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20代女性「痛みやシミがないので虫歯があるとは全く知らなかった」できるだけ小さく削ってプラスチックを詰めた症例

2023.09.08

治療前

治療前治療前PA

 

治療中1(虫歯の染色)

CDT

治療中2(虫歯除去後)

形成

治療後

CR

 

年齢と性別 20代・女性
ご相談内容 他のお困りで来院されましたが、お口全体を拝見すると左下奥歯(左下6番)の噛み合わせ部分に針の先ほどの小さな穴があいた虫歯がありました。(治療前写真)
カウンセリング・診断結果 治療前の写真で歯に穴が開いていたり、黒い虫歯は全く写っておらず、一般的には虫歯の存在には気が付かないレベルだと思います。痛みやシミなどの症状はなくご本人は虫歯の存在に全く気付いておられませんでした。

20代と若い方によくみられるレントゲンでは明確に写らないが、虫歯の範囲が極めて狭いが深さが深い活発な虫歯の可能性があると思われました。念のためレーザー虫歯検査機で検査しましたが治療が必要な結果でした。

行ったご提案・治療内容 若年者の虫歯は広がりより深さに注意が必要です。そして進行が早いのも特徴です。歯の表面では小さな穴であっても内部で深く広がっていることがよくあります。そのため決して小さいと侮らず、見た目で判断することは避けなければいけません。

まだ若くこれからの人生が長いのですから長持ちする治療が特に重要です。虫歯になったのがこれから先長年に渡って硬いものを嚙み砕く奥歯ですから、強度と耐久性が必要です。その観点からすると見た目はよくてもプラスチックでは役不足で、本来はセラミックや金属などが適しています。しかし費用がかかります。

しかし若年者に多い虫歯が深くとも広がりが狭いのであれば、歯の表面を広く削らないで済み、その結果噛む力を受けにくくなるため強度が弱いプラスチックでも問題がないケースもあります。噛む力の大半を残った歯質が受けてくれるからです。

そこで最初は可及的に小さく虫歯を削り、プラスチックで済むならよし、しかし虫歯の広がりでプラスチックでは不足な状態になったら強度がある詰め物にする治療方針をご説明しご了解を得ました。

当院では目視だけでなく虫歯だけ染まる染色液を使いながら虫歯の取り残しを防止しています。写真の青く染まっている部分がまだ残っている虫歯です。(治療中写真1)
染まった部分だけを削り、また染めることを繰り返し、染まってこなくなった、すなわち虫歯が完全に取りきれた状態で先ほどのプラスチックか詰め物かの決定をすることになります。(治療中写真2)
虫歯を取り切った状態がギリギリでしたがプラスチックが可能と判断したため、プラスチックを詰めて治療は1日で終わりました。(治療後の写真)

治療期間
治療回数 1回
費用目安 保険の一部負担金
術後の経過・現在の様子 神経近くにまで虫歯が進行すればシミや痛みなどの症状がでますが、そこまでは無症状でご本人にはわからないケースがよくあります。今回もその一つのケースでしたが、早期に治療できてよかったと考えています。治療後も痛みや食生活、日常の問題はみられません。
治療のリスクについて ・治療後に正しい歯磨きやメンテナンスを怠ると、虫歯が再発する場合があります
・治療後は神経が過敏になっているため、痛みが生じる場合があります
クリニックより この方の場合はたまたま他の歯のお困りでお見えになられた際に発見できた虫歯でしたが、歯に穴があく、歯に黒い部分がある、冷たいものがしみる、歯が痛い、など一般の方が虫歯に抱くイメージとは無縁の状態でも虫歯は気づかぬ内に進行していきます。この方ももう少し受診が遅ければ詰め物、さらに上記の症状が出るまで受診が遅くなれば神経を失っておられたことでしょう。

これが当院が定期歯科健診を大切にしている理由です。お困りがないからこそ小さな治療で済み、健診で何も問題がなければ次の健診までの安心が手に入ります。ぜひ健診をお受けになられて、二度と手に入らないご自身の歯を守っていかれることをお勧めいたします。また治療そのものが必要ない健康な状態を維持していくために、当院では定期的なクリーニング(メンテナンス)もお勧めしています。