40代男性「右下奥歯がかけて食べ物がつまる」かけた部分を含めた金合金の詰め物で改善した症例
2025.02.24
治療前
画面上から2番目の右下奥歯(右下7番)の奥側がかけて食べ物が詰まるとお見えになられました。1本手前の右下6番の銀歯詰め物と歯の境目に黒く見える不適合がありました。虫歯の可能性もあります。
画面左端の親知らずと1本右の右下7番の間の歯の一部が小さく欠けていますが、虫歯はないことがわかります。
治療後
欠けた部分だけにプラスチックを詰めるのが最も簡便ですが強度と耐久性に乏しいこと、銀歯は精度が劣り虫歯になるリスクがあることから色合いは不自然でも治療の精度が高く耐久性を重視し歯を長く使いたいとのご希望により、2本の歯を金合金の詰め物に入れ替えました。
欠けた部分を含む形の詰め物が入ることで、食べ物が詰まらなくなりました。
その他
まだ治療から1年しか経過していませんが、治療後から変化はなく毎日の食生活上の問題はなくなっています。
レントゲンでも異常は見られません。
年代と性別 | 40代・男性 |
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はじめのご相談内容 | 右下奥歯(右下7番)がかけて食べ物が詰まるとお見えになられました。 |
診断結果 | 拝見すると右下7番の後方部分の歯質が一部かけており、その部分に食事の際の食べ物が詰まっていました。 欠けた部分は虫歯から歯を守るエナメル質がない上に、詰まった食べ物が残れば虫歯や歯周病になるリスクが高くなります。 治療によりかけた部分を修復し詰まらなくする必要があると判断しました。 |
行った治療内容 | かけた部分だけにプラスチックを詰める方法もありますが、強度が弱く耐久性がないため現在入っている銀歯の詰め物を外し欠けた部分と一体化した詰め物に入れ替えるのが理想です。 また手前の右下6番に詰まっている銀歯と歯の境目に写真でも黒く写っている不適合部分があり、初期の虫歯があるか仮になくとも将来虫歯になるリスクが高いことをお話ししました。 ご本人も時々右下6番に冷たいものと熱いものがしみる症状もあり状況をご理解いただけました。 プラスチック以外の詰め物には現在と同じ銀歯、金合金、ジルコニア、セラミックがありそれぞれの特徴やメリット・デメリットをご説明しました。 見た目より耐久性と虫歯になりづらい治療をご希望でしたので、右下6・7番を金合金の詰め物に入れ替えることに決まりました。 麻酔で無痛になった状態で銀歯とその周囲の虫歯を取り除き、欠けた部分を含む形に歯を整えました。同日に歯型を取り仮の歯をお入れしてその日の治療が終了しました。 次回のご予約で金合金を噛み合わせ調整と共に歯に接着して治療が終了しました。(治療後の写真) |
このケースのおおよその治療期間 | 4回 |
おおよその費用 | 206,680円(仮歯を含む2本) |
現在の様子 | 治療後にはものが詰まらなくなり、安心してかめるようになりました。 冷たいものや熱いものもしみることなく食生活や日常の問題はみられません。 現在は定期歯科検診とメンテナンスで維持されていらっしゃいます。 |
治療のリスク | ・治療中に痛みを伴う場合があります ・治療後に正しい歯磨きやメンテナンスを怠ると、虫歯が再発する場合があります ・治療後は神経が過敏になっているため、痛みが生じる場合があります |
クリニックより | 現在の治療の傾向はできるだけ元の歯に近づける治療が行われています。 それは噛むなどの機能や経時的な噛み合わせの変化、見た目の自然さなどを元の歯に近づけることです。 しかし世間的には最後の見た目だけを重視した考え方が一般的になり、その他の本来歯にはあった機能や特徴は軽視されがちなのが残念です。 いくら綺麗に見える治療であっても長続きし、さらにその歯だけでなく他の歯にも優しい治療が大切だと考えています。 その意味で今回の症例は患者様のご理解が得られたため、審美的ではない金合金の詰め物をお勧めしました。 すべての項目を満たすのはご自身の歯だけです。 その代用にはその方の特徴やお考えを尊重し、何を重視するかで治療選択肢をご提案するように心がけています。 |