50代女性「上顎前歯ブリッジが壊れた」ブリッジをやめてインプラントを入れ、前歯を漂白で白くしセラミックで治療した症例

2023.08.14

治療前

11治療前正面11治療前上顎11治療前PA

 

治療中(インプラント埋入後)

11治療中XP

 

治療後

11治療後正面11治療後上顎11治療後PA

 

治療5年後

治療後5年正面治療後5年上顎11治療後5年PA

 

 

 

 

年齢と性別 50代・女性
ご相談内容 「上顎前歯のブリッジの一部が壊れ、いつ前歯が取れるか不安で仕方ない。外れたら歯が1本ない状態なのでみっともないし、喋ることや食べることに困るので何とかしたい」と来院されました。
すでに失っていた歯は右側の1番前の歯(右上1番)であり、最も目立つ場所でした。(治療前写真)
カウンセリング・診断結果 右上2番と左上1番で支えるブリッジが入っていましたが、右上2番の歯の裏側にあった金属が壊れてなくなっていました。左上1番のまだくっついている金属だけでかろうじて外れるのを止めている状態でした。この状態ではご本人のご不安通りいつ外れてもおかしくありません。
ブリッジを支えていた両隣の歯はほとんど削った跡はなくほぼ健全な歯で、虫歯や歯のぐらつき、歯周病もない状態です。
できるならばこの状態を崩さない方が今後のことを考えると得策です。
行ったご提案・治療内容 入れ歯は避けたいとのご希望がありましたので、この状態での選択肢は2つありご説明とご相談をしました。
第一の治療法は今までと同じブリッジですが、外れてきたことを考慮すると歯をある程度は削って外れにくくする必要があります。
取れにくくするためとはいえ、大きく削るのは忍びないと思いました。
第二の治療法はほぼ健全な歯を生かしてブリッジをやめて失った部分にインプラントを入れる方法です。
歯をなくした場所の骨の状態如何ではインプラントで前歯を回復すれば両隣の歯を削ることなくきれいな歯のまま残すことができます。
さらに失った歯はインプラントが人工歯を支えるため、今回のような取れる心配もほぼなくすことができます。歯を削る必要がないことと今回外れて困惑した経験から、インプラントをご希望されました。インプラントが可能か否か、またどの位置にどの角度で入れれば最もいいかを審査するため最終的な人工歯の外見を映しこんだCTを撮影しました。検査結果を元に治療の詳細な計画を立てご説明とお見積りをいたしましした。ご了解が得られたのでインプラント手術と術後管理を行い、骨とインプラントがくっつくのを3か月待ちました。治療途中ブリッジが外れたままでは外見上の問題があるため、両隣の歯に仮の歯を接着しました。(治療中・インプラント埋入後の写真)その後歯茎の下に植わっているインプラントと人工歯をつなぐための2回目の簡単な手術を行い、今までとは違うインプラントで支える仮の歯を装着して日常生活の問題がないかを確認しました。
確認が取れたのちに歯型をお取りして最終的なセラミック人工歯(カタナ)を装着して治療が終了になりました。(治療後の写真)

確認期間中に口元を白く明るくきれいにされたいとのご希望により最終的なセラミックを作製する前にオフィスホワイトニング(院内で行うホワイトニング)を行い他の歯を白くしてからその色に合わせたセラミックを作りました。その結果、治療前の前歯の色より口元が一段階白くなり若々しさと清潔感が向上しました。
これとは逆にセラミック作製後にホワイトニングをすると、セラミックはホワイトニングで白くならないため他の歯との色調の調和が取れなくなるので注意が必要です。

治療期間 約6か月
治療回数
費用目安 434,020円(インプラントと仮歯を含めて)
21,600円(オフィスホワイトニング)
術後の経過・現在の様子 またブリッジが外れるのではないかとの不安もなく、口元が白くきれいになったとお喜びしただけました。仮の歯でお互いに確認しながら最終のセラミックに反映させましたので、外見上の問題もなく発音や咀嚼など機能的な問題もありませんでした。

ご自身の歯にも大切ですが、インプラントは歯より感染に弱い傾向にあるため当院では 定期的メンテナンスで感染予防にお越しになることを手術の条件としています。
治療後は6か月ごとの定期歯科検診と3か月ごとのメンテナンスにお通いになられてこの状態を維持されていらっしゃいます。

治療のリスクについて ・外科手術のため、術後に痛みや腫れ、違和感を伴います
・メンテナンスを怠ったり、喫煙したりすると、お口の中に大きな悪影響を及ぼし、インプラント周囲炎等にかかる可能性があります。
・糖尿病、肝硬変、心臓病などの持病をお持ちの場合、インプラント治療ができない可能性があり、高血圧、貧血・不整脈などの持病をお持ちの場合、インプラント治療後に治癒不全を招く可能性があります。
・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります
クリニックより 治療前のブリッジの歯と歯茎ラインよりインプラント治療後の方がラインに合っており(隣の歯の長さとの違いがないこと)自然にみえます。またホワイトニングによりご自身の歯を白くされた状態に人工歯の色を合わせたため、口元が調和したうえに白く清潔感が向上したと考えています。

前歯のインプラントは奥歯と違った難しさがあります。目立つ場所であるため、どの位置にインプラントが植わったかによって人工歯の形や大きさが変わるためです。また隣の歯と歯茎とのラインと一致しないと長い前歯になり審美性を損なうことがあります。今回は最終的な人工歯の外形を先に設定して、それを支えるにはどの位置どの角度にインプラントを入れるのが最も綺麗で機能的化を事前に計画していたので治療後の写真のように綺麗で自然な前歯と口元を演出することができました。
今回と違って事前検査で審美的回復が困難なことが予想される場合は、ブリッジによる回復の方が審美的なケースもあります。事前のシミュレーションが大切になってきます。

セラミック(カタナ)など詰め物・被せ物の種類や特徴はこちらをご参照ください。
インプラントの詳細は下記をご覧ください。
インプラントとは
インプラントの種類
インプラント治療を受けられない人
骨が少なくてもインプラントを受ける方法はあるのか
インプラントと天然歯の違い
骨が痩せてしまった場合の将来的なリスク