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20代女性「左下の銀歯がとれた。銀歯を少しずつ白い歯に替えていきたい」9年間で12本の歯をプラスチックやジルコニアで治療した症例

2023.11.20

治療前1(左下7番の銀歯脱落)

ジルコニア治療前上顎ジルコニア治療前下顎

治療前2(左上5番銀歯脱落)

1回目治療後上顎1回目治療後下顎

治療後3(右下7番銀歯脱落、左上6番にジルコニア)

治療後2上顎ジルコニア治療後2下顎

治療後4(左下6番にプラスチック)

治療4後上顎治療4後下顎プラスチック

治療後5(左下6・7番にジルコニア)

治療5上顎治療5下顎

治療後6(ジルコニア7本)

ジルコニア治療6上顎ジルコニア治療6下顎

治療7後(右下6番にジルコニア)

ジルコニア治療7上顎ジルコニア治療7下顎

 

年齢と性別 20代・女性
ご相談内容 左下奥歯(左下7番)の銀歯詰め物がとれた。銀歯を少しずつ白い歯に替えていきたいとお見えになられました。
カウンセリング・診断結果 拝見すると詰め物がとれた左下7番には白いセメントが残っているものの虫歯はなくきれいな状態でした。とれた詰め物をなくされていたため、何らかの材料を詰めて歯を守る必要があると判断しました。(治療前1の写真)
行ったご提案・治療内容
  1. とれた場所を詰める方法には今までと同じ銀歯、保険のプラスチック、金合金、ジルコニア、セラミックがあります。噛みしめ癖があるため強い力に耐える材質が必要であることと、虫歯予防の観点から、理想は金合金です。しかしご本人のご希望は白い詰め物がご希望です。
    白い詰め物の中ではプラスチックは費用負担は最小限ですが強度が弱く耐久性がないこと、ジルコニアは強度的に十分でも色調が歯とは異なる白さであること、セラミックの色調は申し分ありませんが食いしばりや噛みしめ癖がおありの方はたまに欠ける懸念があります。それぞれの特徴とメリット・デメリットをご説明しました。ご相談の結果保険のプラスチックをご希望になられたため、当日にプラスチックを詰めて治療は終了しました。
  2. 9か月後に今度は、左上の歯(左上5番)の銀歯詰め物がとれたとお見えになられました。詰め物がとれた左上5番には虫歯はなくきれいな状態でした。
    以前の取れる前の写真を見ると小さな銀歯の詰め物が入っていたことがわかります。(治療前1と2の写真)
    白い詰め物である保険のプラスチックをご希望されお詰めしました。
  3. その4か月後に今度は右下7番の銀歯の詰め物がとれたとお見えになられました。以前と同じように治療法のご説明後にとれた銀歯をつけ直すことをご希望されましたのでセメント接着いたしました。度重なる銀歯の脱落とも関係していると思われる食いしばりや噛みしめ癖がおありで、歯のすり減りが目立ったためナイトガード(マウスピース)の装着をお勧めしました。
    その時に左上6番の銀歯が目立つので白い歯に入れ替えたいとのご希望があり、硬いものでもかみ砕く仕事をする奥歯の被せ物をプラスチックの被せ物でつくることは強度的に、さらに耐久性に問題があるとお話ししたところ、ジルコニアの被せ物をご希望されました。
    銀歯を外して歯型をお取りし当日は仮の歯をお付けしました。次回のご予約時にジルコニアの被せ物を歯に接着して6番の治療が終了しました。(治療3後の写真)
  4. それから6か月後に左下6・7番間にものが詰まり臭いが気になる。フロスが切れたり引っかかるとお見えになられました。以前と同じ選択肢のご説明をいたしました。費用を抑えたいとのご希望からプラスチックを選択されたため、同日プラスチックをお詰めして治療が終了しました。(治療4後の写真)
  5. 3年後に左下6番が冷たいものがしみて臭うとお越しになられました。プラスチックの異常な摩耗と欠けが認められました。以前にプラスチックは強度と耐久性が劣るため極力奥歯のかみ合わせ部分には使用しない方が好ましい、さらに嚙みしめ癖をお持ちのためその問題がさらに大きくなることをご説明した理由がお分かりいただけたようです。
    状況と治療選択肢のご説明後、今回はジルコニアをご希望されました。仮の歯に置き換えて経過を見たところ症状がなくなったので歯型を取り翌回にジルコニアを歯に接着してこの歯の治療が終わりました。
    その時点で噛みしめ癖のため以前にお詰めした隣の左下7番の摩耗が認められたことから、ジルコニアへの詰め替えをご希望されました。同様に歯型をお取りしジツコニアに入れ替えて治療が終了しました。(治療5後の写真)
  6. 6か月後に残った銀歯をジルコニアに入れ替えたいとお見えになられました。
    左上7番、右上6・7番、左下5番、右下4・5・7番を順次ジルコニアに入れ替え、右下6番はご希望でプラスチックを詰めて治療が終了しました。(治療6後の写真)
  7. 11か月後に右下6・7番間に食べ物が詰まりしみるとお越しになられました。噛みしめ癖による強い噛む力によってプラスチックが欠けていました。プラスチックは強度的に弱いことを再度ご説明したところ、この歯もジルコニアに入れ替えて欲しいとのご希望があり、歯型をお取りしジルコニアに入れ替えて治療が終了しました。(治療7後の写真)
治療期間 ①1日 ②1日 ③約3週間 ④1日 ⑤約1ヶ月 ⑥約5か月 ⑦約2週間
治療回数
費用目安 ①保険の一部負担金 ②保険の一部負担金 ③27,110円(仮歯を含む)④保険の一部負担金 ⑤92,120円(仮歯を含む2本) ⑥455,240円+保険の一部負担金(仮歯を含む7本)⑦92,950円(仮歯を含む)
術後の経過・現在の様子 以前からのご希望であった銀歯がお口の中からなくなって白い歯になり、以前に何度か古い銀歯が外れて来院されましたが治療後は外れることはなくなりました。食べ物のつまりや臭い、フロスの問題も見られていません。食生活や日常の問題もみられずしっかりと機能しています。
治療のリスクについて ・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、ジルコニアが割れる可能性があります
・装着に際し、天然歯を削る必要があります
クリニックより 当初は費用を最小限に抑えつつも白い歯に入れ替えたいとのご希望に沿った治療を進めてきました。噛みしめ癖等による歯やプラスチックの摩耗、硬すぎる銀歯の弊害がある中で、ジルコニアを一度体験されたことで9年の歳月の間に多くの歯をジルコニアに入れ替えることになりました。

プラスチックの耐久性に比較するとジルコニアは丈夫ではありますが、形あるもので壊れないものはこの世にありません。特に噛みしめ癖がおありのためジルコニアだけでなく残った歯質の心配はあります。今回のご希望とは離れますが、今回仮に銀歯で治療したならば銀歯は取れることはあっても壊れはしないでしょう。しかし銀歯を接着している歯が欠けたり割れる可能性があります。理想は食いしばり癖をなくすことですがそのコントロールが難しいのが現実である以上、それならやり直しがきく人工の歯が壊れてくれた方が怪我が少ないと考えています。

目標を定めてぶれることなく当初のご希望を9年かけて実現された意志の強さと忍耐力に頭が下がる思いです。今はお口の中から銀歯が一切なくなり、自信を持って喋り・笑い・口を開けられると伺っています。食いしばりや噛みしめ癖がおありのため、就寝時にはナイトガード(マウスピース)を装着されて歯を守っておられます。

ジルコニアなど詰め物・被せ物の種類はこちらをご覧ください。