30代女性「銀歯の詰め物を白い歯にしたい」ジルコニアに入れ替えた症例

2024.09.02

治療前

銀歯が目立つので白い歯に入れ替えたいご希望で来院されました。

治療中

銀歯を外すと銀歯の下には写真で黒く写っていいる傷んだ箇所がありました。この後の治療で虫歯があることもわかりました。銀歯が歯にピッタリ合っていないことが原因です。

治療後

傷んだ箇所と虫歯を取り除いた後、歯型を取ってジルコニアの詰め物をお入れしました。セラミックに比べて天然の歯との色合いの違いはありますが、銀歯より目立たないとお喜びいただけました。

年代と性別 30代・女性
はじめのご相談内容 銀歯が目立つので、右上奥歯(右上第一・第二小臼歯、右上4・5番)の銀歯の詰め物を白い歯に入れ替えたいとお見えになられました。
診断結果 拝見すると右上奥歯(右上4・5番)に銀歯の詰め物が入っていました。銀歯は正面からは見えない位置ですが、斜め前から少し金属色が見えるため気になると伺いました。
さらに写真ではわかりにくいですが、銀歯が少し歯より浮き上がったように見えます。
こうした場合は歯と銀歯の間に隙間があるケースが多く、レントゲンでは大きな虫歯は確認できませんでしたが、銀歯は精度が劣るため臨床経験上歯と銀歯の境目や内部で虫歯が発生している可能性が否定できません。
簡単に申すと歯にピッタリ合っていないことがあるのです。そのため少しでも精度のいい治療ができるのであれば治療する価値はあると判断しました。
行った治療内容 銀歯の金属色を避けたいご希望ですので、白い材料は保険のプラスチック、ジルコニア、セラミックの3種類についてご説明いたしました。
プラスチックは費用が最も低く治療が1日で終われるメリットがありますが、強度不足のため長持ちしないデメリットがあります。
ジルコニアは2種類ありますがセラミックより費用が抑えられる反面、金属色ではありませんが不自然な白さです。
セラミックは入れたことが目立たず見た目が自然で綺麗ですが費用がかかります。
現在すでに歯を削って銀歯が入っていますので、どの選択肢を選んでも歯を削る量に大差はありません。またジルコニアには費用を比較的抑えた通常のジルコニアと治療精度を向上させ色調をある程度改善したジルコニアの2種類があります。
こうしたご説明の後、前者のジルコニアをご希望されました。
銀歯を慎重に外してみると、銀歯と歯の境目だけでなく内部にまで写真で黒く写っている虫歯がありました。我々は日常臨床でよく目にする光景ですが、この写真をご覧になられたご本人はたいそう驚かれました。銀歯が入っていれば見えることはなかった光景ですから当然です。(治療中画像1)

虫歯を取り除き、深い場所をプラスチックで埋めた後に歯型をお取りし当日は仮歯をお入れして治療が終了しました。次回のご予約でできあがってきたジルコニアの詰め物を歯に接着して治療が終了しました。(治療後画像1)
このケースのおおよその治療期間 2回
おおよその費用 94,080円(仮歯を含む2本)
現在の様子 気付かなかった虫歯治療ができて、目立って嫌だった銀歯がなくなり白い歯に戻りました。
治療後も食生活や日常の問題はみられません。
この状態を維持するために今後は定期検診とメンテンスをお勧めしております。
治療のリスク ・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、ジルコニアが割れる可能性があります
・装着に際し、天然歯を削る必要があります
クリニックより 銀歯の下に虫歯ができる原因は、銀歯の精度が劣るためです。虫歯を削って空いた穴の歯型をお取りする際の精度、また作製する際の精度です。そうした精度が劣れば歯と詰め物や被せ物がピッタリ合わず隙間ができます。その隙間に食べ物が入り細菌が住処を作れば虫歯や歯周病の原因となるのです。この症例の治療途中の画像で黒く写っている部分です。
その場所は歯ブラシが届かいため一度発生した虫歯はどんどん奥の方に進行してこのケースのような虫歯を作ることがあります。虫歯を発生させる細菌は目では見えないほど小さなものですので、わずかな隙間でも要注意です。
これを避けるに、日々の丁寧な歯磨きに加え、歯にピッタリ合っている詰め物をお入れになられることをお勧めいたします。
詰め物や被せ物の詳細は下記をご覧ください。
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