60代女性「奥歯のセラミックが欠けて食事のたびにものが詰まって不便」欠けたセラミックを温存し奥の銀歯をセラミックに替えた症例

2023.09.18

治療前

 

治療前

治療後

 

治療後

 

年齢と性別 60代・女性
ご相談内容 左下奥歯(左下6番)の被せものが欠けて食べ物が詰まって困っているとお見えになられました。
カウンセリング・診断結果 欠けたのは奥から2番目ですが、一番奥の銀歯の表面がかなり傷がついていることから日常的な噛みしめや食いしばり、歯ぎしりなどがあることが伺えます。この継続的で暴力的な強すぎる力により奥から2番目の被せものが壊れたことが容易に想像できます。
一番奥の銀歯のように壊れない材質にすれば被せものは欠けないでしょうが、強い力がかかることに変わりがないため今度は歯の根が割れることでしょう。
被せものが壊れることは喜ばしくはありませんが、歯が割れて抜歯になるより被せものをやり替えて歯が残る方がまだ怪我が小さく済み、また一番大切なのは被せものの材質ではなく、強すぎる力をどうコントロールするかだと思っています。
行ったご提案・治療内容 治療選択肢を2つご説明しました。
第一は壊れた被せものを作り直す方法。
第二は欠けた部分が一部であるため欠けた部分を丸めて研磨し温存します。そして欠けて歯と歯の間に空いた空間を一番奥の銀歯を外して新たにその空間分だけ大きくした被せものに入れ替えてものが詰まらなくする方法です。一般的には第一の方法がとられることが多いと思いますが、噛みしめ等の強い力により一番奥の銀歯を支える神経がない歯が割れて抜歯になるリスクが高いと判断したため第二の方法も併せてご紹介しました。2本両方治療するのが理想ですが、費用が掛かるためです。実は奥から2番目の今回欠けた歯はインプラントです。以前に歯を失っておられるのです。強い力が関与している可能性を否定できません。
銀歯は硬すぎるため力がダイレクトに支える歯や根に加わります。これ以上一番奥の歯を失うことは避けたいためのご提案でした。被せる材質は歯と同等の硬さである金合金、または審美面を考慮してジルコニアやセラミックをご紹介しました。
この提案理由をご理解いただけたので第二の方法でセラミックをご希望されました。銀歯を外すと同時に手前の欠けた部分を丸め研磨をしました。その形に合わせて一番奥の歯に仮の歯を入れてしばらく生活をしていただき問題がなかったため、一番奥の歯だけ歯型を取ってセラミック(カタナ)を歯に接着して治療が終わりました。(治療後の写真)
治療期間
治療回数 3回
費用目安 133,520円(仮歯を含めて)
術後の経過・現在の様子 歯と歯の間にものが詰まらなくなり食事が快適だとお喜びいただけました。
さらに目立っていた銀歯がなくなり口の中がきれいで明るくなったと伺っています。
治療のリスクについて ・治療中に痛みを伴う場合があります
・治療後に正しい歯磨きやメンテナンスを怠ると、虫歯が再発する場合があります
・治療後は神経が過敏になっているため、痛みが生じる場合があります
クリニックより 現在は過去の延長線上にあります。現在の延長線上に将来があります。過去の情報はこれから先の傾向を読むために決して無駄ではありません。
その方の指向や癖などの特徴をどう考えるかで今の選択を考慮することが長い目で見て大切だと日々考えています。慢性的に強い力をかける癖(歯ぎしり・食いしばり・噛みしめ癖)により歯やセラミックが欠けたり割れる場合、また歯の摩耗が起こる場合には2つの対処法があります。
上下の歯同志の接触に常に注意を払い、接触させる癖を克服する。
②マススピースを装着して歯の被害を軽減する。(最低でも夜間は装着)

セラミック(カタナ)など詰め物・被せ物の種類や特徴はこちらをご参照ください。