60代男性「差し歯の付け根が黒く見栄えが悪い」セラミックに入れ替えてきれいな口元を取り戻した症例
2023.11.27
治療前
治療後
治療5年後
年齢と性別 | 60代・男性 |
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ご相談内容 | 右上前歯2本の差し歯の付け根が黒く変色しており、喋ったり笑うと見えるのできれいにしたいと来院されました。以前から差し歯の付け根が黒くなっていることがみっともなくて嫌だったとおっしゃっておられました。(治療前写真) |
カウンセリング・診断結果 | 右上前歯(右上1番・2番)の差し歯と歯の境目がピッタリ合っていなかったため黒く虫歯ができてしまっています。また年齢や機械的刺激による歯茎の後退(歯茎が上にあがる)も見られ神経を失った歯特有の歯の変色部分が表から見える状態になっていました。そこで変色部分も覆う形の差し歯に入れ替えることでお困りは解消できると判断しました。 |
行ったご提案・治療内容 | 2段階の選択肢をご説明しました。 第一段階の選択肢は差し歯を入れ替える際に若干根の治療の不足があるため、根の治療(根管治療)をやり直してから被せ直す方法と現在特段の症状やレントゲンでの病巣はないため今回は根の治療を見送り被せ直すことだけの治療にする方法です。 症状等がないことと、長い金属の土台が入っているため土台を外す際に歯が割れるリスクがあるため、今回は根の治療をしたい方法をご希望されました。 第二段階の選択肢は被せ直す人工の歯をどのようなものにするかです。今までの保険の差し歯と同じものか、今回のような虫歯を起こしにくい精度の良くきれいなセラミックで治療を行うかの選択肢です。虫歯になった経緯から歯を長く使いたいことと、せっかく入れ替えるならきれいな歯をご希望でしたので、セラミック(カタナ)による入れ替えに決まりました。初日に現在入っている差し歯を除去し、日常の外見維持と歯の移動防止のために仮の歯をお入れしました。前歯には外見だけでなく発音や唇や舌などと形態が調和するかが大切なため、仮歯で次回のご予約まで問題がないかテストをしました。 テスト期間での問題は見つからなかったため、次回のご来院で歯型をお取りしました。製作期間を挟んで次のご来院日に正式なセラミックを噛み合わせを調整後接着しまし治療が終わりました。(治療後の写真) |
治療期間 | |
治療回数 | 3回 |
費用目安 | 262,280円(仮歯を含めて2本で) |
術後の経過・現在の様子 | 差し歯の付け根の黒い虫歯がなくなり、きれいな歯が戻りました。治療後は病気の再発予防と早期発見のためメンテンナンスと歯科健診にお通い頂けています。
治療後5年が経過していますが(治療5年後の写真)、耐久性と変色性に劣るプラスチックではなくそれらに優れたセラミックであるため、治療直後の美しさが維持できています。人工歯の精度が高いため、虫歯の再発も見られません。 |
治療のリスクについて | ・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります ・装着に際し、天然歯を削る必要があります |
クリニックより | 上の前歯の人工歯は他人の視線に一番に触れる場所であるため、自然で異和感のない形や色調が求められます。一方で咀嚼や発音、異物感、さらに下の歯の動きと調和する噛み合わせが必要です。 時としてすべての項目で理想を追求することができず、優先順位をご相談しながら決めていくステップが将来のご納得の上で大切になってきます。 それを具現化するのが日常生活での仮歯によるテスト期間です。異和感や仮歯が外れるなどの現象が起こった場合は、診療室内では再現できなかった噛み合わせ等が考えられるため、仮の歯の修正を行って双方が納得できる形を模索することになります。治療期間はかかりますが、満足が得られまた長く使うものを作り上げるための投資期間だと考えています。仮の歯で外見や発音、唇や舌など動く部分との調和を確認しました。 また患者さんご本人やご家族から形態上の問題が指摘されなかった仮の歯の形態を型取りをして、その形に酷似した最終的なセラミックの形態を再現することで長期に渡ってご満足いただける歯を手に入れることができます。 |
セラミック(カタナ)など詰め物・被せ物の種類や特徴はこちらをご参照ください。