入れ歯で喋りにくい
入れ歯で喋る時に活舌が悪くうまく発音できず聞き直されたりすると、話すのが億劫になり楽しいはずの会話が少なくなることがあります。入れ歯なんだから仕方ないと半場諦めてはいらっしゃいませんか。入れ歯での会話は慣れの部分と入れ歯の不具合で発音し辛い場合があります。
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初めて入れ歯を入れた時は
発音は自分の耳で自分の音を聞き分けて脳が修正を加え学習していくことで得られます。幼少期から耳が不自由な方の発音が異なるのはこの学習ができなかったためでもあるのです。発音の面から言えば、口の中は音を作る楽器のようなものです。初めて入れ歯を入れたり新しい入れ歯を入れるなど、口の中の形が変われば勝手が違うため最初はうまく発音出来ない事もあります。しかし学習効果によって発音の問題がなくなることが多いのも事実です。
入れ歯を入れた当初は電話で喋っていて聴き直されたり、活舌が悪く感じることがあります。初めて入れ歯を入れる方の学習期間の平均は、個人差はありますが1ヵ月ほどです。この学習期間を経ても発音に問題がある方は、入れ歯の調整をお考えになられてもいいでしょう。
また元の入れ歯の不具合を修正するためとはいえ、新しく作った入れ歯との形が違えば入れ歯体験者であっても多少の期間は必要です。特に長年、形やかみ合わせが悪い入れ歯を使い続けて来た方は入れ歯の変化が大きくなるため慣れるのに時間がかかる傾向にあります。
入れ歯に問題がある場合
喋りにくい現象は様々な原因から起こるため、原因を一つずつ探っていく必要があります。
・前歯の人工歯の長さや位置
・奥歯の人工歯の左右幅
・舌を動かすスペース
・上下の顎間距離(かみ合わせの高さ)
・舌が触れる入れ歯表面の位置や形
・歯と入れ歯の間に隙間があり空気が漏れる
など原因は多岐に渡ります。
サ行は歯音といい、上下の前歯の先端をほんの僅か空けることで発音できます。大きく開けると不明瞭になりハ行に近い発音になります。前歯の上下人工歯の配置が外見だけでなく発音に重要です。この他にも構音(音を作る)ためには奥歯を含めた人工歯の位置や上顎のピンク色の入れ歯の歯茎部分の厚みやふくらみ方、上下顎間の距離(かみ合わせの高さ)、舌を動かすスペース、歯と入れ歯の間の隙間などが関係しています。
発音はすべての人が同じようにして出来ているものではありません。一人一人が手作りで発音できるように訓練して今に至っているのです。
喋り方や舌の動き、上下のあごの動きや動く量なども人により異なるため、かなり根気がいる治療になります。喋りやすい入れ歯と一言で片づけられないほど複雑です。
個人差もありますが、上顎や下顎の舌が触れる部分の一部を薄い金属の板(金属床)に置き換えると舌の動かせる範囲が若干広くなり、また異物感が減少するため活舌が良くなる場合もあります。部分入れ歯の歯に引っ掛ける針金の位置や形によって舌触りが気になり活舌に影響する場合は、症例によっては可能な範囲で設計を変更して対応することもできます。喋りにくい原因が何なのかが最も重要ですので、担当の歯科医にご相談されるといいでしょう。
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