60代女性「歯ぎしりや噛みしめなどの強い力をかける癖があるので、歯が悪くなった」銀歯ブリッジをセラミックとインプラントに替えた症例
2023.08.25
治療前
治療中
治療後
治療8年後
年齢と性別 | 60代・女性 |
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ご相談内容 | 反対の右側の銀歯ブリッジもダメになってインプラントをお入れになられた経緯から、次はこの左下銀歯ブリッジも危ないのではないかとご相談を受けました。(治療前写真) |
カウンセリング・診断結果 | 歯ぎしりや噛みしめなどの強い力を慢性的に歯にかける癖をお持ちの方であり、さらに左下奥歯全てが神経がないためもろくなっており、強度不足から根が割れるリスクがあると判断しました。 |
行ったご提案・治療内容 | このリスクを回避するには、強い力をかけないこと、ブリッジではなくインプラントを入れることにより噛む力を分散できればリスクを緩和できます。さらに人工歯の材質を硬すぎる銀歯ではなく歯に近い柔らかさの材質に変更することが有利に働きます。 反対の右下ブリッジを支える歯を失った経緯から左下は問題が起こる前に予防したいとのご希望があり、歯を1本失ってブリッジになっているところをインプラントにされることをご希望されました。ブリッジの歯のない部分の人工歯を削り取り、模型とCT撮影でインプラントの可否並びにどの場所にどの角度でインプラントを入れるのが最適なのかを判断しました。 その治療計画に基づきインプラントを入れる手術を行いました。 インプラントと骨がくっつく期間を経て、仮の土台と仮の歯を作製し実際の食生活や日常生活上の問題がないかを確認しました。問題がありませんでしたので、歯型を取り、最終的なセラミック(e-max)を歯に仮止めして治療が終了しました。 8年前当時はネジ止めしている土台が緩んだ時に被せものを外せるようにセメントで仮止めするのが主流でしたが、現在は時代と共に仮止めではなくネジ止めが主流になってきています。(治療後の写真) |
治療期間 | 約半年 |
治療回数 | |
費用目安 | 428,870円(インプラント・仮歯を含めて) |
術後の経過・現在の様子 | 歯ぎしりや噛みしめ癖による強い力によりトラブルが後を絶ちません。その観点から支える歯に過大な力が加わるブリッジをやめてインプラントにした予防的効果は大きいと考えています。治療後は食生活を含め日常生活上のお困りや問題はなく、正常に機能しています。 こうした癖をお持ちの方は特に、何か起こってから治療するのではなく、定期的な検診とメンテナンスが大切なため現在は半年ごとにお目にかかっております。 |
治療のリスクについて | ・外科手術のため、術後に痛みや腫れ、違和感を伴います ・メンテナンスを怠ったり、喫煙したりすると、お口の中に大きな悪影響を及ぼし、インプラント周囲炎等にかかる可能性があります。 ・糖尿病、肝硬変、心臓病などの持病をお持ちの場合、インプラント治療ができない可能性があり、高血圧、貧血・不整脈などの持病をお持ちの場合、インプラント治療後に治癒不全を招く可能性があります。 ・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります |
クリニックより | 8年前に懸念していた噛みしめ癖などの過大な力により、数年後には一番奥の銀歯(今回治療の1本奥の歯)の表面に無数の傷がついてきました。銀歯は歯より硬くめったなことでは傷がついてきません。日常的に強い力を加えていることがわかります。 そのため現在は銀歯を歯と同等の硬さの人工歯に置き換えて歯を守っています。さらにこの当時インプラントの上に被せたセラミックが一部欠けたため、一番奥の歯の治療時に修正をしました。インプラントの前後の歯は神経がなく割れやすくもろい歯であることを考慮すると、この時点でブリッジをやめてインプラントにしたことは正解であったと考えています。 |
セラミック(e-max)など詰め物・被せ物の種類や特徴はこちらをご参照ください。
インプラントの詳細は下記をご覧ください。
・インプラントとは
・インプラントの種類
・インプラント治療を受けられない人
・骨が少なくてもインプラントを受ける方法はあるのか
・インプラントと天然歯の違い
・骨が痩せてしまった場合の将来的なリスク