50代女性「1か月前から右下奥歯に違和感があり、歯磨き後にジンジンする」ジルコニアで治療した症例

2023.10.17

 

治療前

治療前

治療前(右下7番のヒビ)

治療前47

治療後

治療後

年齢と性別 50代・女性
ご相談内容 1か月前から右下奥歯に違和感があり、歯磨き後に頬側がジンジンするとお見えになられました。
カウンセリング・診断結果 拝見すると右下7番の頬側に縦にヒビが見つかりました。ご本人には自覚はありませんが噛みしめ癖があるご様子で、歯にヒビが入って症状が出ている可能性が考えられます。(治療前右下7番の写真)
また左下奥歯(左下7番)に詰めてあるプラスチックが噛みしめ癖等の慢性的な噛む力で異常な摩耗を起こしており、歯を守る役割のあるエナメル質が削れてなくなり内部の弱い象牙質が露出しているため歯の噛む面が少し茶系の色をしています。現時点では症状はありませんがいずれ虫歯や右下と同様の症状が出る可能性があると判断しました。(治療前の写真)
行ったご提案・治療内容 右下7番のヒビがどこまで進んでいるかによりお勧めする処置が変わってきます。現在見える範囲内で治まっており、かつ深さが浅ければ現在の銀歯を外しヒビ部分を含んだ形の詰め物に入れ替えるだけで済みます。しかし歯の内部まで深くヒビが進行したり、歯の根の方までヒビが拡大していれば場合によっては抜歯も検討しなくてはなりません。そのため一度銀歯を外しヒビ部分を含んだ形に歯を整形してみて、ヒビの深さと広がりを実際に見てみることをご提案しました。
左下7番は現在詰まっているプラスチックを取り除き、噛む力に耐える耐久性のある詰め物に入れ替えれば将来が安心です。こうした治療方針をご説明いたしました。方針のご理解とご納得が得られましたので、最初に右下7番の処置を行いました。幸いにもヒビは見えている部分に限局しており詰め物を作り直すことで済むことが判明しました。
ヒビの原因が噛みしめ癖等の過剰な力を慢性的に歯にかけておられることが主原因であり、さらに銀歯が歯より硬いため他の歯の摩耗に追随していかず歯に強い力がかかりやすいことも副因としてあることをご説明したところ、入れ替える左右の奥歯の詰め物は銀歯ではなくジルコニアをご希望されました。噛みしめ癖の懸念があるため適度な硬さと耐久性がある金合金もご紹介しましたが、色合いの観点からご希望されませんでした。右下7番の歯型を取り、次のご予約で歯にジルコニアを接着しました。その後左下7番も同じ工程で治療し左右2本の治療が終了しました。(治療後の写真)
治療期間
治療回数 4回
費用目安 94,080円(仮歯を含む2本)
術後の経過・現在の様子 治療後は当初あった異和感やジンジンする症状もなく食生活や日常の問題はみられません。
治療のリスクについて ・治療中に痛みを伴う場合があります
・治療後に正しい歯磨きやメンテナンスを怠ると、虫歯が再発する場合があります
・治療後は神経が過敏になっているため、痛みが生じる場合があります
クリニックより 食いしばりや噛みしめ癖による弊害を日々の臨床でよく目にします。この無意識の行為のコントロールは難しく、癖の改善には忍耐が必要になります。同時に夜間歯を守るためにナイトガード(マウスピース)の装着をお勧めしています。

治療中は仮の歯であるため取れたり壊れやすいため、しっかり食事ができる側(左か右)を残し左右別々に治療しました。そのため来院回数が少し多くなっています。

ジルコニアなど詰め物・被せ物の種類や特徴はこちらをご参照ください。