60代男性「銀歯ブリッジを白い歯に入れ替えたい」セラミックで治療した20年間の症例

2023.10.15

治療前

ブリッジ治療前治療前レントゲン
左上奥歯の銀歯ブリッジを白い歯に入れ替えたいとお見えになられた当時60代男性の方です。

1回目治療後

1回目治療後
金属フレームの上にセラミックを焼き付けたブリッジをお入れして1回目の治療が終了しました。

2回目治療前

2回目治療前2回目治療前レントゲン
1回目の治療から19年目に左上7番(ブリッジを支えている歯)に虫歯があることが歯科健診でわかりました。
歯の内部の神経にまで虫歯が到達していることがレントゲンから想像できます。
そして左上8番に以前詰まっていた銀歯の詰め物が取れた状態でした。

2回目治療中(根管治療)

根管治療前根管治療後
ブリッジを切断・除去し歯の内部の神経まで進行した細菌感染の治療(根管治療)を行いました。
最初のレントゲンが根管治療前、後のレントゲンが治療後です。

2回目治療後

2回目治療後
以前と同じようにブリッジをご希望されたため、今回は金属ベースではなくジルコニアベースのセラミックブリッジをお入れしました。
また取れていた左上8番の詰め物も金合金で作り直しました。

2回目治療1年後

2回目治療1年後
2回目治療から1年が経過した現在の状態です。
今後も検診とメンテナンスで維持して参りたいと考えております。

 

年齢と性別 60代・男性
ご相談内容 左上奥歯の銀歯ブリッジを白い歯に入れ替えたいとご相談を受けました。
カウンセリング・診断結果 拝見すると左上の奥歯(左上4・5・6・7番)に4番7番を支えにした4本の銀歯ブリッジ が入っていました。銀歯と歯の境目に不適合はあるものの顕著な虫歯や歯周病はありませんでした。現時点ではその境目の不適合部に大きな問題はなくとも、食べかすやプラークがその境目に残りやすく、将来的な不安は残るためご希望もあり再製作するメリットはあると判断しました。(治療前レントゲン)
行ったご提案・治療内容 レントゲンから神経がある歯であることがわかります。神経があるため丈夫ではあっても、4本分を2本で支えるブリッジは支える2本への負担がこれから先も掛かり続けるため、歯のない場所にインプラントを入れて力の分散を行い、支えの歯への負担軽減をする方が有利であることをご説明いたしました。しかし外科的治療や治療期間がかかることから現状と同じブリッジをご希望されました。
白い歯をご希望のためセラミックを用いたブリッジを検討しました。4本が一体化したブリッジにはそれなりの強度が必要ですのでセラミック単独では不可能です。そのため金属フレームを用いて丈夫にした上にセラミックを焼き付けて白い歯を実現するメタルボンドをご提案しました。治療計画をご提示しご了承されましたので、銀歯ブリッジを外し仮の歯に置き換えました。仮歯での日常生活において問題が見られなかったため、歯型をお取りし、次のご予約でメタルボンド(内部が金属で表面がセラミック)ブリッジを歯に接着して治療が終了しました。治療が終了してから19年目に左上7番に虫歯があることが健診にお見えなられた時に判明しました。左上8番に詰まっていた詰め物が取れたまま放置しておられたため、7番と8番の間に食べ物が詰まりやすくなりできた虫歯だと判断しました。レントゲンにはご自身の歯に黒く写っている虫歯が写っています。(2回目の治療前)
痛みやしみる症状は顕著ではありませんでしたが治療が必要でした。治療のためには4本がつながったブリッジのためこの歯1本の治療であっても全体を壊して取り除く必要があり、また虫歯の進行状態によっては歯の内部の治療(根管治療)が必要になり期間もかかります。現状のご説明をしたところ、治療をご希望になられたためブリッジを壊して取り外しました。その時のレントゲンでは虫歯はかなり進行しており、根の内部の治療(根管治療)が必要な状態でした。(2回目の治療中レントゲン写真)
根の治療後グラスファイバー製土台を入れて補強し、仮の歯をお入れしました。1回目の治療時にもご相談しましたが、今回も同じセラミックのブリッジをご希望になられました。仮の歯のブリッジで経過観察を行い、問題が見られなかったため歯型をお取りし、次のご予約でセラミック(カタナ)ブリッジを歯に接着して治療は終了しました。(2回目治療後の写真)
治療期間 1回目の治療約1ヶ月
2回目の治療約5ヶ月
治療回数
費用目安 1回目の治療460,800円(仮歯を含む4本)
2回目の治療564,080円(グラスファイバー製土台1本と仮歯を含む4本)
術後の経過・現在の様子 治療後は食べ物が詰まらなくなり、1回目の治療から20年、2回目の治療から1年が経過していますが異和感など食生活や日常の問題はみられません。
治療のリスクについて ・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります
・装着に際し、天然歯を削る必要があります
クリニックより 左上8番の詰め物が外れなければ、また外れても早期に治療をお受けになられていれば最初のブリッジは使用年数19年をさらに更新できたことでしょう。歯もブリッジももったいないと感じました。
食べ物が詰まれば取り除けばいいと安易にお考えにならず、詰まる場所は虫歯以外でも歯周病になることもありますので詰まらないように治療をお受けになられることをお勧めいたします。

セラミック(カタナ)など詰め物・被せ物の種類や特徴はこちらをご参照ください。