40代女性「銀歯がとれた」虫歯治療後に金合金の詰め物を入れた症例

2024.02.26

治療前

右上奥歯に詰めてあった銀歯がとれてお見えになられた40代女性の方です。銀歯が入っていた部分が真っ黒になっています。銀歯が歯に合っていなかったため虫歯になっています。

取れた銀歯を歯に戻すと黒い部分がすっぽりと隠れます。このことから、銀歯の不適合により虫歯になったことがわかります。

治療中

虫歯だけ染まる染色液を用いて慎重に虫歯だけを取り除いた状態ですが、歯に大きな穴が開いています。歯には大きなダメージです。

虫歯が深かったため、プラスチックで深い部分を埋めて歯質を保護し、詰め物の形に合わせて整形をした状態です。

歯型を取った後に仮歯を入れた状態です。正式の詰め物が入るまでこの状態を維持することで歯が動かず、しみなどの症状を防ぐことが目的です。

治療後

詰め物には虫歯で開いた穴をふさぎかみ合わせを維持する目的以外にも本来は必要な事柄があります。審美面より耐久性と歯にピッタリ合う詰め物をいれることで虫歯の再発を防ぐことを優先して金合金の詰め物をお入れしました。

年代と性別 40代・女性
はじめのご相談内容 右上奥歯(右上第二大臼歯・右上7番)に詰めてあった銀歯がとれてお見えになられました。
診断結果 拝見すると銀歯が入っていた歯の凹み全体が虫歯と銀歯と歯の不適合により真黒くなっています。(治療前画像1)
お痛みやしみはありませんでしたが、歯の寿命の観点から虫歯が神経に達する前に進行を止める必要があり、早急に治療が必要だと判断しました。
行った治療内容 とれた銀歯をはめれば黒く変色した部分は完全に隠れます。(治療前画像2)
これは銀歯以外の他の場所から発生した虫歯ではありません。銀歯と歯が不適合であった、即ち銀歯と歯の間に隙間があったことが原因です。
同じ結果を繰り返さないためには詰め物と歯がピッタリ合って隙間を可能な限り少なくすることが必要です。そのためには治療精度を向上させなければなりませんが、保険の範囲を超えてしまします。何を重視するのかは患者様のお考えですので、現状と同じ銀歯、自己負担にはなりますが金合金やセラミックなどの選択肢をご紹介しました。
今回のような虫歯になりにくく耐久性がある治療をお望みであったため、ご相談の上金合金の詰め物に入れ替えることに決まりました。
虫歯だけが染まる染色液を使いながら慎重に虫歯だけを削っていきました。虫歯を取り除いた状態の画像でお判りのようにかなり大きな穴があいてしまいました。(治療中画像1)
神経に近く深い部分の歯質を保護するためにプラスチックで埋め、詰め物に適した形に歯を整形しました。(治療中画像2)
その後歯型を取り、仮歯を入れて初日の治療は終了しました。(治療中画像3)
後日でき上ってきた金合金の詰め物をかみ合わせ調整後歯に接着してすべての治療が終了しました。(治療後画像)
このケースのおおよその治療期間 2回
おおよその費用 103,340円(仮歯を含む)
現在の様子 起こしになられた時に、詰め物が1本とれただけなのに意外な位食事が不便だったとおっしゃっておられました。
治療後も食生活や日常の問題はみられません。
治療のリスク ・治療中に痛みを伴う場合があります
・治療後に正しい歯磨きやメンテナンスを怠ると、虫歯が再発する場合があります
・治療後は神経が過敏になっているため、痛みが生じる場合があります
クリニックより 日常的に銀歯がとれた、銀歯が入った歯がしみる・痛いとお越しになられます。日頃の歯磨きなどの清掃不足も原因の一つですが、今回のように丁寧に歯磨きをしていたにもかかわらず虫歯になられた方もいらっしゃいます。ご本人の努力では解決しない問題です。
形あるものに無限はありませんが、少しでも病気のリスクを下げるため、選択肢の一つとしてそれぞれの特徴とメリット・デメリットをご説明するように心がけています。

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