ロイテリ菌と虫歯・歯周病
ではどうして虫歯や歯周病になる人とならない人が存在するのでしょうか?
それに関わるものは生活環境や遺伝的要素などですが、努力して変えられるのは生活環境だけです。しかし生活環境だけの改善でもかなりの改善効果が認められていますので、この後でどうすると有利に働くのかをお話ししたいと思います。
目次
免疫力と菌バランスが重要
人は有史以来、様々な細菌など微生物と共生して生きてきました。腸内細菌の助けによって食べたものを消化し栄養を吸収する、常在菌の助けによって皮膚や粘膜を外来細菌から守る、などお互いに助け合う共生の力なくして、人は健康に暮らしていけない存在なのです。
綺麗好きの日本人は抗菌、除菌、殺菌と菌を目の敵にしていますが、このように人の身体には必要な菌があることと、細菌との接触を一切断ってしまえば将来襲いかかるかもしれない外来菌への抵抗、すなわち免疫の獲得ができなくなります。
一生涯細菌との接触を断つことは現実的に不可能なので、細菌に打ち勝つ力を前もってつけておくこの免疫の力と共に、身体の中の悪玉菌を減らして菌バランスを有利にしておけば多少の外来菌の侵入で一気に不健康に傾くことも避けやすくなります。
キーワードは「免疫力」と「菌バランス」です。
一般的な虫歯や歯周病治療と予防とは
薬や消毒が体に必要な善玉菌まで殺した上に、繁殖力の強い細菌が増え、悪玉菌や虫歯菌、歯周病菌を継続して減らすことができない現状に諦めるのはまだ早いのです。
発病する人としない人の違いの一つは、発病する人では悪さをする菌の絶対量や全体の菌に占める悪さをする菌の比率が高い傾向にあることです。菌バランスが不利なのです。
そのため現在の一般的な歯科治療は、虫歯の治療で虫歯菌もろとも感染した歯の部分を削り取り、虫歯の予防は歯磨きなどで虫歯菌の栄養源となる食べかすを取り除くのが原則です。どちらも口の中から虫歯菌の絶対量を少なくする方法です。
歯周病の治療は歯にこびりついた細菌の塊を取り除く、また細菌と闘うために起きた炎症を薬で軽減する、歯周病の予防は歯磨きなどで食べかすを取り除き歯周病菌に栄養を与えず弱体化と増殖を抑える方法がとられています。原因となる菌は違っても虫歯と同じく原因菌の絶対量の減少が基本になっています。ですが残念ながら菌バランスを改善するまでには至っていません。
免疫力と菌バランスで虫歯や歯周病と闘う
一般的な歯科治療や予防で原因菌の絶対数を減らすことでかなりの成果が期待できますが、体質的な問題や生活環境の問題、疲労などネガティブ要因による免疫力低下などが引き金となって原因菌が活発になることがあります。そこで重要になってくるのが「菌バランス」です。
「ロイテリ菌(善玉菌)で悪玉菌と闘う」で述べたように口の中には口腔内フローラと呼ばれる様々な細菌の集合体があります。善玉菌、条件によって善玉側にも悪玉側にもなる日和見菌、悪玉菌の集合体です。健康な状態では悪玉菌は少数派で大半を日和見菌が占めていますが、先ほど述べた引き金により口腔内フローラの菌バランスが悪玉菌側に傾くと発病しやすくなり、さらにそうした時に生活環境の変化などにより菌の絶対量が増えると一気に加速されます。日々生活していると生活や体力、免疫力にもバイオリズム変動がありますので、日頃から有利な菌バランスを獲得しておくことが予防面で大切になってきます。
この免疫力と有利な菌バランスの獲得に働くのが、「ロイテリ菌とは」でお話ししたプロバイオティクスを用いたバクテリアセラピーです。プロバイオティクスには多種多様のものがありますが、体の免疫力アップ効果がありさらに虫歯と歯周病予防に十分な研究と実績があるロイテリ菌の力を借りる方法がお勧めです。
ロイテリ菌と虫歯・歯周病
ロイテリ菌は免疫の要と言われている腸内環境を改善するため、免疫力増進が期待できます。細菌感染症である虫歯と歯周病に対しても免疫力アップは有利です。さらにロイテリ菌摂取により炎症に関わるTNF-α抑制が起こり歯周病に有効であることが確認されており、また広島大学歯学部の研究ではロイテリ菌摂取により虫歯原因菌であるS. mutans菌の抑制効果が発表されています。こうした免疫力アップと抗炎症作用、原因菌の抑制が相まって虫歯と歯周病と闘い予防する助けとなるのです。
またロイテリ菌にはいくつかの菌種があり、菌種毎にその効果が異なっています。基本になる菌種17938株はロイテリンという抗生物質を産生するため感染症予防効果があり、5289株は口の中に定着しやすく歯肉炎や歯周炎の炎症抑制に働きます。また6475株は消化管に定着しやすく抗炎症作用や骨密度に有利に働くなど菌種により働きが違います。
虫歯と歯周病予防効果を目的とするのであれば、効果が確認されている株種をお選びいただく必要があります。そして症状により2種類の菌種を配合した商品もあり、状況に合わせて使い分けられています。ロイテリ菌配合のタブレットやヨーグルトが市販されていますが、それぞれ含まれる菌種が異なりますのでご注意ください。
バイオガイヤのタブレットでは、虫歯や歯周病の予防を主目的とするならば口の中に定着しやすい5289株が入ったプロデンティス、骨密度低下予防が主目的ならビタミンD3が添加されているプロテクティスVDか6475株も入っているガストラス、骨密度減少にはオスフォルティスなど、何を目的とするのかでタブレットの種類をお選びになられるといいでしょう。
ロイテリ菌の摂取手段や詳細は「ロイテリ菌とは」を参照ください。
タブレットは夜寝る前に1錠服用するだけですみ、手間や努力もなく良好な腸内環境と口の中の環境が手に入ります。体調がよくなった、ぐっすり寝られるようになったなど思わぬ副産物も一部耳にしますので、ご興味がおありであれば一度お試しになられてみてはいかがでしょうか。
ロイテリ菌にご興味がおありの方は、当院ロイテリ菌ページをご覧ください。
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