加齢による口臭と歯周病

口臭
乳幼児期、思春期、成人期、老齢期、それぞれの年代には固有の臭気があります。
それに加えていくつかの要因が重なると口臭を発生することがあります。
また口臭には分類がありそれぞれ特徴があります。
歯周病も原因の一つですが、何が原因になっているかを調べその対策をすることで口臭を少なくすることは可能です。
口臭には4種類の口臭があります。歯周病との関連も含めてご紹介いたします。

生理的口臭

歯を磨く女性
寝起き、空腹時、緊張時などに唾液分泌が減少して発生する口臭です。
誰にでも起きうる口臭ですので不安になる必要はありません。
細菌増殖を抑える働きのある唾液分泌が減少することで口臭原因である揮発性硫黄化合物が多く発生するため口臭が発生します。
歯磨きで細菌数を減少させたり、水分補給や食事などで唾液分泌を促進させれば口臭は減少します。

外因的口臭

ニンニク
ニンニク、ネギを食べた後や飲酒や喫煙後など、お口の中に入れた食べ物、飲み物、し好品による口臭です。
飲食などと関連していますので一時的な口臭です。

病的口臭

虫歯と細菌
口の中や体内の病気が原因で起こる口臭です。歯周病による口臭はこの分類に入ります。
病気が原因ですから歯磨き等では改善できません。
病的口臭は歯周病や虫歯、細菌の塊である歯垢(プラーク)、舌苔と呼ばれる舌の表面の細菌の塊、入れ歯の清掃不良など口の中に原因があることが大半です。
そのためお口の中をまず清潔にすることが必要です。
耳鼻科領域の病気や呼吸器・消火器系の病気、糖尿病や肝臓疾患などでも口臭が起こることもあります。口臭原因となっている病気を治療することで改善ができます。
生理的口臭と外因的口臭は年齢を問わず発生する口臭ですから、中高年の方の口臭は歯周病も含まれる病的口臭と合わせてその原因を検討する必要があります。

心因性口臭

実際には他人からは口臭は認められなくても、自分は臭っていると思い込む主観的な口臭です。
心の捉え方ですので口臭対策を行っても改善しません。
詳細は「口臭のメカニズムと防止法」をご覧ください。

口臭と歯周病

歯周病イラスト
歯周病は口の中に生息する原因菌による感染症です。炎症が起こり歯茎と骨の破壊が起こる病気です。
歯茎の出血や違和感から始まって、進行すると歯茎の腫れや痛みが起こり、さらに進行すると歯を支える骨が溶けてなくなり歯がぐらついてきます。
そして最後には歯を失うため、現在成人の歯を失う人の80%が歯周病になっています。
歯周病は以前は歯槽膿漏と呼ばれていました。読んで字のごとく歯の槽(歯が植わっている器=歯茎)から膿が漏れる病気です。
重症化すると炎症により白血球が細菌と戦った結果として膿が出てきます。
この膿の臭いが独特の口臭となり、ひどくなるとその人の近くを通っただけで臭気を感じることがあります。
逆に考えれば歯周病を治せば口臭はなくなるまたは軽減することになります。
歯周病は口臭だけでなく歯を失う最大の原因でもありますので、早期に治療をされることをお勧めいたします。
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口臭と舌
口臭の80%が舌の表面の汚れだともいわれており、歯周病や歯磨きと共に注意が必要です。
また意外と見落としがちなのが、入れ歯や差し歯のプラスチック、歯にピッタリ合っていない詰め物や被せものです。
プラスチックには水を吸う性質があるため、汚れたまま放置すると臭いの原因になります。
ピッタリ合っていない人工物は歯との境目に隙間があり、その隙間に細菌が住み着き食べかすを餌に増殖して虫歯や歯周病だけでなく口臭の原因となります。
この場合はプラスチックを金属やセラミックに交換する、隙間を作らない精密な治療を受けることで解決できます。

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