50代女性「詰め物がとれた」神経を取らずに虫歯除去し、セラミックを詰めた症例

2023.10.18

治療前

 

治療前

治療半年後

 

治療後半年

治療2年半後

 

2年半後

年齢と性別 50代・女性
ご相談内容 左下の歯(左下7番)の詰め物がとれたとお見えになられました。
カウンセリング・診断結果 拝見すると左下7番に詰めてあった銀歯が外れており、銀歯が入っていた部分に虫歯がありました。(治療前の写真の黒く写る部分)
レントゲンから虫歯の深さがあり神経近くまで進行している可能性がある状況です。
虫歯の進行を止めるため虫歯除去後に現状は弱い歯質が露出しているため詰め物で弱い歯質を覆ってあげる必要があると判断しました。
行ったご提案・治療内容 虫歯除去後に詰める選択肢には、保険の範囲内である今までと同じ銀歯とプラスチック、自己負担の金合金、ジルコニア、セラミックがあり、それぞれの特徴をご説明しました。
強度と耐久性が劣るプラスチック、再度虫歯になるリスクから銀歯は避けたいとのお考えから、自己負担のものの中からどれがご自身にとって最適かとご相談を受けました。
完璧なものはご自身の歯だけで、人工的なものには歯には何らかの及ばない項目が選択肢によって異なりますが存在します。金合金は治療精度がよく虫歯予防には最適ですが見た目がよくありません。ジルコニアはセラミックより強度がありますが白いとは言っても色調が歯とは異なります。セラミックは費用がかかりますがジルコニアより治療精度がよく色調が自然で美しい面があります。一般的にセラミックはジルコニアより強度面から若干削る量が増えますが、すでに銀歯を入れるために歯を削っておられる上に今回さらに虫歯を削らなくてはなりませんので、歯をセラミックのために歯を削る必要がありません。まだお若い女性であることを考えればセラミックが一番デメリットが少ないと考えました。このご説明に同意をいただけましたので、初日は虫歯除去と虫歯が深かったため神経を取ることを避ける目的で抗生物質を用いた除菌治療を行い、仮の歯をお入れして次回まで経過を観察しました。痛み等の問題はなく経過良好のため次回のご予約で歯型を取り、その後にセラミック(e-Max)を歯に接着して治療は終了しました。
治療期間 約1か月
治療回数
費用目安 108,960円(除菌治療と仮歯を含む)
術後の経過・現在の様子 治療後も痛み等の問題、食生活や日常の問題はみられません。銀歯が白い歯になったとお喜びいただけました。
治療のリスクについて ・神経が感染していた場合には将来痛みが発生して神経を取る治療が必要になることが稀にあります
・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります
・装着に際し、天然歯を削る必要があります
クリニックより 除菌治療には治療リスクがあります。治療時点ですでに神経が感染を起こしている可能性が否定できないからです。感染の有無を現時点で判断する方法がないため、神経を取ることを避けるという大きな目的のために致し方ないリスクとお考え下さい。
治療後半年の写真や2年後の写真を見ても変化は見られず、また痛み等の問題もなく順調に推移しています。今後も経過観察を続けて見守っていきたいと考えています。

詳細は下記をご覧ください。
神経を取らない虫歯の除菌治療
セラミック(e-max)など詰め物・被せ物の種類や特徴