りのガムをかみ、食後20分から40分後にしっかりと歯を磨きましょう。

次は、ダラダラと食べることや、お菓子やデザートなどの間食をやめましょう。 食べ物を口にする回数は非常に大切です。食べ物が口に入れば、歯の表面が溶けます。この頻度が多いほどむし歯になりやすいからです。

また食間にお腹がすかないように3回の食事はきちっと摂って、おやつやデザートは食事に続けて摂るなど、こうした習慣をつけることが大切です。 飲み物は、糖分を含まないお茶や水がお勧めです。 寝る前に食べ物を口にするのもむし歯になりやすくなります。寝ている間はだ液の分泌が少なく、だ液が歯をむし歯から守りにくいからです。できるだけ寝る前には、食べ物を口にしないことや、食べたら磨くことをお勧めします。

こうしたメリハリのある生活習慣は、成長途中の子供にとってむし歯予防以外にも「しつけ」としての効果もあります。

メインテナンス 13/14P

一般的な定期検診は、早期発見、早期治療が目的です。 しかしここでいうメインテナンスは、むし歯のない状態を続けるためのものです。 その内容をご紹介しましょう。

① 歯の健康状態のチェックをします。歯磨きのくせや日頃の食生活などむし歯に関わることを確かめます。

② 専門の道具を使って、歯の掃除のプロである歯科衛生士が歯をピカピカに磨きます。普段取り切れない汚れや歯垢などをキレイサッパリ取り除き、むし歯にかかりにくい歯にしていきます。

③ 普段ご家庭でお使いのフッ素入り歯磨きペーストより、高濃度のフッ素を使って歯をむし歯から守ります。

歯がツルツルとして、非常に気持ちのいいものです。もちろん痛みなどまったくありません。 ご家庭でのむし歯予防と、このむし歯予防のプロによる定期的な予防は両輪の輪です。 どちらが欠けても、確実なむし歯予防は成り立ちません。 キレイになって、さらにむし歯予防になって、ワクワクしながらお受けください。

おわりに 14/14P

今までは歯科医院があなたにとって、できれば敬遠したくなる場所であったと思います。 怖くてストレスのたまるところであったと思います。
しかし私の理想の歯科医院は違います。歯科医院を「治療」ではなく、「予防」としてご利用いただき、「キレイになって嬉しい」「行くのが楽しい」と感じていただく、それが私の理想です。

むし歯予防って思っていたより簡単でしょう?簡単でも効果は抜群です。 この小冊子をお読みのあなたは、現在通院中の患者さんでしょうか? それともどこかで偶然にこの小冊子を手にされたのでしょうか?
この小冊子は色々な方々にお読みいただけるように書いたつもりです。 この小冊子をお読みになって、たくさんのあなたがむし歯のない快適な生活をお送りいただけたら幸いです。
そのために、歯医者さんに「歯を守りに来ました」とお電話ください。 あなたの歯医者さんは喜んでお約束くださるでしょう。