70代男性「奥歯の保険の入れ歯が合わない」歯にかける針金がない審美義歯(ノンクラスプ義歯)をお入れした症例

2023.10.14

治療前

治療前U治療前L治療前F

 

治療中

治療中U治療中L治療中F

 

治療1年後

治療後U治療後L治療後F

 

年齢と性別 70代・男性
ご相談内容 右上奥歯に入れている保険の入れ歯が合わず、見た目も悪い。下の前歯が自然に抜けてその隣の下の前歯がぐらつき噛めないとお越しになられました。左下奥歯にすでに入っている審美義歯ノンクラスプ義歯)の具合がよく、入れ歯を作るなら今度も審美義歯にされたいとのご希望がありました。(治療前写真)
カウンセリング・診断結果 拝見すると右上奥歯(右上5・6・7番)に入っている入れ歯の安定が悪く、入れ歯を安定させるために手前の歯に針金を引っ掛ける構造になっていました。お体の状態からインプラントができないため、咀嚼のために入れ歯が必要です。
気になっておられる針金の異物感と審美不良、入れ歯の大きさやあごの粘膜との適合性など改善できる箇所があると判断しました。
行ったご提案・治療内容 最初に歯磨きなどお口の中の清掃方法のご説明と歯周病の初期治療を行い、並行して保存不可能である下の前歯(左下1番)を抜歯し、それらが改善した時点で上下の審美義歯を作製する治療方針をご提案しました。

審美義歯の欠点として現在の左下の審美義歯の修理が材質上できないため、下には新しい入れ歯が必要になります。失った前歯2本だけの入れ歯を作ることも可能ですが、安定が悪くなることと下に2つの入れ歯を入れなければならなくなる毎日の不便さからご相談の上、下の奥歯と前歯をつなげた一つの入れ歯をお作りすることに決まりました。

左下1番を抜歯し1か月ほど経って傷が癒えた時点で上下の入れ歯の歯型をお取りしました。(治療中写真)次のご予約で噛み合わせの記録、その次のご予約で作製前の入れ歯を合わせて問題がなかったため、翌回に出来上がった入れ歯をお入れして治療は終了しました。

治療期間 約5か月(抜歯、歯周病治療期間を含む)
治療回数
費用目安 2200,000円(上下の入れ歯)
術後の経過・現在の様子 ご希望であった入れ歯の見た目が改善したことや、安定が悪く不具合を感じておられた上の入れ歯も具合がよくなったとお喜びいただけました。治療後は咀嚼などの食生活や日常の問題はみられません。
治療のリスクについて ・着脱式のため、食後の清掃が必要です・最初のうちは異物感があり、慣れるまで時間がかかる場合があります
・当初は入れ歯の裏側の粘膜に傷ができる場合があります
クリニックより 最後の写真は治療後1年が経過した状態ですが、治療直後と咀嚼、装着感などの変化は見られません。ご高齢であり毎日の清掃が難しい問題があり、歯周病コントロールを現在もご一緒に行わせていただいています。

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