歯が折れた時の治療法

前歯がないのは外見上・発音上お困りだと存じます。その両隣の歯の状況と歯のどの部分から折れたのかによって治療法が変わってきます。

折れた位置によっては歯を助けることができます

最初に大切なのがどの位置（歯のどの部分）から折れたかです。
表から折れた歯が見える場合は残った歯質の量にもよりますが、その歯を生かして差し歯にすることも可能かもしれません。
その歯に大きな病巣がなくさらに根の長さが十分残っており、折れた時に歯にヒビや割れがないことが条件です。

しかし歯茎の下で折れて歯が表から見えない時は一般的には残すことが難しくなります。

歯を残すことができない場合

抜歯しか方法がない場合にその後の治療についてお話いたします。

1.両隣の歯が健康な歯で折れた歯が1本の場合

取り外しする入れ歯、左右の歯を削って3本つながった人工歯を歯に接着するブリッジ、失った歯の場所の骨の中に埋め込むインプラントがあります。
インプラントは骨が十分に残っていることが望ましいのですが、それぞれの特徴やメリット・デメリットは文末の記事をご覧ください。

2.両隣の歯に不安がある、または失った歯が複数本になる場合

失った場の場所や噛み合わせ、残った歯の状況、骨の状態によって変わってきますが、どんな場合にも可能なのは入れ歯です。
両隣の歯が弱い場合や歯周病などでぐらついている場合はブリッジはお勧めできません。
骨の状態や他の歯の状態が許せばインプラントにより失った歯の回復が可能な場合があります。

3.年齢によるインプラント治療の可否

「若いからまたは高齢だからインプラント治療が受けられるか」とのご質問を頂くことがあります。
歯を失くされる年齢層が高いことから確かに中高年の方が多いのですが、ご自身の様に歯が折れたり元々歯が生えてこなかったなどの理由で若い方も治療を受けていらっしゃいます。
手術が受けられないようなご病気がなく健康であれば、年齢による制限はないとお考え下さい。

ただし体の成長が止まる前の若年者は成長が止まるまでブリッジやインプラントではなく入れ歯をお勧めします。
体の成長による口の中の変化に対して人工物が対応できないからです。成長が止まった段階でお考えになることをお勧めいたします。
インプラントの成功率に関しても年齢による差はないと考えています。
歯周病の有無、全身疾患や骨の状態、食いしばり・歯ぎしりなどの癖の有無の方がその後の経過を左右します。

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