合わなくなった入れ歯は作り直す必要がありますか?
入れ歯が合わなくなってくる理由
人類は長い年月をかけて現在の形に進化をしてきました。科学的に分析すればするほど合理的にうまく作られていることがよくわかります。
従って本来の機能とは別の仕事をすることには無理があります。
人の身体にとって噛む仕事は歯とあごの骨の仕事です。歯を失ったとはいえ、その仕事を入れ歯を介して役割外のあごの粘膜に押し付けているのが入れ歯です。この本来とは違う無理をした力の負担様式があごの粘膜の下の骨を痩せさせることにつながり、入れ歯を長期間使っていると次第に合わなくなってくる方が出てきます。
残った歯の状態や位置、食いしばりなどの癖、入れ歯の設計などによりこの期間は異なってきますが、年齢による人体の変化と相まって入れ歯が合わなくなってくることがあります。
このため一般的には保険の入れ歯の使用期間の平均は5年といわれています。
入れ歯を長持ちさせる方法
できるだけ変化を起こさせないために、ご自身で食いしばりや噛みしめ癖等の不要な力を入れ歯に加えることを止める、日頃の歯磨きなどのケアを十分に行って歯と歯茎の健康を維持することが大切です。また入れ歯の設計や残った歯の治療によって変化を最小限にすることも症例により可能です。
さらに構造的問題を解決するために入れ歯をインプラントに替える方法や、入れ歯の下にインプラントを入れて入れ歯の粘膜への沈み込みを少なくする方法などがあります。あごが痩せて入れ歯が合わなくなる主な原因が噛む力による入れ歯の沈み込みによるものだからです。
こうした対策によって入れ歯を長持ちさせることができます。
合わなくなった入れ歯はどうすればいいの?
入れ歯が合わない程度によって対策は変わります。
お口の中と現在の入れ歯が大きくずれている場合は新しく入れ歯をお作りになられることをお勧めします。新しい入れ歯には現状に即した設計をすることもできます。
合わない程度が大きくなく現在の入れ歯で対応できるのであれば、先ほど述べた癖の軽減や、入れ歯の裏打ちで現在の粘膜の形に入れ歯を合わせる補修する、歯を失ったのであれば現在の入れ歯に人工歯を追加する方法があります。
どの治療が適当かは個人個人違う状況を拝見してご提案することになります。
またどの程度の期間で合わなくなってくるのかは、上記の事柄により非常に個人差が大きく一概には申せませんのでご了承ください。
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