30代男性「時々前歯の歯茎に異和感がある」歯の根の治療後にセラミックを被せた症例

2023.08.12

治療前

治療前上顎治療前正面治療前レントゲン

 

治療後

治療後上顎治療後正面治療後レントゲン

 

治療後6年

6年後上顎6年後正面

 

年齢と性別 30代・男性
ご相談内容 右上1番前の歯(右上1番)の付け根の歯茎が以前から時々異和感があるとお見えになられました。
カウンセリング・診断結果 電気歯髄診(微細な電気を歯に流し歯の神経が生きているかどうかを調べる検査)で神経が死んでいる数値がでました。レントゲンでは根の先に病巣の黒い影は見えませんが、歯の裏側に深い詰め物がされています。以前に深い虫歯になって治療をお受けになられたのでしょうが、そこから神経まで感染が及んでいる可能性がありました。もしそうであれば死んでしまった神経を取り除き、根の内部の感染治療(根管治療)を歯の存続のため行わなくてはなりませんが、安易に行える治療ではありません。そのため、あえて麻酔なしで詰め物を削っていきました。神経が死んでいれば検査通り無痛であるはずで、知覚があればまだ神経は生きている可能性が残るためです。前年ながら結果はやはり神経が死んでいました。
行ったご提案・治療内容 根管治療を行い根の中の細菌を死滅させこれ以上感染が骨の中まで拡大しないことを第一に行うことをご提案しました。 根管治療後は神経がなくなり強度が弱くなった歯の内部に保険では金属ネジとプラスチックの土台、自己負担では適度のしなりがあって歯が割れにくいグラスファイバー製土台を入れて歯自体の強度を回復した後、歯全体を削って被せもので歯を覆うことで歯が割れにくくなります。 被せものには保険の裏側が銀歯で表側がプラスチックのもの、自己負担になりますが裏側がジルコニアで表側がセラミックの2通りの選択肢をご説明しました。
最も人目に触れる場所の前歯であるため、変色せずきれいな状態が長続きする方法をご希望になったため、セラミックでの治療を選択されました。 身の回りのプラスチックでも同様ですが、プラスチックは期間がたてば傷がつきやすく、変色して経年的に審美性が劣るためです。
根の中の治療(根管治療)を5回(1か月)行い根の内部の消毒を続け、細菌が検出されなくなった時点で根の内部をゴム質の薬剤で緊密に封鎖し再感染を予防しました。その後問題がないことを確認後歯の内部にグラスファイバー製土台を入れて被せものに適した形に歯を整え、同日に仮の歯を入れて外見の維持と日常での異和感がないか経過観察を行いました。形態・大きさ・長さなど外見の問題と、日常での使用感の問題がなかったため、歯型を取り、その後最終的なセラミック(カタナ)を歯に接着して治療が終了しました。
治療期間 1か月半
治療回数
費用目安 160,600円(グラスファイバー製土台と仮歯を含めて)
術後の経過・現在の様子 当初あった異和感は根の治療中に解消し、最も目立つ場所の前歯を治療した痕跡がわからないとお喜びいただけました。
治療のリスクについて ・まれに根管治療後も再治療、外科手術、抜歯などの処置が必要となる場合があります
・まれに根管治療後も再治療、外科手術、抜歯などの処置が必要となる場合があります
・治療中や治療後に不快症状が出たり、治療後に痛みや腫れなどが生じたりする可能性があります
・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります
・装着に際し、天然歯を削る必要があります
クリニックより セラミックが入って治療が終了して6年が経過した今も症状だけでなく日常生活上の問題はありません。 また治療終了時の写真と現在の写真の比較でもセラミックの美しさは維持されています。

詳細は下記をご覧ください。
セラミック(カタナ)など詰め物・被せ物の種類や特徴
根の治療(根管治療)の詳細