40代女性「下顎の入れ歯が異物感があり噛みにくく合わない」入れ歯をやめてインプラントで噛める食生活を取り戻された症例
2023.08.19
治療前
治療中
治療後
治療5年後
年齢と性別 | 40代・女性 |
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ご相談内容 | 何度か下顎の入れ歯をお作りになられたそうですが異物感がありまた噛みづらく合わないため他にどんな治療法があるのかを知りたいとお見えになられました。(治療前写真) |
カウンセリング・診断結果 | 上顎は天然歯がすべて残っており下顎だけ奥歯が左右で5本失っています。現時点でも上下の噛む能力のバランスが悪い上に、仮に下顎の一番奥の歯を失うと現在の入れ歯よりもっと噛めなくなり使用感も劣ることが容易に想像できます。今の入れ歯に対してご不満がおありなのですから、そうなればもっと日常生活のご不満は大きくなってしまいます。 こうした今と将来の問題を解決するには、今ある歯を長持ちさせたうえで今の入れ歯より噛めて使用感のいいものを考えなくてはなりません。 |
行ったご提案・治療内容 | すでに失った下顎の歯5本の代わりに4本のインプラントを入れて入れ歯をなくし、噛める日常を取り戻す方法があることをご説明しました。 入れ歯を長期間装着しておられた方にはあごの骨が痩せている傾向にあります。そのため丈夫で長持ちする太く長いインプラントは無理ですが、左右2本づつインプラントをつなげることで丈夫さと強度が得られると判断しました。 異物感と存在感のある入れ歯を入れないで食生活を送れるメリット、そして噛む能力の飛躍的な向上も得ることができます。 入れ歯で長年苦労されてこられたことが解消し、噛めることや異物感、使用感の向上につながるのであればとインプラントを選択されました。 またこの機会に口の中から金属を一掃したいとのご希望もありました。 歯を段々と失う度に噛み合わせが変化することがよくあります。今回上下の多くの奥歯の治療が予定されたため、この変化を修正して以前の噛み合わせを取り戻すチャンスでもありました。 最初にインプラント治療が可能かどうか判断するためのCT撮影などの検査を行いました。検査に基づき左右片方ずつインプラント手術を行うことで治療中も片側では噛める状態を保ちました。 インプラントと骨がくっつく2-3か月の期間を利用して他の歯の仮の歯までの治療に着手していき、最終的にインプラント部も含めた治療予定全ての歯が仮歯になった状態で上下左右の噛み合わせの修正を行い、咀嚼も含めた日常生活上の問題がないか確認しました。治療予定の全ての歯を仮歯にした理由は全体的な観点から問題点があれば修正ができるためです。一部分ずつ最終的な人工歯を装着する方法は仮歯が取れる・壊れるなどのトラブルは少なくなりますが、今の噛み合わせの修正はできなくなるからです。また治療予定全ての歯を仮歯にする方法は患者さんにとって治療ゴールを疑似体験でき納得が得やすいメリットもあります。こうして問題点を一つずつつぶしていき、最終的な噛み合わせと外見的、咀嚼面のお手本を仮歯で再現するのです。お互いの納得のために当院は大切なプロセスだと考えています。後は出来上がったお手本の仮歯に合わせて最終的な人工歯を装着して治療は終了しました。 |
治療期間 | 約1年半 |
治療回数 | |
費用目安 | 1,981,070円(インプラント4本と人工歯10本) |
術後の経過・現在の様子 | インプラントにより入れ歯を入れる必要がなくなり、入れ歯の下や周囲に食べ物がつまることや異物感から解放されました。そして入れ歯より圧倒的に噛める能力が高く、日々の食生活の質の向上が得られることもメリットです。 |
治療のリスクについて | ・外科手術のため、術後に痛みや腫れ、違和感を伴います ・メンテナンスを怠ったり、喫煙したりすると、お口の中に大きな悪影響を及ぼし、インプラント周囲炎等にかかる可能性があります。 ・糖尿病、肝硬変、心臓病などの持病をお持ちの場合、インプラント治療ができない可能性があり、高血圧、貧血・不整脈などの持病をお持ちの場合、インプラント治療後に治癒不全を招く可能性があります。 ・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります |
クリニックより | 全ての治療が終了して5年が経過していますが、咀嚼や外見も含めて問題はみられません。この間は定期的な歯科検診とメンテナンスで維持されています。 歯を悪くし失くされた経緯から、昔に戻りたくない思いがベースにあおりのため、日々のお手入れと面倒でも健診とメンテナンスに出かける努力が今の快適さを維持できていると考えています。 |
セラミック(カタナ)ジルコニアなど詰め物・被せ物の種類や特徴はこちらをご参照ください。
インプラントの詳細は下記をご覧ください。
・インプラントとは
・インプラントの種類
・インプラント治療を受けられない人
・骨が少なくてもインプラントを受ける方法はあるのか
・インプラントと天然歯の違い
・骨が痩せてしまった場合の将来的なリスク