ブリッジのメリットとデメリット

ブリッジの構造

ブリッジ
ブリッジは歯を失くした場所の両隣の歯を削ってつながった人工歯を歯に接着して審美面や咀嚼面の改善を行う治療法です。

ブリッジのメリット

治療後1F
・入れ歯の針金がなく見た目がいいこと
・入れ歯の取り外しがなくなり、歯に接着するため動かないこと
・入れ歯の異物感がなくすっきりしているため、発音への影響がほぼありません
・治療期間がインプラントに比べて短期間ですみます
・骨が痩せていても作ることができます(インプラントは骨が痩せるとできない場合があります)
・インプラントに比べて費用が抑えられること(症例と材料によっては保険でも可能)

ブリッジのデメリット

ブリッジ
・構造上両隣の歯を削らないと作ることができません
・歯を失くした場所にかかる力をブリッジを支える歯で肩代わりするため長期の視点では負担になります
・ブリッジを支える歯が丈夫でないと作ることができません
・歯とブリッジの境目を不潔にされると虫歯になりやすいこと
・ブリッジと歯茎の間に若干の隙間ができること(症例によりインプラントでも発生します)
・歯ブラシだけでなく、先ほどの隙間を歯間ブラシで掃除する必要があること
・その隙間は通常ではあまり目立ちませんが、歯茎が相当痩せてしまうと目立つことがあり、また食べた物がつまりやすいこと

ブリッジと歯茎との間の隙間

治療前レントゲン
ブリッジは歯を失くした場所とその前後の歯の3本がつながっているため上部(噛み合わせ側)の隙間はなくなりますが、下部(歯茎側)には隙間が通常は大なり小なり残ります。
製作上その隙間を埋めてしまうことは可能ですが、お勧めはできません。
台風後に橋げたに流木などが引っかかって残っている光景を目にされたことがおありだと存じますが、ブリッジ(英語で橋の意味)にも食べかすが残ります。
そのゴミを掃除するためには歯茎側には歯間ブラシが入るスペース(隙間)が必要になるからです。
このため失くされた歯が前歯など人目に触れやすい箇所はその隙間を可及的に小さくすることはありますが、全くなくしてしまうことは通常は行われておりません。

どんな場合でもブリッジはできる?

ブリッジは失くした歯にかかる負担をブリッジを支える他の歯で負担する構造であるため、一定の設計基準を満たしたものである必要があります。
地震などによる被害を軽減するため一定の強度を満たす必要がある建物の設計基準に似ています。
どこの歯を何本失くされたか、残っている歯の健康状態はどうなのか、歯ぎしりや食いしばりなど通常以上の噛む力が加わる状態なのかなどいくつかの項目を総合して検討する必要があります。このため物理的には製作は可能であっても一定の制約があり、実際にはお口を拝見してお話しさせていただくことになります。

ブリッジの種類

前装冠
健康保険の範囲内のブリッジは前歯は表面がプラスチックで裏側が銀歯、奥歯は銀歯になります。
自己負担のブリッジはセラミック、ジルコニア、金合金などから選択が可能です。
保険範囲内のブリッジはご負担が少ない反面、耐久性や審美性、治療精度が劣る特徴がありますが、全体的な視点からご判断されるといいと思います。
お迷いの方はご相談されるといいでしょう。
詳細は詰め物・被せ物の種類をご覧ください。

ブリッジの選択

治療後5年正面
症例によってメリット・デメリットの大きさが異なり、ブリッジが適している場合やそうでない場合があります。
また現在どんなお困りがあるのか、将来も含めてご自身の歯をどうお考えなのかなど個人のお考えもその決定に大切です。
後戻りができないことですので、正確な情報を元に他の選択肢と比較されながらご検討されることをお勧めいたします。

ブリッジや他の選択肢の詳細は下記の記事をご覧ください。
ブリッジ
入れ歯・ブリッジ・インプラントどれがいいか
抜歯した後の治療は何が良いのか
歯を抜いたら