30代女性「奥歯に物が挟まる。フロスが切れる」ジルコニアの詰め物で解消した症例

2024.09.30

治療前

治療の2年前(歯が欠ける前)の状態です。

右上6番(画像下から2番目)と手前の歯との間の歯質が欠けており、白い食べ物が詰まっているのがわかります。この部分にフロスを入れるとフロスが切れるとお見えになられました。

治療後

欠けた部分も含めた詰め物(ジルコニア)に入れ替えた状態です。食べ物のつまりはなくなりフロスも切れなくなり歯と歯の間の清掃もできるようになりました。

年代と性別 30代・女性
はじめのご相談内容 奥歯(右上6番)と手前の歯との間に食べ物が挟まり詰まったまま取れない。
フロスで取ろうとするとフロスが切れるとお見えになられました。
診断結果 拝見すると右上6番の手前側の歯質が欠けており、食べ物が詰まっていました。(治療前写真の白い食片が詰まっている部分)
以前の写真と比較してみるとその変化がわかります。物が詰まる場所は虫歯や歯周病などになる可能性が非常に高いため治療により詰まらなくしておくことが大切です。
詰まり始めてそう期間が経っていないとのことでしたので虫歯があっても大きなものではない可能性が高いと判断しました。
行った治療内容 歯が欠けたことが今回のトラブルの始点ですから、何らかの詰め物を入れてつまらなくすることが治療の基本です。その方法としては5通りの選択肢をご説明いたしました。
① 欠けた部分にプラスチックを詰める方法
現在のジルコニアの詰め物をそのまま生かすことができ、また治療が簡単で費用も最小限で済む反面、強度が弱く長持ちしない可能性があります。特にこの方は食いしばり癖がおありのためその傾向が強いと思われます。
② 保険の銀歯の詰め物に入れ替える方法
強度的には他の天然の歯との調和が取れなくなるほど(強すぎる)強いですが、治療精度が低いため虫歯予防には不安があります。
③ 現在と同じジルコニアの詰め物に入れ替える方法
銀歯の見た目の悪さをある程度解消でき、強度的にも十分なため歯を削る量を抑えることができる反面、費用が多少かかります。
④ セラミックの詰め物に入れ替える方法
見た目が自然でジルコニアより審美的には有利な反面、強度が歯に似ているためジルコニアより厚みが必要で多少歯を削る量が増え費用もかかります。
⑤ 金合金に入れ替える方法
この方のように食いしばりや噛みしめ癖がおありの方には歯の摩耗に追随する上に強度的に最適、さらに治療精度が高く虫歯予防にも適した方法です。しかし見た目が金属色のため審美的に敬遠されることがあります。費用もかかります。

食いしばり癖がおありのため強度が必要なこと、金属色の詰め物は目立つため白っぽい詰め物が好ましいこと、費用をできるだけ最小限に抑えたいご希望により、ご相談の結果現在と同じジルコニアで治療されることに決まりました。
現状の詰め物を取り除き、欠けた部分も含めた形に歯を調整して歯型をお取りした後仮の歯をお入れして歯の移動を防ぎました。
次のご予約時にジルコニアを歯に接着して治療が終了しました。(治療後の写真)

このケースのおおよその治療期間 2回
おおよその費用 92,950円(仮歯を含む)
現在の様子 治療後はお困りは解消し、食生活や日常に問題なく機能しています。
今後は定期検診とメンテナンスで維持していきましょうとお話ししました。
治療のリスク ・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、ジルコニアが割れる可能性があります
・装着に際し、天然歯を削る必要があります
クリニックより 虫歯や歯周病の予防のために歯磨きは非常に大切ですが、歯と歯の間は歯ブラシの毛先が届きませんのでフロス(デンタルフロスや糸ようじ)が必要です。
歯間ブラシとフロスの使い分けについてご質問をよくいただきます。
歯間ブラシは歯と歯の間の歯茎に近い場所に残った食べ物やプラークを取るために用いる道具です。
しかし歯茎が下の歯の場合下がって(上の歯は上がって)隙間がある場合に用いるもので、隙間がない方は使わない方がいいものですのでご注意ください。
歯茎が下がって(上がって)いない場合は窮屈な部分に無理をして使うと歯茎が下がって(上がって)しまうからです。
また歯間ブラシでは歯と歯が接触している部分の掃除はできませんので必ずフロスの使用が必要になってきます。
詰め物や被せ物の詳細は下記をご覧ください。
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