クリーニングの種類、費用や頻度について
歯の色調の改善にはクリーニングとホワイトニング、人工の歯があります。
今回はクリーニングについてお話しさせていただきます。
歯の掃除とクリーニングの目的
クリーニングには着色などの見た目の改善、歯周病や虫歯予防(治療)の2つの目的があります。
1.見た目の改善
見た目の改善方法にはメンテナンス(PMTC)と呼ばれるクリーニングがあります。
ただし歯の表面のクリーニングであるため、歯の内部の変色は改善できません。
この場合はホワイトニングの適応症となります。
着色汚れが付きやすい方がいらっしゃいます。
下記の項目に当てはまる方は要注意です。
・色素を多く含む飲食をよくする
・歯の表面が、着色物質などの汚れ、プラーク(歯垢)、歯石でザラついている
・歯並びが良くない
・口で息をしている
・日々の歯磨きが不十分
2.歯周病や虫歯予防(治療)
歯周病や虫歯予防(治療)のためのクリーニングは保険適用になります。
歯石取り(スケーリング)やその後に汚れやプラークの再付着抑制のために歯の研磨(ポリッシング)などのクリーニングを行います。
このようにクリーニングはきれいな歯の維持と健康の維持のために必要なものなのです。
歯の掃除とクリーニングの種類
歯を健康に保つための歯の掃除(クリーニング)は3つあります。
1.ご自宅で行う歯磨きやフロッシング(糸ようじ)
歯の美しさだけでなく健康にとって最も大切なものです。
歯磨きで取り残した着色や汚れがあれば、さらに着色しやすくなるため要注意です。
ご自宅での正しい歯磨きの仕方を知って美しい歯を維持し、健康で楽しい食生活をお送りください。
2.医院で行う6か月毎の保険の歯石取りなどのクリーニング(定期歯科検診)
歯周病は細菌による感染症ですので、歯の表面にこびりついた細菌の塊や住処を取り除くことが歯周病治療の第一ステップです。
日頃のご家庭で行う歯磨きは細菌の塊であるプラークを取り除くために大変重要ですが、それと並行して歯の表面に硬くこびりついた歯石取り(スケーリング)を行い、歯石除去後に歯の表面を磨いて歯石等が付きにくくするクリーニング(ポリッシング)も歯周病予防や歯茎の健康にとって非常に大切です。
歯石取り(スケーリング)とクリーニング(ポリッシング)は最低でも半年に1回の頻度で行うことが一般的ですが、臨床上は3か月に1回が理想です。
保険適用の歯石取りやクリーニングはあくまでも歯周病予防と治療が目的であるため、目的外の着色や変色は改善されませんのでご注意ください。
関連記事:
保険の6か月毎の定期歯科検診とクリーニング
歯科検診の義務化
3.医院で行う3か月毎のメンテナンス
定期歯科検の6か月間は病気の進行を阻止するには臨床上長すぎるため、その間の3か月にメンテナンスで健康を維持することが目的です。
保険は正式には疾病保険と呼ばれ、病気になった時に初めて適用されるものです。
そのため見た目(審美)、予防など病気ではないものには適用されませんので自己負担となります。
当院では治療内容によって3つのメンテナンスがあります。
費用やメンテナンスの種類や内容は関連記事をご覧ください。
関連記事:
定期検診と次の定期検診(6か月後)の間の3か月目のメンテナンス
メンテナンスの種類と内容や費用(値段)
当院のクリーニングについて
これまでいくつかのクリーニングについてお話しして参りました。
それぞれ特徴がありどれひとつ不要なクリーニングはありませんが、
それらをどう組み合わせていくことが歯の美しさと健康に最も貢献できるのか、
そうしたクリーニングの流れについてご説明させていただきます。
1.歯科検診(保険)のクリーニング
美しさだけでなく歯と歯茎が健康で長持ちすることが大切だと考えています。
歯周病や虫歯の予防には口の中が清潔に維持できていることが重要です。
そのため歯科検診時に日々の歯磨き等の問題点の把握や改善、
歯石取り(スケーリング)やポリッシングによるプラーク除去や歯の表面を磨くことによる汚れやプラーク・歯石などの再付着を抑制して病気の予防に努めます。
その際に歯周病や虫歯を早期に発見し重症化する前に治療を行い進行を阻止することも大切です。
実際の治療は歯周病治療や虫歯治療をご覧ください。
歯石取り(スケーリング)などの歯周病予防治療終了後、または虫歯や歯周病治療があった場合はその治療終了後に保険治療が終わります。
これ以降は6か月ごとの定期歯科検診(保険)をお勧めしております。
2.メンテンナス
6か月ごとの定期歯科検診の中間である3か月目にメンテンナスをお勧めしています。
どうしても自己流の掃除になりがちなため、汚れや着色などが付着してしまいます。
病気の進行から考えると次の6か月後の歯科検診までの期間が長過ぎるため、その中間の3か月目にクリーニング(メンテナンス)を受けていただくことをご提案しています。
病気にならないことを目的としていますが、場合により初期の虫歯などが見つかることもあり大変意義のあるクリーニングです。
メンテナンスの種類などの詳細は上のリンクをご覧ください。
クリーニングのまとめ
クリーニングには種類があり、それぞれ主目的も異なっています。
どのクリーニングがいいの?とご質問を頂きますが、私はどれも大切で必要だと考えています。
病気にならなければ治療が必要なくなり、治療に関わる時間や費用を節約することができるだけでなく、美しさを維持したまま二度と手に入らない歯の寿命を長くすることができます。
欧米では数十年前から治療からクリーニングに軸足を移しており、現時点での来院動機の大半がクリーニングになっています。
その結果病気の発生が極めて少なく、美しく健康な歯で生涯を送れる人々が増えてきています。
ぜひこの機会にメンテナンスをお受けになられきれいなご自身の歯で一生食べられる幸せの土台作りを今から始められてはいかがでしょうか。
急激に何らかの変化が起こるものではありませんが、これからの負の蓄積が将来の美しさだけでなく食と生活を左右すること、人生の先輩方から頂いたアドバイスだと受け止めています。
クリーニング以外の歯の色調の改善方法(ホワイトニング、人工の歯)の治療の適応症や特徴は関連記事をご覧ください。
・歯の色が悪い
・ホワイトニングについて知りたい(費用・効果・時間など)
・人工の歯の種類