50代男性「左下銀歯ブリッジで噛むと痛い」ブリッジをやめてインプラントで噛める生活を取り戻した症例
2023.09.29
治療前
治療中(抜歯後)
治療後
治療10年後
年齢と性別 | 50代・男性 |
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ご相談内容 | 左下の奥歯に被せてある銀歯のブリッジ(左下5番・6番・7番)が噛むと痛いとお見えになられました。(治療前写真) |
カウンセリング・診断結果 | 拝見すると左下7番部が特に症状があり、レントゲンを撮ると歯が割れていることが判明しました。神経がない歯は強度が落ちることと、噛みしめや食いしばり癖をお持ちのため慢性的な強い力に歯が耐え切れず割れたものと判断しました。 残念ながら一度割れてしまった歯は元に戻ることがなく、割れた個所から細菌感染を起こしさらに重篤化するため、抜歯して感染源を取り除くしかない状態でした。 |
行ったご提案・治療内容 | 割れてしまった左下7番を抜歯し、その後の食生活のために入れ歯とインプラントの選択肢をご説明しました。入れ歯は避けたいとのお考えによりインプラントをご希望されました。すでに失っておられた左下6番と今回失う7番、本来は2本のインプラントが全体のバランスには必要でしたが、費用面から6番1本をご希望になられました。同時に手前の銀歯が入っている歯2本(左下5・6番)も白い歯に交換してほしいとのご要望がありました。
最初にブリッジを切断し左下7番の抜歯を行い、傷口と骨の回復を待ちました。(治療途中写真)その後インプラント検査を行い治療計画をご説明し、ご了解が得られたのでインプラント手術を行い、骨とインプラントがくっつくまでの期間経過観しました。その期間に手前の歯2本を仮の歯に交換しました。 最後に食いしばり等の強い力を分散し歯とインプラントを守る目的でマウスピース(ナイトガード)をお入れして治療は一旦終了になりました。長期的な経過を観察する目的で定期的な歯科健診とメンテナンスをお受けになられることをお願いしました。 |
治療期間 | 約5か月 |
治療回数 | |
費用目安 | 717,140円(インプラント1本、人工歯と仮の歯3本) |
術後の経過・現在の様子 | 抜歯により当初の痛みはなくなり、治療後は食生活や日常の問題はみられません。 傷や骨の治りを待つ機関、奥歯がない期間がありました。普段意識を払うことなく当然のようにあった歯、たった1本の歯であっても失くしてみてそのありがたみを感じることがあります。失った1本の歯のありがたみを、他の歯のケアに生かすことができればこの歯は無駄死ににはならないでしょうとお話ししました。 現在は定期検診とメンテナンスで維持しておられます。 |
治療のリスクについて | ・外科手術のため、術後に痛みや腫れ、違和感を伴います ・メンテナンスを怠ったり、喫煙したりすると、お口の中に大きな悪影響を及ぼし、インプラント周囲炎等にかかる可能性があります。 ・糖尿病、肝硬変、心臓病などの持病をお持ちの場合、インプラント治療ができない可能性があり、高血圧、貧血・不整脈などの持病をお持ちの場合、インプラント治療後に治癒不全を招く可能性があります。 ・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります |
クリニックより | 食いしばりや噛みしめ癖による歯のトラブルが多く、特にこの方のケースのように神経がない歯が割れるケースをよく目にします。神経がない歯はもろくなり強度が落ちてしまうためですが、さらに銀歯のブリッジはその問題を大きくします。 銀歯が硬過ぎて他の歯との噛み合わせの調和が取れないことと、ブリッジにすることで歯がない場所の分までブリッジを支える歯に負担が長期間かかり続けるからです。安易にブリッジを選択するのではなく、お口全体の視点とその方の噛む力の程度と頻度などを考慮に入れた治療の設計が大切だと考えています。術後10年が経過していますが、レントゲンからはインプラントや骨等の治療後の状態が維持できています。しかし一方でインプラントの上のセラミックの一部が欠けています。日常生活上の問題が見れれませんのでご相談の上この状態で経過観察しています。以前から噛みしめ・食いしばりによる歯のトラブルを訴えておられた経緯から起こった一連の現象だと思われます。上下の歯の接触に注意を払いながら夜間はマウスピースを装着して歯とインプラントを守っておられます。「自分の歯と何ら変わらない、歯を失くしたことを普段は忘れている」と最近の健診時にお伺いしました。これから先もご一緒に維持して参りたいと考えています。 |
セラミック(カタナ)など詰め物・被せ物の種類や特徴はこちらをご参照ください。
インプラントの詳細は下記をご覧ください。
・インプラントとは
・インプラントの種類
・インプラント治療を受けられない人
・骨が少なくてもインプラントを受ける方法はあるのか
・インプラントと天然歯の違い
・骨が痩せてしまった場合の将来的なリスク