50代女性「歯並びが悪い歯に詰めたプラスチックが欠けて虫歯になった」白いジルコニアで歯を削る量を最小限にした症例

2023.09.25

治療前

治療前治療前レントゲン

 

治療後

 

治療後

 

年齢と性別 30代・女性
ご相談内容 痛みやシミなどの症状はありませんでいたが、定期歯科検診の際に左上の小臼歯(左上5番)に小さな虫歯が見つかりました。
カウンセリング・診断結果 以前の虫歯の治療でプラスチックが入っていましたがそれが欠けたことが虫歯の原因でした。歯並びが悪い場所であるため食べ物が詰まりやすいことも災いでした。治療前の写真では表面的にはプラスチックが入っているように見えないと思いますが、レントゲンで奥歯との間に白い詰め物(プラスチック)が入っているのがお分かりいただけるでしょうか。またレントゲンでは白く写っているプラスチックの脇に黒く写っている部分があり、さらに虫歯が疑われる状態です。
このまま放置すれば虫歯が進行するため、虫歯の除去と食べ物がつならないように治療する必要があります。
行ったご提案・治療内容 プラスチックは治療が簡単で色調もそう悪くないため一見よさそうに見えることでしょうが、奥歯治療に使うには強度が弱く今回のように欠けて虫歯になりやすい問題があります。できれば耐久性のある材料が望まれます。
金属を用いた治療は避けたいとのご希望により、治療選択肢として3通りの方法をご説明いたしました。
第一は現状と同じ保険のプラスチックです。強度と耐久性の問題はありますが、費用を抑えることはできます。
第二はジルコニアです。色調が歯と異なる白さであり自己負担がありますが、耐久性と強度は申し分ありません。そして費用負担の少ない簡易的なジルコニアと治療精度が高く虫歯予防に有利な通常のジルコニアがあります。
第三はセラミックです。他の選択肢より多少歯を削る量が増えることと費用はかかりますが、強度等の問題はなくさらに色調が歯にマッチして治療の跡がわかりにくくなるほどの審美性があります。
こうした特徴とメリット・デメリットをご説明したところ、簡易的なジルコニアインレー(詰め物)をご希望になられました。治療当日に虫歯と以前のプラスチックの詰め物を取り除き、歯型をお取りした後に仮の歯をお入れしました。次のご予約でジルコニアインレーを接着して治療は終了となりました。(治療後の写真)
治療期間
治療回数 2回
費用目安 47,040円(仮歯を含めて)
術後の経過・現在の様子 治療後は食事のたびに詰まる不快感はなくなり食べることが億劫になっていたことから解放されました。
治療後も今まで通り定期歯科健診をお受けになられて異常があれば処初期段階で病気の進行を止めて歯を末永く維持されることをご希望されています。
治療のリスクについて ・治療中に痛みを伴う場合があります
・治療後に正しい歯磨きやメンテナンスを怠ると、虫歯が再発する場合があります
・治療後は神経が過敏になっているため、痛みが生じる場合があります
クリニックより 治療前と治療後の写真を比較すると、術前のプラスチックの方が色調は良く、強度と耐久性が優れていてもジルコニアは白っぽく見えます。強度等を満たしながら歯と同じ色調を望めばガラスセラミックが有利ですが、上の奥歯に近い歯であるため、人目に触れづらく許容でき、メリットの方が大きいとのお話でした。

ジルコニアなど詰め物・被せ物の種類や特徴はこちらをご参照ください。