40代女性「右上奥歯が舌で触ると引っかかる」金合金とジルコニアで治療した10年間の症例

2023.09.13

治療前

治療前U治療前L

治療10年後

10年後U10年後L

 

年齢と性別 40代・女性
ご相談内容 右上の奥歯(右上6・7番)が舌で触ると引っかかることがお困りでお見えになられました。
カウンセリング・診断結果 拝見すると右上6・7番には金合金の被せものが入っていましたが、歯と被せものの境目に隙間がありその部分が舌で触った時に引っかかりを感じておられました。(治療前写真)
行ったご提案・治療内容 この不適合は修正できるものではないため、被せものを作り直すことをご提案しました。治療方針へのご納得をいただけたので、材質のご相談をしました。ご本人のご希望は見た目より耐久性を重視されたいことでしたので、歯とほぼ同じ硬さであり治療精度が最も優れている金合金をお勧めしご了解が得られました。

被せものを外して仮の歯で噛み合わせ等の問題が出ないか経過観察をしました。その期間に問題がありませんでしたので、歯型をお取りしその次のご予約で金合金の被せものを歯に接着して1回目の治療が終了しました。

最初のご来院から6年半後に左上奥歯に異和感があるとお見えになられました。レントゲンで左上6・7番の詰め物の下に黒く写る影が見つかり虫歯を疑いました。詰め物を外し作り替えのご提案をしました。ご了解が得られたので詰め物を外して虫歯を取り除き、ご希望により金合金の詰め物を入れ替えて2回目の治療は終了しました。

さらにその治療から1年後に右下6番と5番の間に食べ物が詰まりやすくなったとお見えになられました。6番の歯が矯正治療のためか手前に傾いているため、歯の縁の高さが揃っておらず詰まりやすい状態です。以前からその状態はわかっていましたが、食べ物のつまりはなく虫歯もなかったため処置はしてきませんでした。しかしものが詰まるようになれば話は別になります。詰まりやすい場所は虫歯に非常になりやすいためです。そのリスクをお話しした上で毎回フロスで取り除くか、縁の高さを合わせた詰め物を作り直す、2つの選択肢をお話ししたところ、詰め物の作り直しをご希望になられました。
今までは見た目より耐久性を重視するご希望で金合金を選択されてこられましたが、近年歯の色調とは異なりますが金属色ではなくセラミックより丈夫なジルコニアが開発されたことをご紹介したところ、今回はジルコニアをお選びになられました。
虫歯ではなかったため、歯を削る量を最小限にして歯の整形後歯型を取りその日は仮歯をお入れして終わりました。次のご予約でジルコニアを接着しました。
お口に入ったジルコニアをご覧になられて親知らず3本もジルコニアを詰めたいとご希望されました。以前から初期の虫歯はありましたが、歯磨きでコントロールできれば治療は必要ないと考え経過観察の対象としておりました。今回もそのつもりでしたが、歯の溝が黒いことがお嫌でありいつ虫歯が進行するのか不安であったことと、そして親知らずであっても歯を抜きたくないとのお考えがあり予防的観点から今回は治療をされたいとのことでした。
ご希望により左右に分けて3本のジルコニアをお入れしまして3回目の治療が終了しました。(治療10年後の写真)

治療期間 1回目の治療は約4か月、2回目の治療は約1か月、3回目の治療は約3か月
治療回数
費用目安 1回目の治療273,240円(仮歯を含む2本)
2回目の治療206,680円(仮歯を含む2本)
3回目の治療371,800円(仮歯を含む4本)
術後の経過・現在の様子 ご来院の動機になった症状は各治療で消失し、最初の治療は10年経過しておりますが治療後も食生活や日常の問題はみられません。
治療のリスクについて ・治療中に痛みを伴う場合があります
・治療後に正しい歯磨きやメンテナンスを怠ると、虫歯が再発する場合があります
・装着に際し、天然歯を削る必要があります
クリニックより 最初の治療から10年が経過していますが、日々のお手入れが行き届いておられることもあっていい状態が続いています。10年という歳月の中では何か所か治療が必要になられましたが、現状のお手入れ状態を拝見しているとこのままの状態を維持されていくのではないかと考えています。今後も歯科検診で経過を追い続けていかせていただきたいと思っています。

詳細は下記をご覧ください。
金合金・ジルコニアなど詰め物・被せ物の種類や特徴