60代女性「左上の歯で噛むと痛く、歯茎から出血する」セラミックに入れ替えて噛み合わせの調和を行った症例

2023.09.09

治療前

治療前正面治療前上顎

 

治療中(被せもの除去後のレントゲン)

治療中XP

 

治療後

治療後正面治療後上顎

 

年齢と性別 60代・女性
ご相談内容 左上の歯で噛むと痛く、歯茎から出血する。
カウンセリング・診断結果 痛みの原因は、歯周病、根の割れ、根の周囲の感染、噛み合わせによる外傷が考えられます。歯周病検査やレントゲン写真から原因を除外していくと噛み合わせの問題の可能性がありました。
拝見すると左上4・5番に被せているセラミックの噛み合わせが若干他の歯より高く、噛むと他の歯より先に当たっていました。作製当初からのものなのか最近起こったものなのかは不明ですが、このままの状態を続けると神経がないため強度が落ちている歯のため、ヒビや割れるリスクがあると判断しました。(治療前写真)
行ったご提案・治療内容 被せものと歯茎の境目が黒くなり見た目が悪いことも気にされており、噛み合わせの修正を兼ねて被せものを外して作り直すことをご提案しました。被せものを外してみると手前の歯に虫歯があり、現時点では根の周囲に病巣は見られませんが根の治療に不安があり、またレントゲンで白く写っている金属の土台は神経を失って強度が弱くなっている歯を押し割るリスクもあるため、根の再治療と土台を歯と一緒にしなり歯が割れるリスクを減少させるメリットがあるグラスファイバー製土台をお勧めしました。(治療中レントゲン)
被せものを外し虫歯治療後に仮の歯に置き換えてしばらく経過観察をしたところ、痛みがなくなりましたので原因は当初疑っていた噛み合わせの問題であることが判明しました。しかし長期出張のため通院可能期間が限られており、その期間内での治療をお望みでした。通院可能期間内は当院で治療を行いその後出張先にて治療継続するご提案も行いましたが、出張先での受診が困難とのことで、一連の治療は見送り被せものの再製作だけを行うことになりました。痛みなど当初の症状がなくなったため歯型をお取りし、その次のご予約時に左上4番、5番にセラミック(セルコン)被せものを接着して治療が終了になりました。(治療後の写真)
治療期間 約1か月半(経過観察を含む)
治療回数 6回
費用目安 288,180円(仮歯を含む2本)
術後の経過・現在の様子 治療中から痛みなどの症状は消え、治療後も食生活や日常の問題はみられません。気になっておられた歯茎と被せものの境目の黒ずみがセラミックで覆われてきれいになりました。
治療のリスクについて ・治療中に痛みを伴う場合があります
・治療後に正しい歯磨きやメンテナンスを怠ると、虫歯が再発する場合があります
クリニックより 治療期間が限られた中での治療であったため理想は追えませんでしたが、お互いの可能な範囲内での治療をする現実的ゴールはご本人のご納得があればあり得ると考えています。今後は帰京された際にお口を拝見させていただくことになっております。その後の経過を見守って参りたいと思っています。

セルコンなど詰め物・被せ物の種類や特徴はこちらをご参照ください。