入れ歯が合わない

お口に合っていない入れ歯では食事が楽しくないし、入れ歯を入れること自体が億劫になります。入れ歯が合わないという言葉をよく耳にしますが、合わないという言葉は噛むと痛い、外れやすいなどのいくつかの不満の総称になっているようです。その不満を個別に見て行きましょう。不満の原因によって対処法が変わってきます。

目次

入れ歯が当たって痛い

入れ歯が当たって痛い症状は、主に三つの原因があります。入れ歯に原因がある場合、口の中に原因がある場合、食いしばり等の悪い習慣に原因がある場合です。
痛みがある場所の入れ歯を削るだけでは解決しないことも多く、痛みのある場所や痛み方、お口の状態などによって痛みを出している根本原因を調べることが大切です。原因によって対処法が異なってきます。
詳細は「入れ歯が当たって痛い」をご覧ください。

入れ歯が外れやすい

入れ歯が外れやすい原因は、部分入れ歯と総入れ歯では異なる場合があります。一般論として簡単に言えば部分入れ歯は残っている歯を支えにしているため、歯に問題がある場合や歯に安定を求めている針金などの部品、またその部品の配置に問題がある可能性があります。総入れ歯は歯茎に吸盤の様にくっつくため、歯茎の形や口の動きに合っていない可能性があります。
その他にも入れ歯の大きさや外形、人工歯の噛み合わせなどが合っていないなど多種多様の原因があり、人によってその原因は様々ですので、お口の中や現在の入れ歯を拝見して原因を特定してその対処法をご提案させていただきます。
また総入れ歯の場合は上顎より下顎の総入れ歯の外れやすさを訴える方を多く拝見します。本来は重力によって上顎の総入れ歯の方が外れやすいものですが、下顎より入れ歯の面積が広いことと入れ歯を外す力が発生しやすい舌などの動く組織が少ないことが有利に働いています。
詳細は「入れ歯が外れやすい」をご覧ください。

入れ歯で噛めない

入れ歯で噛めるためには、人工歯の切れ味が良く、上下顎間の最も噛む力を入れやすい位置(高さ)で上下の歯が噛み合う必要があります。また入れ歯の左右人工歯間の距離も関わっています。
しかし人は歯を失うたびに噛み合わせが狂い、上下のあごの位置が悪い方向に変わってしまいます。ただその変化が緩慢なため今まで気が付かなかっただけなのです。食事の度に動いたり、外れる入れ歯では噛めません。噛める入れ歯にするためには歯を失う前のあごの位置で噛める入れ歯にする必要があります。
詳細は「入れ歯で噛めない」をご覧ください。

入れ歯を入れると気持ちが悪い(吐き気がする)

こうした症状の原因は、入れ歯に問題がある場合と咽頭反射が強い場合があります。入れ歯に問題がある場合は、入れ歯の喉に近い部分の大きさや形がお口に合っていないとこうした症状がでます。人によって気持ちが悪くなる限界位置が異なるため、お口の中を実際に触れながら限界点を探り、その手前までで入れ歯を削り調整する、または入れ歯の厚みを調整する必要があります。
これとは別に舌が入れ歯に触れることで気持ちが悪いケースもあり、これも入れ歯の形や厚みを調整していきます。
こうした問題を発生させないためにも、仮の入れ歯を作製してこの他の色々な問題を含めて修正した後に本物の入れ歯を作る方法をお勧めしています。

入れ歯で喋りにくい

口の中は音を発する楽器のようなものです。入れ歯という今までにない異物が入るため、初めて入れ歯を入れた時には、今まで通りの発音に障害が起こることがあります。この障害が慣れを伴って発音問題がなくなる場合と、入れ歯を修正する必要が出てくる場合があります。入れ歯の噛み合わせの高さやピンク色の歯茎部分の大きさ・形・厚みなどいくつかの原因があります。
どのような発音障害が起きているのか、入れ歯を入れてからどの程度の期間が経過しているのかなどで必要な対応は変わってきます。
詳細は「入れ歯で喋りにくい」をご覧ください。

入れ歯の見た目が悪い

見た目の気になる箇所は個人差があります。そしてお顔や口元、お口の中も人それぞれです。お困りには個別の対応をさせていただいておりますが、よく寄せられるご不満は以下の通りです。
・前歯の口元から見える量や位置の問題
・唇や口元が貧弱で老けて見える問題
・部分入れ歯の針金が目立つ問題
詳細は「入れ歯の見た目が悪い」をご覧ください。

入れ歯が気になる、食べ物がつまる

入れ歯が気になるのはどうしてでしょうか。入れ歯が大き過ぎると感じてその存在感が気になる、食べ物が入れ歯の下に入り込んで気になる、上でお話しした入れ歯の見た目や喋りにくさが悪いため気になる、など個人差があって気になる箇所は様々だと思います。
ここでは入れ歯の大きさと食べ物が入り込むことについてお話しさせていただきます。入れ歯は大きすぎると異物感を感じるため、小さい入れ歯ほどいいと誤解されているきらいがあります。そうしたことにも触れて行きたいと思います。
・入れ歯の大きさはどのように決まるか
・総入れ歯を安定させる方法
・総入れ歯の大きさ
・入れ歯の下に食べ物が入る
・受け入れられる入れ歯にするには
詳細は「入れ歯が気になる、食べ物がつまる」をご覧ください。

入れ歯がガタつく

統計では一般的に入れ歯を長期間使うとあごの土手(入れ歯を支える歯肉)が痩せるという結果がでています。
あごの骨の痩せは統計からみると年平均0.5ミリ、10年に換算すると5ミリにもなります。ですから入れ歯がガタつき、このために数年で合わなくなり、食べかすが入れ歯の内側にたくさん入り込んだりガタガタして、入れ歯が合わないと感じることになります。

実は痩せるのは歯肉ではなく、その下のあごの骨です。かむ力は入れ歯を介して歯茎や骨に伝わります。本来人の体は骨に植わった歯でかむ力を負担する構造にできています。入れ歯を使い歯茎を介して力が加わることを想定してできていないのです。この力が非生理的な力となって段々あごの土手を形作る骨を痩せさせるのです。
そして痩せた(溶けた)骨は二度と元には戻りませんので、どんどん条件の悪い土手や難症例になって入れ歯の満足度も下がる一方になります。さらに休む間もなく土手に力をかける無意識の食いしばり癖は土手の痩せに拍車をかけますのでご注意ください。

同じ統計からみると、新しく作った入れ歯を使わなくなる平均年数は3年で30%、5年で50%となっており、長く使えていないことがわかります。
先ほど述べた骨が痩せることだけでなく、櫛の歯が抜けるみたいにさらに歯が抜けたりして使えなくなるのだと想像されます。こんな代償を払ってまで具合の悪い入れ歯に固執する理由も義理もないと私は思うのですが…

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