50代女性「奥歯の極めて小さな虫歯」保険のプラスチックで歯を削る量を最小限に留めた症例

2023.08.28

治療前

1626治療前

 

治療後

1626治療後

 

治療6年後

1626治療後6年

 

年齢と性別 50代・女性
ご相談内容 検診時に見つかった上顎左右奥歯の小さな虫歯を進行しないうちに治したい
カウンセリング・診断結果 定期歯科健診の際に上顎左右大臼歯(右上6番・左上6番)歯の噛み合わせの溝に初期の虫歯が発生していることがわかりました。(治療前の写真の黒い点)
虫歯が初期のためシミや痛みなどの症状はない状態です。状況から虫歯の広がりは大きくないことが予想されましたが、放置すれば虫歯は進行する可能性があります。また小さい虫歯のうちに治療をすれば歯を削る量を抑えることができます。
行ったご提案・治療内容 奥歯は硬いものでも噛み砕くことが仕事であるため、かなり強い力が長期間繰り返しかかります。そのため奥歯の噛み合わせ部分の虫歯の修復は丈夫で耐久性が必要で一般的には金属やセラミックが用いられ、強度の弱いプラスチックは不向きです。
しかし今回の虫歯が小さく限局的であるため、噛む力の大半は残った歯質で負担することができると判断したため、虫歯だけを小さく削り保険のプラスチックを詰めることをお勧めしました。
その理由は歯を削る量を虫歯だけに限局し最小限に抑えることができることと、噛む力の大半が歯に当たりプラスチックには強く当たらないことが予想されたため、プラスチックの弱点がかなり小さくなるためです。当日虫歯だけ染まる薬液で虫歯を染め出しては虫歯だけ削る、また染めては削るを繰り返し、最小限の削りで虫歯を取り除きました。
その後虫歯を削った穴にプラスチックを流し込んで固め、噛み合わせのチェックをして治療は1日で終わりました。(治療後の写真)
治療期間
治療回数 1回
費用目安 保険の一部負担金
術後の経過・現在の様子 症状もなくご自分では気づけない小さいうちに虫歯の進行を止められたメリットは大きいと考えています。
治療後6年が経過していますがプラスチックの面積が狭く大半が歯質のため維持できています。(治療6年後の写真)
治療のリスクについて ・治療後に正しい歯磨きやメンテナンスを怠ると、虫歯が再発する場合があります
・治療後は神経が過敏になっているため、痛みが生じる場合があります
クリニックより 材質の特徴をうまく使って症例によっては保険治療でも不足がないケースもあります。現に最後の写真では治療後6年が経過していますが、問題なく機能しています。
この方は他の歯の治療では強度が必要なケースであったためセラミックをお入れしており、適材適所に留意しています。